- 早川書房 (2022年4月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150315184
作品紹介・あらすじ
並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作など、ベストSF2019[国内篇]1位に輝いた傑作集がついに文庫化
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
並行世界を行き来する少女たちの青春を描いた短編集は、SF初心者から経験者まで、幅広い読者を魅了します。特に表題作やラストの作品は、独特の世界観と人間の心情を巧みに捉え、読後に深い余韻を残します。新幹線...
感想・レビュー・書評
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読みたかったので文庫でようやく読了
どの話も楽しめて大満足。
一話目の表題作から強く引き込まれ
毎話読み終えてからすぐ次に進めない余韻があった。
書き下ろし作品
新幹線が超常現象災害に巻き込まれる話で
この話自体を楽しむことが作中で「災害をネタに騒ぐ人々」と重なるようで構えてしまったが、暗い結末になるのではとソワソワしつつ読むも登場する男女の掛け合いに"昔のボーイミーツガールSF"感を感じ、終わり方がとても良かった。
(私自身、そんなにSFを読んでる方では無いので錯覚なのだろうけど)
この話を遅延する電車の中で読むことになったのはなんかの因果…
著者のあとがきにて
幼少期から触れていたSFへの愛と埋もれてしまう物語たちへの想いについて語り、企画して発掘していくことの重要性を説いていた。
その成果としてSF作家の作品集やアンソロジーを出しているようなので、そちらも読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了後に、本書単行本紙版印税が、放火事件に遭った京都アニメーションに全額寄付されること。また、本文庫本紙版の本年5.31まで発行の印税全額が、ウクライナ人道危機救援金として寄付されることを知りました。
著者にとって、京アニ作品は青春の一部で、恩返しがしたいとのこと、さらに著者は、一刻も早くロシアが撤退して戦争が終結すること、傷ついた人々が救われること、世界各地の紛争に関心が寄せられることを願っているとのことで、痛く感動しました。
さて、本書はSFの短・中編6編が収められた作品集です。個人的には、SFにクールなイメージを勝手にもち、なかなか関心を持てていないのが実情です。
本書の6作品からは、私個人がもつSFイメージから(良い意味で)若干外れる部分も垣間見た気がします。創造・空想を超越した高次元な世界、洗練された表現や驚きの設定・構成があるんだなと感じました。
ただ私の頭に柔軟性が足りず、理解が遅くて後から納得することも多々ありました。それでも、「ゼロ年代の臨界点」から著者のSF愛が感じられ、日本のSFの創成期・第一世代について記され、興味をもちました。 -
SF小説は星新一くらいしか読んだことないSF初心者
1話目から、これがSFか!と必死に設定を理解しながら読んだ。でも苦はなくどんどん惹き込まれる。
特に印象に残ったのは、表題作の『なめらかな世界と、その敵』とラストの『ひかりより速く、ゆるやかに』の2つ。
1話目の『なめらかな世界と、その敵』は、冒頭から何が起こってるのかの理解に必死だったけど、すごく惹き込まれた。
どの話も元になったお話とかがあるのかもしれないけれど、まずこういう世界観を思いつくのがすごいし、そのうえでそこから弾き出された人間の心情を捉えすぎててすごい。
当たり前にみんなが出来ることを自分が出来なくなったことで、それまで見えなかったことが自分だけ見えるようになってしまった孤独。
話の展開もすごくよかったー!青春。
『ひかりより速く、ゆるやかに』は読み終えてからも、語られなかった部分とかその後のこととか妄想しちゃって余韻がすごい。
特に印象的だったのは、低速化が起こってからの世間の流れ。
中の人たちが消費されたりどこかで炎上が起こる様子、物流や人の流れの変化、時が経ち関心が薄れていく空気感、どれもとてもリアルだった。実際に起こったらこうなりそう。
こちらも、話の展開がすごく面白くて好きだったーー。
この本が読めてよかった。
斜線堂有紀さんの解説も、あとがきも、物語への理解や感情を深めてくれた。
そして解説で知ったけど、「日本SFの臨界点」シリーズって伴名練さんが編者だったんだ。次のSF小説はその中からチャレンジしなくては! -
SF物は久しぶりに読みました。
読む時間がなかなか取れず、戻って読み、戻って読みを繰り返していたのでかなり読み終えるのに時間が掛かってしまいました。
SF物は大昔に読んだ星新一以来かも知れません。
構成、発想が非常に面白く、緻密に書かれており面白かったです。
後書きにも書かれているが、著者はSFが非常に好きなんだと分かる。
表舞台にSFは、なかなか出てこないが、新しいSF界を築き盛り上げて行ってもらいたいですね。 -
ずっと気になって伴名練さんのSF短編集をようやく読んだ。
一話一話がとても印象に残る作品集でした。
その話ごとにある”設定”が、ストーリーにおいて重要な要素となっていて、その設定があることで最大限の面白さを引き出しているなと思いました。
とにかく読んでいて引き込まれるし、中々濃密な世界観だったので読むのに時間はかかりましたがとても楽しめました。
どんどんSFを読もうと思います。 -
どの短編も楽しめたが、伊藤計劃トリビュートに収められた「美亜羽へ贈る拳銃」と、別々の人工知能によって支配されたロシアとアメリカの戦いを描いた「シンギュラリティ・ソヴィエト」はとても印象深かった。
特に後者は、人工知能に支配された世界では、国民は人工知能の指示に従わざるを得ないが、その指示の意図は人間の知識では分かりえないという、まさに盤上の駒に成り下がった未来の人間の姿がリアルで、シンギュラリティを推し進める現代人の愚かさが身に染みた。ちなみに、人工知能の指示に従わないと、その人の愛国心の評価が下がり、その国での生活がしにくくなるという設定。 -
書店にて赤坂アカ先生の描いた書影に惹かれて手に取ったところ、帯書きに『SFに苦手意識がある人にこそ読んでほしい』と記載が。
本格的なSFを読んだ経験がほとんどない私が、どこまで世界観に浸れるのか試したくなり購入を決意。
結論から書くと、衝撃を受けるレベルで良かった。
本作は6つの物語からなるSF短編集。
6つの短編すべてがそれひとつで長編が作れるであろうレベルの素晴らしい熱量で描かれており、濃密な設定に没入する気持ち良さを実感できた。
一番印象に残った作品はやはり『ひかりより速く、ゆるやかに』だろうか。
『低速化現象』によってその在り方を変えてしまった世界を描く同作は、壮大なミスリードをひっくり返してからの爽快な読了感を味わえ、まさに傑作と呼んでいい作品に仕上がっていた。
小難しい印象を持っていたSFというジャンルだが、実際難解・独特な設定も多く、SF慣れしていない私は普段読んでいるミステリなどと比べ、読破するまで約2倍近くの時間を要した。
しかし、読み終えたときの得も言えない読了感に魅了されたことはたしかで、すでに他のSF作品を読みたくなっている自分がいる。
始めにも書いたが、私はこれまでの人生で、意識してSFを読んだことがほとんどない。だがそんな私でも、この作者が尋常ならざる才能と溢れんばかりのSFへの愛を持つ人物であることは伝わってきた。
SFにハマるきっかけを作ってくれてありがとうと、伴名練氏に伝えたい。 -
SFの短編集。難解なものもあって少し読みにくかったが、どれもSFの世界観がしっかりしていて読み応えがあった。「美亜羽へ送る拳銃」と「ひかりより速く、ゆるやかに」が面白かった。この2つは映像化しても面白いと思う。
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読み終えるのに時間を要したが、6つのSF作品はどれも非常に読み応えあり、スケールも大きく…脳みそがビリビリしている。すんなりと理解しづらい部分は随所にありながらも、文章自体は比較的読みやすく、読み始めると止まらなくなる。…と言う割に読了に時間がかかったのは、一篇読む度その作品の世界観に没入してしまい、じっくり咀嚼する必要があったから。
どれも印象的だったけど、多くの方が仰るように、一番ボリュームのある「ひかりより速く、ゆるやかに」が特に好きだった。新幹線の乗客が、「取り残されて」しまう。その描写がとてもリアルで、なんて展開だろうと最後まで度肝抜かれっぱなしだった。
SFへの愛に溢れた一万字あとがきも読み応えあり、私自身ももっとSFを読んでいきたいなと思えた一冊となった。
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SFって好きだったなあ。筒井康隆、星新一、小松左京、光瀬龍、眉村卓、平井和正、、、新井素子も、、。この作家さんのあとがきで触れられる膨大な情報に驚く。
6つの短編中編は、それぞれ違ったテーマの作品で、パラレルワールド、脳の改変、超能力、人工知能同士の戦い、時間の流れなど、隔たりと繋がりという解説は言い得て妙だ。中でも最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」はなかなかエモーショナルだった。 -
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とにかくエモい伴名練。どの物語もハードな設定ながら、人間(感情面)も濃厚に描かれているのがいい。特に表題作と、最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」。想像を掻き立てるパラレルワールドや時間がテーマのSFに、青春ミステリー的要素が加わって読み応えは十分。心揺さぶられた。
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また凄いSF作家が出てきた…。
最後の短編「ひかりより速く、ゆるやかに」を読了した衝撃を残しながら、「あとがきにかえて」では著者のSFに対する溢れる愛と熱量を浴び、「文庫版によせて」では本年4月にこの文庫版を送り出すにあたって著者が最善の努力をされた旨が伝わってくる。
面白いだけでなく、プロとしての矜持があり、日本SF全体を想っている。これは生半可なことじゃないと思いました。
6編の短編の並べ方も、コース料理のよう。最初の「なめらかな世界と、その敵」の冒頭の書き出しは読み手に「あぁ、これは頭切り替えないとな」と思わせて伴名ワールドに誘い、緩急のついた短編の並びの中で最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」で最高潮の感動を得られるという妙。
『低速化』によって変わってしまった世の中を描いた同作、2つの場面を交互に見せながら、どうしても読んでいて絶望的な結末を想起してしまうのですが、こう来たか!という心地良い驚きと感動がありました。
『低速化』というテーマは、個人的には『三体』の暗黒森林理論を連想しましたが(あんまり書くとネタバレになりそう…)、「あとがきにかえて」では梶尾真治氏の短編の影響を受けている旨の記載があって著者の圧倒的な物量を感じました。
(どーでも良い話ですが、鉄道マニア的には新幹線の両数と最高速度が現実とビミョーに違うのが、敢えてやってる?と気になりました(笑)
たまにはSFでも、と思ったら今は本著がイチオシです。
今後も、著者の創った/編んだ作品に、もっと触れていきたいと思った次第です。 -
面白いと評判のSF小説の中短編集です。
表題作「なめらかな世界と、その敵」は、いわゆる平行世界の話なのですが、世界設定の説明なしに話が進むので最初は戸惑いましたが、青春小説的なテイストが良かったです。
伊藤計劃さんの「ハーモニー」と少しだけ繋がりのある「美亜羽へ贈る拳銃」が、とてつもなく良かったです。SFでありながら、至高の恋愛小説でした。
また、「ひかりより速く、ゆるやかに」もとても良かったです。設定等は違いますが、読んでいて恒川光太郎さんの「滅びの園」が思い浮かびました。
収録作
なめらかな世界と、その敵
ゼロ年代の臨界点
美亜羽へ贈る拳銃
ホーリーアイアンメイデン
シンギュラリティ・ソヴィエト
ひかりより速く、ゆるやかに
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6つの短編からなる読みごたえのある短編集。
個人的に文章が難しく読みにくい作品や理解が追いつかない作品があった。しかし、それ以外の作品がとても面白く、感動するものだったため読後感はとても良く、しばらく作品の世界に浸ることができた。
「なめらかな世界と、その敵」、「美亜羽へ贈る拳銃」、「ひかりより速く、ゆるやかに」が心に残った作品。
特に「ひかりより速く、ゆるやかに」はストーリーや登場人物たちの感情、結末の全てがとても好きで、その後を想像するのもまた楽しい。
久しぶりのSF小説読了。満足度の高い1冊でした。 -
SF小説
世界観に引き込まれましたけど、難しかった。
読み慣れていないジャンルだからでしょうか。
他の作品にも触れてみたいと感じました。 -
なんて凄いものを読んだんだという、途轍もない読書感。
現実世界に軸足を置きながら、異質な未知の世界を旅する感覚。未知な感情が奮い立つのは恐れか喜びか。ああこれがSF短編小説の魅力なのかと打ち震える。
SFアンソロジーに言及するあとがきも圧巻。 -
・・・うーん、なんと言ったらいいんでしょう。
SFとしての完成度がとても高く、間違いなく面白いのですが、「閉じている」。そんな印象です。
並行世界を駆け抜ける少女たちの青春。改変歴史における日本SF第一”女流”世代の生き様。伊藤計劃へのオマージュを込めた精神改造恋物語。特殊能力を持つ姉と平凡な妹の相克。AIが幻視する人智を超えたソヴィエト連邦。超低速現象に見舞われた新幹線の乗客を救うべく奔走する者の悔恨。
今風に言うと、「エモい」です。求めても得られないモノを、得られないと分かっていても手を伸ばさずにいられない心の痛みを、熱量の高い筆運びでドラマティックに描き出します。熱量が高い、と言っても、日本SF第一世代のような暑苦しいまでの熱気ではなく、スマートな語り口の行間から熱量を感じさせるところが、これまた今風、ではあります。
が、鴨の率直な感想を述べさせていただきますと・・・
SF好きで、SFの歴史やファンダムやマーケット等もよくわかっている人が、同じSF好きに向かって「みんな、こういうSF読みたいんでしょ?ほーらほらほら」とアテ書きで書いた作品、という印象が強烈過ぎて、それを拭えないのです。
とても地頭の良い人なのだと思います。あとがきを読むと、SFへの果てしない愛情と該博な知識を強く見せつけられます。そんな「SF大好きでSFをわかっている人」が書いたSFを「そうそう、こんなSFが読みたかったんだよ!!」と熱狂的に受け入れる読者層も、間違いなく相当います。
ただ、その読者層は、かなり、かーなーりー、狭い。一SF者としての、鴨の率直な感想です。
これからSFを読んでみようと思っている人には、オススメしやすいと思います。エモさをトリガーにして、作品世界に没入することができます。
ただ、このエモさにあざとさを感じずに読み進められるのは、20代止まりかなぁ・・・とも思います。
SFとしての完成度の高さは間違いありませんので、これからも読みたい作家さんではあります。なお、鴨的には、女性キャラのリアリティの無さがとても印象的で(SFとして欠点ではありません、念のため)、女性SF者の感想をぜひうかがってみたいです。 -
SF短編集!
全6編の話から構成されていて、どの話も秀逸かつ練り込まれた設定が読んでいて、虜になる程面白かったです。
並行世界を生きる者たちによるSFドラマや、1600万分の1秒の速さで物語が動き出す話は、とても設定が凝っており、面白すぎてあっという間でした。
その他の話も面白かったが、自分がまだまだSF小説に慣れてない節もあってか、100%理解できていない物語もありました。
理解できない悔しい部分も残っているため、SF小説にもっと触れていった上で再読したいと思いました! -
購入してからだいぶ熟成積読に置いてしまったために、読みながら、面目ない…面目ない…としんどくなるほど、あまりにも面白い、すごい短編集だった
こういうSF好きだなあとか、
情緒の揺さぶり方が容赦ねえなあとか、
萌えこころを的確に満たしてくれるし、むしろこの作品きっかけで(何かに)覚醒する人もいるよなあとか! ムズムズバタバタしてしまう短編集でした
読んでいて興奮でハアハアしたり、面白さが過ぎる場面で発情期のどうぶつのようにウロウロ歩き回ったりした
各話の感想を記入しますが、感情論でおもろいおもろい言ってるだけになりそう おちつけ自分
『なめらかな世界と、その敵』
いわゆる平行世界もので、いくつもあるそれぞれの世界の自分を行き来するし、並行しマルチタスクの人生を過ごすこともできる それが当たり前の社会で暮らす、ひとりの女子高生が語り手の話
平行世界の表現が美しさに溢れていて、でもそれはあくまで日常ってところがすごくいい
結末と彼女の選択については途中で察せられるけど、その前段階のスプリント勝負の光景のファンタジックさと来たら素晴らしかった(し、彼女の選択を察していると、いくつもの世界との別れだとわかる、だから涙腺にも来てしまう、すごい)
百合側面の感想を書くと、マコトの側が宝塚の男役みたいな喋り方だけどグイグイ迫るのは葉月の方なのがたまりません 最上級のマルチバース百合
『ゼロ年代の臨界点』
日本のSF文壇は3人の女性作家の創作活動からはじまった…というパラレル日本というか、偽書ならぬ偽歴史の物語
でもその“それっぽさ”の手触りがすごくリアルで、明治時代の文豪の逸話らしさも、女学生ものの厄介な心理戦もある そうなんよ! こういうのがいいんですよ!
しかも作中に登場する彼女たちの執筆した小説の読みたさがたまりません
『九郎判官御一味始末』も『藤原家秘帖』も、いや伴名さんほんとに書いて下さい…ってなるし、高度で知的な文学少女作家の取り上げる題材としてすごくしっくりくる内容だったのがたまりません この史実で生きて読んでみたいよ 今こそさっきのマルチバースだよってなります
あとしれっと書かれていた、性別を偽って女学校に入学した記者さんも面白いです~万力を渡されるところもいい
気になったのは3人の女学生作家の中心人物である富江さんの命名で、どうしてこの名前にしたのだろう
某怪奇漫画の登場人物のイメージになってしまうし、むしろ伊藤潤二さんの絵柄でこの作品を想像して読んでしまった
早川書房の新しいプロジェクトのハヤコミで、この作品のコミカライズを是非してほしい
『美亜羽へ贈る拳銃』
伊藤計劃さんの『ハーモニー』のトリビュート作品だと聞いたので『ハーモニー』を再読してから読んでみたのですが、たしかに! と納得するところと、単体でも十二分に面白いよ! と感じるところもありました
美亜羽の造形がミァハの名を冠しているのに? と首を傾げる(変な言い方だけど)普通の奇人天才の造形だったのですが、それが回収される展開でほっとしました
というか、伴名氏の伊藤計劃さんや他のSF作家さんへの尊敬や愛情がすごいと感じる ほぼラブレターのように感じて読んでしまう
作中で『聖書』と称された書籍は完全に(おれの考えたさいきょうのSFアンソロジー)だった ニヤニヤしちゃう
ちょうど昨年にグレッグ・イーガンもテッド・チャンも読めていたから良かった 読めてなかったらどんな感想になっていただろう SFにあまり触れてこなかった人間だったら、豊潤なSFへの誘いを感じられただろうか?
SFを読みつけてない人がこの短編を読んだとしたら、いいSFへの誘導になるんじゃないか? とも思えるけど、いや、やっぱり難しいかな、どうかな…と判断がつかなかった
それこそ、SFの記憶を無くしてでも、脳を弄くって自分で感じてみたい
『ホーリーアイアンメイデン』
書簡形式で語られる姉妹百合の物語で、SF成分はやや薄めだけど、百合成分は濃密
ところで、伴名氏は(変な書き方だけど)女学生構文がお上手ですね 女性一人称が上手い作家さんでもあると感じます
『シンギュラリティ・ソヴィエト』
アメリカ合衆国と旧ソ連の冷戦と宇宙開発競争が激化していた時代から、高度なAIの開発と導入が行われ、両国ともそれぞれがAIの独裁者が台頭する社会に変貌してしまった、ディストピア好きにはたまらん話
だけど、この文庫本が刊行された時点でのロシアによるウクライナ軍事侵攻への配慮もきちんとされている話で、SFはエンタメとして楽しむだけではなく(それでも、もちろんいいけど)今を見つめられる視点も兼ね備えるべきではないか、という伴名氏の志も共に感じる一編でした
そしてもちろん、シンプルにSFとして面白いし読んでいて目に浮かぶ情景の強さも凄い あとこちらも姉妹百合やった
『ひかりよりも速く、ゆるやかに』
涙腺が刺激され過ぎてしまった一編です
映画でも小説でも、ダイレクトに身体が反応してしまうことは普段はなかなかないのですが、読んでいてうめき声を上げたりウロウロ歩き回ったり、ストレートに涙してしまって、読み通すまでに時間がすごくかかった
この話だけ、たまたま電車の中でも読んだのですがそれが余計良くなかった
人前で涙を流したくない人間には拷問のような作品で、素晴らしい、大好きです
彼に差しかけられた傘が少しずつ動くところで「ん"ん"ん-」ってあくびをしたふりをして、涙をぬぐった いい話、すごくいい話でした-
わーい、たけうちさんの『なめ敵』感想だー。ほんとどれも上質な作品で素晴らしい短編集でしたね。情感を刺激する文体や、物語の強度が非常に強く、こ...わーい、たけうちさんの『なめ敵』感想だー。ほんとどれも上質な作品で素晴らしい短編集でしたね。情感を刺激する文体や、物語の強度が非常に強く、こんなに面白いものばかりならそりゃ書くのも時間かかるよな、とは思ってしまいします。でもだからこそもっと伴名練成分ほしい~とも感じちゃいますね。たけうちさんの熱い感想文を読めて良かったです。2024/07/19 -
こんにちは この作品の愛称は『なめ敵』なんですね! なんか寄書っぽいなあ
別媒体での傘籤さんの『なめ敵』紹介文を読んですぐに入手してたのに読...こんにちは この作品の愛称は『なめ敵』なんですね! なんか寄書っぽいなあ
別媒体での傘籤さんの『なめ敵』紹介文を読んですぐに入手してたのに読むまでに時間がかかってて申し訳ないです はやく、はやく、読まんといけんかった
感想として感情的に面白がってるだけの文章でしたが、見てくださってありがとうございます!
しばらく伴名さんと、舞城王太郎さんの作品を交互に読む祭りがやりたくなってます!
2024/07/19
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著者プロフィール
伴名練の作品
