万博聖戦 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2020年11月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784150314545

作品紹介・あらすじ

虐げられた子供たちは大人たちからの支配を逃れるための戦いを繰り広げていた。そして1970年、大阪万博で子供と大人は激突する!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

子供たちの反乱と大人たちの支配をテーマにした物語は、1970年の大阪万博を舞台に繰り広げられます。主人公のシトは、友人との交流を通じて「子供こそ本来の人類」とする考えに共感し、仲間たちと共にコドモ反乱...

感想・レビュー・書評

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  • 発売日に購入していたのだが始まりの
    シトは友達が少ない。なんならいないと言っても間違いではない。でもそんなものでしょ、と彼は思っていた。友達が百人出来るような人間は友達が欲しいんじゃない。ただ仲間の数を増やしたいだけなんだ、と。彼はそうやって自分を百倍の人間に見せたいだけの人間とは、友達になりたくなかった。

    という初めのページの序文に「あ、わかります」
    とクソへんちくりんの僕は「今度の万博までとっておこう。オモロイ体験が出来るかもしれん。最終日に読んで理解のされない感慨に浸ろう」と思い、なんと5年間読まず、今日という日の為に100均で購入した本を入れる用のプラBOXにほこりのつかぬよう封印した
    大変なアホである、気持ち悪すぎる
    まあ、どうぞなんとでも思ってください

    さて大阪万博の話だ
    1969年、主人公のシトは中学校の友人サドルに
    子供が賢くなるのはオトナ人間というインベーダーの精神侵略のせいだと聞かされ共感する
    なんにでもなれる子供こそ本来の人類
    1年後、コドモ反乱軍として大阪万博会場へと向かう

    2037年、日本を襲った大地震の爪痕が残る中、VR技術を使い復興をしつつある大阪にて2回目の万博開催(この辺は東京オリンピック紹介から着想を得ていると思う。何一つ実現しなかったが)
    当然、シトもサドルも同調する仲間たちも歳を重ねており、オトナ対コドモ
    大阪万博にてまさに聖戦が行われる
    (牧野作品なのでホラーも入り乱れる)

    僕はまったく(前)大阪万博世代ではない
    だからこの本の恐らくテーマ
    子供は遊び続けろ
    をこの本の時間経過として完全に理解できない
    それでも、弱者へのアプローチや体制への疑問
    そういう普遍的なメッセージと未来への渇望には僕達の世代にだって響く物語だった
    567ページ、大作

    5年温めなくても…よかったかな…
    でも最初の動機はまさにこの本の内容、で、し、た
    ハズカシッ!

  • 時は1969年、大阪万博を翌年に控えて国全体が浮き足立っているような雰囲気の中、中学生のシト、サドル、未明は、あるテレビ番組をきっかけに「子供こそが真の人間である」こと、「オトナ人間」が大人に憑依して子供に攻撃を仕掛けていることに気づいてしまう。子供ゆえの社会的な無力さに悩みつつ、子供らしい無鉄砲さと子供しか使えない特殊能力「Q波」を武器に、「オトナ人間」の侵略を阻止すべく全力で闘う3人。決戦の場は、1970年大阪万博「太陽の塔」だった・・・!
    時は流れ、2037年。都市全体を仮想空間のレイヤーで覆い、個々人の存在も社会法規も”ヴァーチャル”と化した大阪において、2度目の万博が計画される。年老いて年齢的には「大人」になったシトとサドルは、再び闘いの場に登場することになる・・・

    ・・・と、あらすじをまとめてみても何がなんだかよくわからないのですが、実際にそういう話なのだから仕方ない(笑)
    大雑把にジャンル分けすれば「侵略SF」ということになると思いますが、侵略する側のメリットとか、侵略される側が守らねばならないものとか、そうした「作品世界を理屈づけするために必要なロジック」が、この作品にはありません。子供こそが人間?幽体離脱するとQ波を発することができて、大人はQ波をくらうと失神する?チトラカードを使うと時間を操れる?コドモ軍の超弩級戦艦が時空を超えて航行する?・・・はぁ???ってな感じでヽ( ´ー`)ノワイドスクリーン・バロックを読み慣れたSF者であっても相当面くらうんじゃないかと思われる、かなり破茶滅茶でカオスな世界観です。
    が、そんなぶっ飛んだ世界の中で動き回る子供たちには、不思議と存在感と説得力があるのですね。自分が子供だった頃を振り返ると、恥ずかしさと冷や汗と共に思い出す、くだらない遊び、つまらない思い込み、役に立たない正義感、そうしたものにわけもなくのめり込み夢中になる、あの濃密過ぎた日々。あの、人生の中では本当に一瞬に過ぎない、バカバカしい子供時代の熱気とエネルギーを、SFというフォーマットを活かして可視化したのがこの作品なのかな、と鴨は感じました。
    登場人物は主役の二人も含めてどいつもこいつも極端で思い込みが激しく、感情移入することができないのですが、でも突き放すこともできない不思議な温かみがあります。子供の側に寄り添ったストーリー展開でありつつも、ラストシーンには突き放した現実的な価値観も垣間見えます。100%現実逃避した「バカ話」の一歩手前で踏みとどまるこのバランス感覚は、牧野修作品ならではですね。

    牧野修作品の特徴である、絢爛華麗で鮮烈なヴィジュアルイメージを残す幻惑的な文体は、この作品でも顕著。2037年の設定で描かれる「幻想の大阪」は、ぜひ映像化して欲しいぐらい。個人的には、松露夫人を映像化したらどんなふうに描かれるのか、ぜひ見てみたいですね!コッテコテにゴシックなファッションで颯爽と登場して欲しいなー。

  • SFだったのかな?読み慣れなくて、戸惑ったけど、
    どことなくー今の世の中とリンクして言いたいことはわかって、風刺なの?とか思いつつ、おおおーとか最後ちゃんと納得できるから最初の戸惑いはいつか晴れる信じて読み進めてほしい

  • 現代社会への批判と皮肉が鋭く織り込まれていて、一方で世界観はぶっ飛んでてとても面白かった。ラストも好み。

  • 本編を読んでいる途中も、やっぱり自分の子供時代を思い浮かべてしまいました。大人になるのはまだまだ先だーと思っていた時代。今ではとても熱中できそうにもないことに、なぜか熱中していた時代。そしてラスト。昔に戻ります。人は誰でも大人になる。子供時代の記憶は美化されているのかもしれませんが、やっぱり「なくしてはいけない(なくしたくない)子供っぽい自分」を求めている自分に気が付きました。

  • 大人たちが何者かに憑依されてオトナ人間になっていることに気づいた子どもたち。オトナ対こどもの戦いの舞台は1970年の大阪万博。そして2037年。大きく変化した世界で再び大阪万博が開かれる。前半のノスタルジーあふれる万博の風景とうってかわって、後半は、不思議なキャラクターがあふれる幻想的な世界。オトナになってしまった身からすると、大人世界も悪くないとは思うんだけどなぁ。

  • SF、なのかな?
    世界がつまらなくなるのはオトナ人間に憑依された所為、という中々面白い発想。粘土遊びが面白くなくなる大人なんかにならなくて良いってヒデヨシが言ってたなぁ…なんて思い出しました。が、現実はそうも言ってられないよねぇ。とオトナ人間は思ってしまう訳で。

    子供の何がつらいって社会に出られない事だと思う。
    まぁ子供だから仕方ないんだけど。オカネも稼げないし、一人で社会活動を営めない。そういう大人社会をぶっ潰そうぜ、なら好きな展開だったかも。破壊と暴力では解決しないよな。

    という訳で明確な敵が出てきた辺りでちょっとダレてしまいました。自由行動には責任が伴うってエノキさんのセリフにそうだよな、と頷いてしまったので私には合わなかったんだろうなぁ、うん。

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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