誰も死なないミステリーを君に 眠り姫と五人の容疑者 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2021年9月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784150314989

作品紹介・あらすじ

人の死期がわかる少女・志緒と、人が死ぬミステリーが許せない少年・佐藤。死線が浮かんだ、今は歌えなくなった歌手・奏音を救う。

みんなの感想まとめ

人の死期がわかる少女と、死ぬミステリーを許せない少年のコンビが繰り広げる物語は、シリーズ第3弾にあたります。今作では、彼らが知り合ってから初めて直面する事件が描かれ、歌手・奏音を救うために奮闘する姿が...

感想・レビュー・書評

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  •  人の死期がわかる少女・志緒と、人が死ぬミステリが許せない少年・佐藤。 シリーズ第3弾で、二人が知り合ってから初めての事件が描かれる。

     志緒が知り合った死線にが浮かんだ、今は歌えなくなった歌手・奏音を救うために二人は奮闘する。容疑者(?)は、幼馴染の5人。

     最初の事件ということで、佐藤の愛用するキャスケット帽の由来が判明する。キャスケット帽で思い出されるのは、やはり桜田淳子か(古いなあ)。あ、あとレーニンも。
     それから、前作から気になっていた佐藤の下の名前も明らかになる。

  • 人の死の予兆“死線”が見える少女・志緒と、人が死ぬミステリーを許せない少年・佐藤が初めて挑んだ事件が描かれるシリーズ第三弾。ミュージシャン志望の少女・奏音(かのん)の死を回避できるのか?!

    奏音は親友・白雪が暴力事件で昏睡状態に陥り、自らも歌えなくなる悲劇の中にいた。白雪を殴った鉄太も幼馴染であり、自白はしたものの彼は誰かを庇っているようだった。その真犯人もまた幼馴染の中にいるらしく──。容疑者は絞られている。幼馴染の知らない一面に向き合いながら、死を覆せ!

    死線をまだ宿命だと思っている志緒が、佐藤の力を借りて呪いを奇跡に変える物語。前作は佐藤率が高かったけれど、今回は志緒メインの味付け。あくまで志緒が死線を消せるかという覚悟が問われていく。その中で、今まで気になってきたあれやこれやが明らかになるので、シリーズを読んだ方はぜひここまで読んでほしい。

    今回もいろんな作品をオマージュした要素が盛り込んであって楽しい。D島ってD坂から取ってきてる?!とこれを書いていて気づく。佐藤の親友・ハナゴリラも登場。
    「野生では目を逸らした方が負けなのだ。恋人同士でもなかなかそこまで見つめ合うことはないだろう。愛が芽生え始めていてもおかしくはない。」
    というゴリラ対決もあって目が離せない。やっぱり佐藤のモノローグが軽快でいいよね。

    今回も単に事件の真相を暴くだけでは不十分で、あくまで死線を消すことを第一とした解決作りが面白くてよかった。誰も死なないけれど、誰も死なせてはいけない緊張感が魅力的なので、このシリーズは長く続けてほしいなあ。

    p.18
    「よかったら、話を聞かせてくれない? 僕に話しても無駄なのかもしれないけれど、そうだったとしても時間が無駄になるだけで、他に何か問題が発生するわけじゃない。そうだよね?」

    p.145
    「私はね、ヒーローに必要なのは、何度倒れても必ず立ち上がることだって思うんだ。いくらヒーローだって無敵じゃない。強大な敵に負けて倒れることだってある。それでも、ヒーローは立ち上がるんだ。だって、倒れたままだと誰にも手が伸ばせないから。誰かを助けるにはまず自分が立ち上がってないとダメだから。私には、志緒がヒーローに見えるよ。だって、私や仲間が死ぬのをこんなにも必死になって、助けてくれようとしてるんだからさ」

    p.145,146
    ずっと負け続けるヒーローにどんな価値があるというのだ。
    「それでもさ。そんなときは──」
    モノレールで移動するのは二駅だ。
    でも、私はこの先、このたった数分の会話を忘れることはないだろう。
    「誰かに助けてって言えばいいじゃない」
    私が憧れた素敵なえくぼがこちらに向けられる。

    「きっと、ヒーローが現れて助けてくれるよ」

  • 佐藤と志緒のコンビ誕生の話。
    死期が迫る人がわかる志緒は、人が死ぬミステリを許せない佐藤に背中を押されて、ミュージシャンの卵・奏音の顔に出た死線を消すために奮闘する。
    犯罪を防げるならそれに越したことはないわけだが、今回そのために最終的に取った手段が「毒をもって毒を制す」的でご都合主義なのが残念。とはいえ、相手が相手だから、そうでもしないと死線は消えんわなあ、とは思う。論理パズルの解決を非論理でするしかないところにモヤモヤを感じた。

  • ふたりのプロローグ。
    シリーズものを読むといつも思うのだけれど、読み進めるたびにキャラが好きになっていくよねー。私はいつもそう。
    三作目(3ではないが)を読んで二人が本当に好きだなぁと思った。志緒は、たしかにヒーローだな。佐藤くんがいてこそ、ふたりは名探偵として誰も死なないミステリーを描けた。それと別で、志緒はヒーローだった。そんなヒーローと淡々とした佐藤くんという猫の手コンビがいい。

    そしてリンリン!?えっリンリンなの!?
    まさか会いたかったリンリンに誰死なで会えるとは。

    また二人の誰も死なないミステリーをぜひ。ぜひとも。読みたい。

  • シリーズ第0話にあたる話。主人公2人の出会いから、いかにして死者を出さずに解決するかの模索が描かれます。
    このシリーズ共通の感想だけど、やっぱりゲームみたい。

  • シリーズ第3弾の主人公とヒロインが協力関係になって初めての事件の物語です。時系列的には1番最初の事件だけれど、1作目を読んだ後に読んだ方がある子がたまに出てきて嬉しくなると思います。

    前2作より少し重めの題材だなぁと色々考えて読んでいたのですが、前触れもなく佐藤くんの名前が出てきて思考を全部もっていかれました。確かに上も下も甘い名前。笑
    いくつになってもハナゴリラと仲良しな会話も微笑ましかったです。

    結末も収まるところに納まったのかな?って感じです。

    タイトルの通り、登場人物が誰1人死なないように奮闘するミステリーなのでほわほわした気持ちで読めます。今作も素敵な心にじわっと温かさが広がる、優しいお話でした。

  • 人の死期が見えるヒロインが、その運命を変えるために謎解きをする、というお話。ぶっちゃけヒロインの摩訶不思議能力よりも、語り手の主人公が得体の知れなくてそちらが不気味。この子はなんだろう?
    出会いの辺りもこの巻では詳らかにされていないので、次巻以降出てくるんだろうなぁとは思うのですが。

    まぁでもそんな簡単に人の生き死にが変わるってのはどうなんだろうなぁ。少し前に読んだ陰陽師で、人の運命を先読みできる高僧が実は人の運命を変えていた、なんて話を読んだから複雑な気持ちです。

  • 再読。死線を消す少女と少年の出会いの物語でした。ミュージシャンを志す少女、奏音。その子の友達の白雪は鉄太に殴られて意識不明。本当に鉄太が殴ったのか。その背後にはアップルが絡んでいて、暴力団も関係している。誰が嘘をついていて、誰が白雪を殴ったのか。最後まで楽しく読めました。

  • シリーズの過去編。
    二人が初めて無事に死を回避させることに成功した事件ではないでしょうか。
    まだおぼつかないやり取りが初々しくて可愛いです(*´꒳`*)
    キャスケットの意味もこの巻で回収されていて、なるほどーと納得。
    ここから全てが始まると予兆させるラストも好きです!

  • 2作目を飛ばして読んだせいではないと思うが、どうもはまらなかった。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/648568

  • ゆっくりと覆い尽くす黒い線。
    謎を解けば死から遠ざかると思いそうだが、真実を明らかにするほど悪化する状況は恐怖でしかなかっただろう。
    気付いた時には抜け出す事が出来なくなっており、頼れる大人も居ない状態で逃げようと思えないよな。

  • 近い将来にふりかかる人の「死」が、その人の顔を覆う黒い線として見える女子高校生遠見志緒。その死の予兆は覆せないと思っていたあの頃。
    のちに名コンビとなる「佐藤」と共に挑む最初の事件を描く今作は、時系列としては前二作より前の話。
    「誰も死なないミステリー」。それでもちゃんとミステリーしているし、事件が解決していく爽快感が◎。

  • 犯人を指摘することではなく、被害者を出さないことを目的とする特殊設定のミステリ。事件の発生も防げない奴が、名探偵なんて名乗るな、的な言い方は刺さるものがある。とは言えプロットのメインは暴行事件の犯人当て。ここの部分は普通にパズラーだけど、ちょっと渋いか。それと普通ならもつれるそうなところが、あっさり行く感じで、少し淡泊かも知れない。そうは言っても、ラストの至福感は普通、ミステリでは味わえないもの。

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著者プロフィール

2011年「思春期サイコパス」でスニーカー大賞優秀賞を受賞し、翌年『煌帝のバトルスローネ!』でデビュー。著書に「城下町は今日も魔法事件であふれている」シリーズ、『きみの分解パラドックス』『さよならのための七日間』『やさしい魔女の救い方』「誰も死なないミステリーを君に」シリーズがある。

「2023年 『不実在探偵の推理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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