筒井康隆、自作を語る (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2020年6月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784150314330

作品紹介・あらすじ

SFマガジンに連載されたインタビューに自選短篇集の解題と全著作リストを併録する必携の1冊、作家デビュー60周年にあわせ文庫化。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

作家の創作の裏側やエピソードを知ることができる一冊で、筒井康隆が自作について語るトークショーや対談をまとめています。驚くべき記憶力を持つ筒井と、博識なインタビュアーによるやり取りから、名作の誕生秘話や...

感想・レビュー・書評

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  • SFマガジン2017年6月号〜2018年8月号筒井康隆,自作を語る(2014年11月〜2017年11月実施のトークショーから文字おこし)、徳間文庫2002〜2003年刊自選短編集6巻の巻末掲載インタビュー、日下三蔵編:筒井康隆全著作リスト、を2018年9月早川書房より刊行。2020年6月ハヤカワJA文庫化。創作時の事情、想い、時代が語られ、とても興味深く、面白い。インタビュアーの日下三蔵さんの合の手も絶妙で、お話の中に登場する人たちの話と合わせて時代を切り取って、目の前で見せてくれるているような気がします。初版書籍や、書籍チラシ、映画ポスター等の収録物も楽しめました。こんなに楽しめるとは思ってなくてびっくりです。

  • 2014年から2017年くらいにかけて行われた筒井康隆が自作について語るトークショーや対談集をまとめた一冊。筒井康隆の素晴らしい記憶力と、インタビュアーである編集者の博覧強記ぶりによって、どのように名作の数々が生まれたのかを知ることができるし、当然その誕生の背景も様々な面白おかしいエピソードに彩られている。

    個人的に一番面白かったのは2008年に発表された「ダンシング・ヴァニティ」の誕生秘話であった。本作は”差異と反復”という言葉そのものであるように、ストーリーが微妙に差異を孕みつつ繰り返す反復されて生きながら進んでいく。
    その背景には、新潮社に対して試しに原稿料を半額で良いと言ったら、先方が思いのほか喜んで半額が通ってしまったために、「半額なら手抜きでいいか」となったエピソードがあるという。手抜きをするためにコピー&ペーストで作れる小説を書きつつ、それが意外にも良い出来になるという点に、御大の作家としての力量を感じざるを得ない良いエピソードであった。

  • 筒井康隆作品との出会いは、中学生の時のNHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」。原作は「時をかける少女」。やはりファーストコンタクトしたテレビドラマの方にイメージが固定されがちで、その後に読んだ文庫本からはあまり感動を得られなかった記憶がある。しかし、他の文庫本を読み進めるに連れて、どんどん筒井ワールドに引き込まれていった。
    今回の本では、今まで知らなかった、というよりも読者が知り得なかった情報、つまり制作サイドの貴重な情報が得られた。これまでも制作関連情報は各種雑誌の特集・あとがき等で断片的に公開されてきたが、これだけ多くの内幕が判ると、更に作品の理解度が高まる。
    作品リストは、これまで何度も形を変えて公開されてきたが、今回も出版した単行本・文庫本等を中心にまとめられているが、作品一つ一つを中心に纏めたリストをそのうち自分で作ろうかと思っている。ただ、その前に十分に調査して無駄な作業をしないようにしよう。

  • 全7巻の〈筒井康隆コレクション〉刊行時に、予約購入者(つまり、ディープなツツイストたち)を対象に開かれたトークイベント・シリーズ「筒井康隆、自作を語る」。その再録が本書の第一部である。

    つづく第二部は、テーマ別自選短編集(全6巻/徳間文庫)の巻末に収録されたインタビューの再録。各巻所収の短編の舞台裏が語られている。

    第一部のトークイベントは、おもに代表作・長編を俎上に載せていた。通好みな短編にも光を当てた第二部は、うまい具合に第一部を補完する内容になっている。

    さらに、文庫化に当たって、『筒井康隆全戯曲』(全4巻)完結記念で開かれたトークイベントを再録した著者インタビューが、追加収録された。

    つまり本書は、筒井が3つの角度から自作を振り返った豪華インタビュー集なのだ。
    巻末には詳細な全著作リストも載っているし、筒井ファンならマストバイの一冊と言える。

    インタビュアーを務める編者・日下三蔵の、筒井作品に対する造詣の深さもすごい。本書の「後記」で筒井が、「日下三蔵はおれ以上におれのことをよく知っている対談相手だった」と書いているほどだ。

    インタビュー中、筒井が「あれは○○だったっけ?」と記憶のあいまいさを見せるたび、日下がすかさず正解を言う(!)。
    その様子はまさに〝本人以上に本人のことをよく知っている〟というレベルで、吉田豪のディープなインタビューを彷彿とさせる。
    吉田も、本人すら忘れていることまで調べ上げる徹底した準備でインタビューに臨み、「私のこと、なんでそんなによく知ってるんですか?」というたぐいの発言をしばしば引き出してきた。

    日下三蔵という最良のインタビュアーを得たことで、本書はすこぶる充実した内容となった。

    また、筒井康隆はじつにサービス精神豊かな語り手であって、聴衆を楽しませるコツを心得ている。そのため、読み物としての面白さも一級品だ。

  • けっこう今までの日記などでの言及と異なるコメントがある(たとえば『フェミニズム殺人事件』に成立についてのコメントは『幾たびもDIARY』でのコメントとニュアンスどころではない差があると思う)のが気になった。基本はトークショーの文字起こしだし、普通にいろんなこと忘れていて当然だと思うので、そのこと自体は問題ないとは思うが、この本のコメントだけを典拠になんか判断されちゃうとよくなさそうね。著作リストは単行本からちゃんとこの文庫時にまで更新されてます。リストによると『現代語裏辞典』は文庫の方が項目が多いらしい。

  • 第一世代はものが違うな。面白くて一気読み。筒井康隆はあたりハズレが多い印象だったが、どこかで未読作をまとめて読みたいな。

  • 実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。

    黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑)

    凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億と、只野教授ぐらいは読まなくちゃ。あと、竹書房から出た短編集と。

  • 日下三蔵氏との対談・インタビューで構成される。日下氏の知識がすごい。本人でさえ思い出せない短編のタイトルがぱっと出てくる。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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