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Amazon.co.jp ・本 (688ページ) / ISBN・EAN: 9784150315009
作品紹介・あらすじ
先鋭的なアイデアを架空論文の形で提示して話題を呼び、増刷なったSFマガジンの特集を書籍化。新たに十数篇の書き下ろしを追加
みんなの感想まとめ
先鋭的なアイデアを架空論文の形で提示する本作は、様々な作家による多彩な作品が収められています。専門性が高いアンソロジーとして、ワクワクするストーリーからユーモアあふれる楽屋ネタ、時には難解なテーマまで...
感想・レビュー・書評
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色々あってプチ炎上した企画本
(詳しく知らない人は調べなくていい。もしかしたら好きな作家が嫌いになったりする可能性がある)
論文とついているが専門性を高くしたアンソロジーSF短編集
たくさんの作家が各々好き放題書いており、あまり一貫性もない
ワクワクする話もあれば一休さんのようなポクポクもあるし壮大な楽屋ネタもある
読み応えはとてもあるけれど…
小川哲「SF作家の倒し方」はやりすぎでは
僕は雑食なのでにこやかに楽しめました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わけわからんものと面白いのが交互に出てくる感じ。掃除、SF作家、樋口一葉、四海文書、とかが良かったが最後のレナディアン語がすごく良い
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面白い。とても。
星新一賞で初代グランプリの方の作品も論文形式を取っていた。他にも以前京都で開催された異世界生物学?みたいなものも異世界の事象(例えばドラゴンの吐く炎)を研究して考察するみたいなお遊び半分真面目半分のものでとても楽しかった。
論文やレポートという形は現実と虚構の認識が重なって、空想の世界が現実のものとして感じられる。
論文形式をとることでさらにSFの世界というか可能世界を体験することができる。
『異常論文』は小説でありながらもしもボックスでありタイムマシンでありSFそのものだ。 -
残念ながらあわなかった
気合いを入れて読まないと落ちこぼれるし、入れすぎると脱力する。読むのが難しいなぁ。 -
新しいジャンルを起爆する本。特に多元宇宙的絶滅主義の短編が素晴らしかった。
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2022-01-23
異常論文という先鋭的な宣言に呼応しただけあって、ドレもなかなか尖っている。が、玉石混交の印象は否めない。論文形式の(意外と)普通のSF、ほぼアイデアのままの素描、言語実験をリアルタイムに推し進めるもの、などなど。
こういう運動は絶えず起こって欲しいものです。 -
なかなか読むのにエネルギーを費やした本だった。そもそも論文を読みなれていないので、正常な論文と異常な論文との区別がつかない私である。どう読み、どう感じればいいのか戸惑う作品だった。異常論文とは事実を追求すると見せかけた虚構と思えばいいのだろうか。難しい作品ばかりだが、最初の「決定論的自由意志改変攻撃について」(円城塔)は未来を予測できないことを尤もらしい数式で読者を煙に巻くようで面白かった。最後の「解説--最後のレナディアン語通訳」(伴名練)は最も小説らしい作品で素直に楽しめた。
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学術論文の体を取った虚構作品を”異常論文”という定義し、23本の作品を収めたSFアンソロジー。23本もあれば多様性も極めて高くなっており、質のバラつきはあるものの、数作品に関してはちょっと驚愕してしまうようなクオリティであり、アンソロジーとしてのレベルは非常に高い。
最も驚愕したのは、鈴木一平+山本浩貴による「無断と土」という作品。これは架空のVRホラーゲームの謎を解説した人文学の論文テイストの虚構であるが、その作品で引用される菅原文草なる20世紀前半の詩人にフォーカスする。実際のテクストなどの分析を元にしながら、このVRホラーゲームでなぜ彼の作品が引用されたのかを明らかにしていく体を取っているのだが、しっかり脚注での解説や参考文献なども用意されていることから、全てが史実のように見える完成度を誇りつつ、微妙に虚構が入り混じっており、何が真実かなのかがわからなくなってくるうちに、どっぷりとその世界にはまってしまう仕掛け。
”異常論文”という概念によってバラバラだった作品間に1つの関連性を見出しつつ、新たな虚構世界を作り出すためのテクニックとしても十分に可能性を秘めているということがこの豊饒な作品を読むと深く理解できる。幾人かの作家についてはこれを機に単著を読みたいとも思ったし、日本の若手SF作家を知るためのアンソロジーとしても有益。 -
面白い。みんな良い意味でポエムになっているが、小川哲の『SF作家の倒し方』…これ、よく怒られなかったなぁ…どの作品も面白い。
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《目次》
■異常論文・巻頭言 樋口恭介
「決定論的自由意志利用改変攻撃について」円城塔
「空間把握能力の欠如による次元拡張レウム語の再解釈およびその完全な言語的対称性」青島もうじき
「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」陸秋槎
「掃除と掃除用具の人類史」松崎有理
「世界の真理を表す五枚のスライドとその解説、および注釈」草野原々
「INTERNET2」木澤佐登志
「裏アカシック・レコード」柞刈湯葉
「フランス革命最初期における大恐怖と緑の人々問題について」高野史緒
「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延――静寂機械・遺伝子地雷・多元宇宙モビリティ」難波優輝
「『アブデエル記』断片」久我宗綱
「火星環境下における宗教性原虫の適応と分布」柴田勝家
「SF作家の倒し方」小川哲
「第一四五九五期〈異常SF創作講座〉最終課題講評」飛浩隆
「樋口一葉の多声的エクリチュール――その方法と起源」倉数茂
「ベケット講解」保坂和志
「ザムザの羽」大滝瓶太
「虫→」麦原遼
「オルガンのこと」青山新
「四海文書注解抄」酉島伝法
「場所(Spaces)」笹井康平・樋口恭介
「無断と土」鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座)
「解説――最後のレナディアン語通訳」伴名練
「なぜいま私は解説[これ]を書いているのか」神林長平 -
第8回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会④オンラインで発表された本です。
2023.2.5 -
小川哲さんの「SF作家の倒し方」がくだらなすきて面白い。人気SF作家の人となりが伺える、
・柴田勝家さんは巨漢のいい人らしい。
・樋口恭介さんは空気読まない系らしい。
・藤井太洋さんは腕を失った場合を想定して片手タイピング練習しているらしい。
・高山羽根子さんとのビブリオバトル悪口に笑う。
・宮内悠介さんはガチの分析家研究家らしい。
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異常論文は批評・解釈を拒絶する。異常論文はこの世界のこれまでとこれからを論じる。異常論文は疑問や課題を解き明かす。異常論文は新たなる問題を提起する。異常論文は何の役にも立たない、どーでもいい論文集である。
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数学に「普遍写像性質」(universal mapping property)という概念がある。慣れると極めて明快なのだけれども、言葉にして使って見せるのがとても難しく、概念の明快さに見合った解説というのを見た事がない。明晰なはずのプロの数学者が、必ずといっていいほど「一番偉い」とか「unique upto unique」を連呼し、初学者の前で支離滅裂になるのだ。
最近、この普遍写像性質を扱う講義に出席する機会があり、そこまで明快に進めていた先生が「壊れる」のを目撃してしまった。何度か見た風景であり、さらに、どこか似たような人が面白おかしく描かれていたのを思い出した。
「SF作家の倒し方」に登場する某女史だ。言葉にできない明晰な表現というのが、数学とSFに共通してあるのかもしれない。だから、思い出し笑いするのは我慢しようと思った。
著者プロフィール
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