- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150314491
作品紹介・あらすじ
大学図書館に"降る"本は天才詩人の呪いか――現実と現代芸術が交差する五つの謎に、新たな日々を歩み始めた黒猫と付き人が迫る
感想・レビュー・書評
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不穏な展開だった第2部スタートの前作が、視野が狭くなる孤独な「夜」だっただけに、並んで歩く「昼」の今作はたとえ迷宮であってもやはりどこかに光を見出せる感じだった。また、黒猫と付き人の関係の変化に伴い、作品内に漂う空気も少し柔らかくなってきたようで、読者としてはその雰囲気を彼らと一緒に味わえるのが嬉しい。
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今回は実際の事件をベースにしたものが多くて、ちょっとムズムズした。
美学的解釈が半分くらいしか理解できないのと、不確定なことを確定的に話すのが気になるのはいつものこと。
それでも謎の答えが知りたくて、つい読んでしまうこのシリーズの魅力は不思議だ。
「群衆と猥褻」がわざわざそこまでするか?という真相だったのだけど、それよりも泊まりに来た後輩が味噌汁すすって沢庵をかじった後にクッキーを頬張ってた方が気になった(笑) -
森先生の作品で図書館を扱った話を読みたいと思っていたので、今回、黒猫シリーズで実現して、こういう風になるのか〜と感嘆。今回は短編ですが、私達の日常で目にする事件がモチーフになっていて、美学の視点がよりわかりやすかった。もちろん二人のベタ甘もありとても嬉しい
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新章2作目。
前作ほど難解ではないものの、やはりポーの作品に沿って描かれるミステリーは理解が難しい。
ポーの小説の難しさと、美術の専門知識、黒猫独特の言い回しなど、本当に難しい。
ポーの小説に合わせながらも、最近美術系ミステリーでよく取り入れられているバンクシーや、昨年問題になったあいちトリエンナーレなどを思わせる時事ネタを取り入れているのは、さすが。
今作のラストは黒猫と付き人の明るい未来を思わせる終わり方で、読み終わった後、ほっこり。 -
黒猫と付き人の美学の物語。
今回は「ポー」の短編に擬えた考察。短編。
それにしても、二人の関係が一歩ずつ近寄って来ていることが微笑ましい。
相変わらず、クセの強い人間は登場するし、心穏やかに対処出来ないことも。
だけど、黒猫が付いていれば大丈夫。なるほど、解決! -
短編集
相変わらず楽しませてくれる作品
灰島教授が出てくる作品も含まれているとは…
黒猫シリーズを読むと読書をする際に背筋が伸びる気がします(笑) -
現代芸術をテーマに話が進む。
芸術と言っても、絵画だけでなく、詩や服飾、パフォーマンス…。アートと芸術の違い。
深く考えたことなかった分野だったからそういう考え方があるんだと新鮮な気持ちで読んでた。贋作とオリジナルなんてわたしには見比べることはできない。きっと贋作でもら感動しそう。何が真実なのかなんてわからない。