死んでもいい (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.60
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本棚登録 : 578
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314293

作品紹介・あらすじ

「ぼくが殺しておけばよかった」同級生が刺殺された事件の取り調べで、そう告白する少年の真意とは――書き下ろしを含む6篇収録

感想・レビュー・書評

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  • 6篇の短篇集。
    ここまで人間の暗部を抉り出してくるとは…。
    想像外の世界で、先入観をことごとく打ち砕いてくれる。
    「ママがこわい」なんてある意味誰を指して言っているのか…ラストでまさか⁇と思わせてしまうところがもっとこわい。

  • 「僕が殺しておけばよかった」同級生が刺殺された事件の取り調べで、少年はそう告白した…表題作を含む六編の短編集。
    どれが良かったと選べないくらい全話面白かった。櫛木理宇先生は人の無意識に?隠し持ってる悪意のようなものを書くのが上手いですよね。

  • 初めましての作家さん(多分)タイムラインで見かけて気になっていた一冊です。
    これはいいイヤミスを読んだ。特に「ママがこわい」がお気に入り。厭な女を描くのがお上手だ。どの話も意外な結末が用意されており、面白かった。

  • この人は作品によって容赦がないから(;^_^A

    ですが、純粋なミステリーとしても楽しめました。
    相変わらず技巧がすごいな。嫌ミスと言えないんだよね、この型の場合は、現実にものすごく密接しているから、精神状態によっては私も読めないかな。

    ですが、面白かったわ。

  • 6篇からなる短編集。
    1話目から、思ってたのと全然違う展開にびっくり!!
    え〜!と予想の上を行きました!
    どの話も毒々しくて不穏。
    でもこういうの嫌いじゃない笑

    櫛木さん、長編しか読んだ事なかったけど、短編もハズレなしで面白かったです!

    「ママが怖い」と「その一言を」が特に面白かった。

    最後の「タイトル未定」は、なんと作家の櫛木理宇さん登場!!
    ほんとの話なのか、創作なのか頭ごちゃごちゃしたけど、こういう自分を作品に登場させるのって、サプライズ的で私は好きです。
    そして1番驚いたのが櫛木さんの性別!!
    てっきり男性かと思ってましたー
    名前にミスリードされてた笑笑

  • 最後のタイトル未定がよかった。

  • 私が櫛木理宇先生と出会うきっかけとなった作品は「侵蝕」だった。人間の醜さをこれでもかと描き切る手法と残酷な真実を織り交ぜる着想の豊かさには驚かされる。ただし今回は短編集だ。短い文章の中でいかに私達を裏切り先入観を打ち砕くのか楽しみでもあった。6篇どれも現実世界のすぐ傍の誰の中にも起こりうるものであった。最後のタイトル未定は作者は女性だったよなと思わず櫛木理宇先生のWikipedia を検索してました(^o^)
    現実に起きたら怖いだろうけど櫛木理宇先生が遊んでいる感じがして面白かったです。これからも櫛木理宇先生を応援したいと思います。

  • 以前読んだ「寄居虫女」の作者が「死刑に至る病」の原作者だと知った。
    短編集でもしっかりと後味悪く、どんでん返される。最近長編を読み通す気力があまりないので短編集は助かる。
    表題作の「死んでもいい」はまさかの展開だし、めちゃくちゃ退廃的で耽美で良かった…。
    「彼女は死んだ」は、死んだのがあいかではないだろうなとは思ってたけどさらに一捻りある結末で良かった。

  • 「死んでもいい」「ママがこわい」「からたねおがたま」「その一言を」「彼女は死んだ」「タイトル未定」
    6話収録の短編集。

    これでもかというぐらい人間の醜さや毒が散りばめられていて不穏極まりないが、怖い物見たさで読み進めると、想像の上を行くオチにやられ、それが癖になる。

    表題作の真実は誰もが予想出来ないであろう意外性を持つ。

    有りえない言動を繰り返す女性に嫌悪感を抱いていると、その裏に隠された真実に驚愕する『ママがこわい』。

    盗癖とストーカーを絡めた『その一言を』は深過ぎる闇に慄く。

    読後は人間が持つ多面性に慄然とする。

  • 短編も悪意が凄い…どす黒い気持ちのままで終わるお話も、当人たちには救いだったのかも?となるお話もありました。
    「その一言を」と「タイトル未定」、どちらも電波…と思いました。「その一言を」の締めの一文がいちばん狂気。でも「その一言を」、本人たちは悪くなくて育てられた相手と育った環境がかなり悪かったのが原因という心苦しさはありました。
    「タイトル未定」は作者が自身で遊んでいて面白かったですがよく考えたら怖い。盗作されたと思いこんで起こってる事件あるから現実的じゃなくはないので…商業作家じゃないけど身近でもあったので、本当にこういう人いるよね…という恐怖でした。妄想を信じ込んでる人はその世界に生きてるから極力関わらないどこうと思うけど、ひょんな事で関わられたりするので。わたしも気を付けようという自戒を込めて。
    「彼女は死んだ」はほのぼの読みました。櫛木理宇でわりとほのぼのするとは思わなかったです。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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