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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784150314583
作品紹介・あらすじ
動くものしか認識できないヴィンダウス症のキム・テフンは、近未来の中国・成都でこの難病を巡る都市AI計画に巻き込まれていく
みんなの感想まとめ
近未来の中国・成都を舞台に、動くものしか認識できない難病を抱える主人公が都市AI計画に巻き込まれる物語は、設定の独自性とテーマの深さが魅力です。「変動する不平等」という考え方が印象的で、作品全体に新た...
感想・レビュー・書評
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設定が分かりにくいところもあったが、読みやすかった。「変動する不平等」という考えはかなり面白いと思った。
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面白かった!けどめちゃめちゃ消化不良だった!
これめちゃめちゃマトリックスの影響受けてるよね?って思ったんだけど読んだ感想の中にはなかった。不思議。 -
十三不塔氏はハヤカワSFコンテスト出身の新人さんで、本作がその受賞作。出版された当時はスルーしていたのだけれど、最近増えたSFのアンソロジーで読んだ短編が気に入ったから手を出してみた。伴名練氏がよく編者の言葉的に書いている提言を実践したことになるのかも知れない。読後の感想は可もあり、不可もありだろうか。個人的に好きな作風で、主人公のキャラクターとか気に入った部分も多いのだけれど、筋の展開はもっさりしていて、ストーリーテリングに長けているとは正直言えない。コンテスト受賞作と言うことで、巻末にその選評が収録されているので、この感想もそれに多少影響されてるかも知れないが。
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久々に熱くなれるSFを読んだ気がする。最近読んでいたものは、『星を継ぐもの』を筆頭に、短編を含めても知的好奇心が刺激されるという意味で面白いものが多かったように思う。それだって良いものだけど、そういう面白さの上にエンタメ的な面白さが乗っかった本作は、とても楽しく読めた。
本作は、魅力的な要素をとにかくぶち込みまくった、とても豪華な小説だと思う。そのネタ一つで一本話が書けるんじゃないか、という題材を幾つも提示してくる。こっちが「美味しそうなネタだなぁ、これで最後まで持っていくのかな」と思っていると、即座に違うテーマが突きつけられるので、非常に贅沢なつくりをしているな、と思った。大きな話の流れとして空前絶後とは言い難いものの、予想を裏切られ続けるので、最後までワクワクしながら読むことができた。
SF的な方面以外でもサービス心は旺盛で、中国拳法が出て来たり、ヒロインは総じて魅力的だったり、アクション映画が好きな人も楽しく読める作品だと思う。シニカルな語り口の主人公も良い。
踏み込んだ感想はコメントにて追記します。-
ネタバレを、します。
少なからず犠牲は出たにしても、主要人物に関してみれば概ねハッピーエンドで幕を閉じた点が非常に好...ネタバレを、します。
少なからず犠牲は出たにしても、主要人物に関してみれば概ねハッピーエンドで幕を閉じた点が非常に好きだ。中盤以降二つの大きな渦となる主人公とデバッグは、両者ともそれぞれの世界を守るために、大規模な戦闘を繰り広げた訳だけど、耳障りの良い正義を掲げるというより、個人的な動機や切実さに裏打ちされた激突だったというのも良い。主人公に関しては、もう少し一般的な善性によりそって戦ってたような気もするけど、「兄貴を平気で殺せるようなやつが相手だから」戦う、というような台詞もあって、そこが好き。とぼけるし皮肉を言う主人公だから、あまり信用できないかも知れないけれど。
結局僕は、善意で駆動するお話が好きなんだな。
先にも少し触れた通り、本作には中国拳法が登場するけど、それが超人サイバー拳法になっていて素晴らしい。戦い方も見栄え(文章なのにね)の良いアクション一辺倒ではなく、AIに対しては搦め手を使って勝利したり、肉弾戦以外にもハイテク有人ドローンによるドッグファイトが繰り広げられたりと、各種取り揃えており、思わず手を叩いてしまうようなバトルシーンは枚挙に暇がない。中国の伝承、インドの風俗など、アジア的エッセンスが随所に散りばめられているのも良い。
また、本作では度々「兄弟」がキーワードとして浮かび上がって来る。発症のトリガーとしてだけでなく、そもそもなぜ人類がそれを患うに至ったかにまで(ここは確か作中で科学的に担保はされてなかった気がするけど)関連してくるキーワードは、最後までひょこひょこと顔を見せ、クローンにまで行き着く。この語の取り扱い方も良かった。
選評を読んでいて、「え、ちゃんと説明されてたじゃん!」と憤った箇所も結構あった(私的には、認識能力が上がることで格闘能力も向上するというのは(実現性はともかくとして)親しみやすい理論だったし、バイオフィードバック能力もあると明かされていた。また、身体パラメータによる都市管理も、それぞれの相関性が明示される訳ではないにしても、筋は通っていたように思った)が、感想をぼちぼち書いていて、選評をもとに改稿をしていない訳がないな、と思い至って怒りの矛先を収めた。2022/06/01
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『娯楽』★★★★★ 10
【詩情】★★★★☆ 12
【整合】★★★☆☆ 9
『意外』★★★☆☆ 6
「人物」★★★☆☆ 3
「可読」★★★☆☆ 3
「作家」★★★☆☆ 3
【尖鋭】★★★★☆ 12
『奥行』★★★★☆ 8
『印象』★★★☆☆ 6
《総合》72 B- -
設定は面白い。動くものしか認識できない難病の克服方法が、都市を自在に動かすAIに取り込まれていく。後半のスピード感は、映画を観ているよう。余り深く考えずに楽しめばいいと思う。
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