- 早川書房 (2023年7月19日発売)
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感想 : 41件
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150315559
作品紹介・あらすじ
月と火星開発が進みながらWindows2021が発売されたばかりの夏紀の宇宙。そして登志夫の2021年では光量子コンピュータが異常を示す。
みんなの感想まとめ
青春とSFが融合した物語が描かれています。パラレルワールドを舞台に、宇宙開発が進む2021年に生きる夏紀と登志夫の切ない恋物語が展開され、共通の思い出である飛行船グラーフ・ツェッペリンが二人の絆を深め...
感想・レビュー・書評
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青春小説でSF。「SFが読みたい! 2024年度版」ベストSF2023国内編第1位の作品。
以前から読みたいと思っていたのだが、なぜか踏ん切り(?)がつかずズルズルと積読状態だった。パラレルワールド物で、しかもガールミーツボーイ物だ。夏紀と登志夫、やはりラストは切ない。
そのうちアニメになりそうな気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この表紙だけを見て面白そうと思った人を跳ね飛ばしそうな「パラレル」「史実」「茨城SF」
宇宙開発が進んだ2021年、インターネットが実用化されたばかりの夏紀と
量子コンピュータが実現している2021年、宇宙開発は発展途上の登志夫
2人の共通点は子供の頃に飛行船グラーフツェッペリンを見た記憶があること
と、この別の世界線に生きる2人の物語
ツェッペリン号は現実に飛んだ船であるし
つくば市の小ネタが挟まれとても面白いのだが
SFガジェットがしっかりしているのであまり噛んでいない人からすると「?」となるであろうことが残念(でもそういう人も手に取ったということはとても嬉しい)
ツェッペリン号が頭上を過ぎるシーンは
自分もそこにいたと錯覚するほど素晴らしい情景描写
この本の表紙がまさに頭に広がる
現代のボーイミーツガールSFはこれ読んでおけばOK
(その前はイリヤで)
満足の読後のあとがきがまた大変素晴らしい
読書に花を添えるあとがきとして心打たれた
しかも金本奈々水さんへの謝辞があり
なるほど、好きそうだと納得した -
高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」読了。土浦が舞台の青春SF。3年ほど土浦の近隣で暮らした事があったので、当時の情景が思い出され懐かしかった。多元宇宙をモチーフにしたSFならではのストーリー展開が素晴らしかった。さらに随所の伏線が最後見事に回収されとても切なく感動した。
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高野史緒の作品は初めて読んだ。他の本として「混ぜるな危険」は所有しているもののまだ読んでいない。これまでもいくつかの作品が上位にランクインしていたが、この度ベストSF2023国内篇でめでたく第1位を受賞された。おめでとうございます。その様な評判もあり早速購入して読んだ。
裏表紙のあらすじやSFが読みたい2024年度版の書評を頭に入れて読み進めた。すぐにでも今流行りのSFアニメ映画になりそうな予感がする。話の設定・構成も申し分ない。本の表紙を見るといい感じの青春SFで、特定の地域が脚光を浴びる等、話題性も十分に獲得できるだろう。もしかしたら私の知らない所で既にその様な話が進んでいて、数年後には新海誠監督で公開され、日本アカデミー賞を受賞するかもしれない。
半分くらい読んだところで、ふと考える。話がなかなか広がって行かない。文調の変化が乏しく、初期設定とあまり変わらないやや単調な展開が続く。この雰囲気は全体の3/4まで続く。そして急な展開が訪れ、いきなりハードSFモードに突入する。結末は、ありがちなパラレルワールドの融合。しかも、女子の方の世界が吸収されるだなんて、男性の作家がこの様な結末を選んだら、もう世間から叩かれまくるだろう。結果的には全体の構成が少々バランスに欠けており、映像や演出サイドでかなり作り込まないとアニメ化の際にはなかなかしんどいと思われる。
大森望・日下三蔵・藤井大洋・林譲治の後押しが大きいということは今後も素晴らしい作品が出てきて高評価を得る可能性は高い。多分今回の作品が1位に選ばれたのはその様な要素があるからなのだろう。私は1位でない作品の方を評価している。これは私の個人的な見解であり、いつの日か蔵書の「混ぜるな危険」も読む日がきっと来ると思うが、それまでにはかなり長い年月が必要だ。 -
ベストSF 2023に選ばれ手にとったものの積んだままになっており、ようやく読むことができました。同じ時代を生きているはずなのに、どこか微妙に異なる世界にいる男女2人が互いに干渉しあっていく様子は、どこか「君の名は」に近い雰囲気があり、中盤までは先の展開が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかったです。ただ終盤にかけての展開があまりにも唐突で、ラストのオチも受け入れ難いものだったので、作品全体としてみるとちょっと好みではないというのが正直な感想です。世界観だけ見れば好みの青春SF小説ですし、量子論や相対性理論を絡めた展開もとても面白いんですが、全体としてみると、う〜ん……。
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グラーフ・ツェッペリンは20世紀初めに実在した飛行船。テーマは並行世界と呼ばれる別々の世界。映画マトリクスや、TENETを好きな人にはフィットするかも。時間が絡んだかなりのSF。
高校生・夏紀の宇宙は月と火星開発が進みながらも、インターネットが実用化されたばかりで、ワープロ専用機が残る2021年。登志夫は、宇宙開発は発展途上だが量子コンピュータの開発・運用が実現している2021年を過ごしている。並行世界と呼ばれる概念で、物理学でも議論されていて、時間が過去から未来へ流れてゆく性質のものではない可能性もあるとか。
二人とも、幼い頃に飛行船「グラーフ・ツェッペリン号」を一緒に眺めたことがある、と覚えている。それぞれの世界で、少しずつ異変が生じていて、終盤では二人があるところを介して接触する。 -
茨城県土浦市を舞台にしたSF小説。
17歳の女子高生と、17歳で飛び級をして大学生になっている男子を主人公として、2人の日常がジュブナイル小説的な文体で交互に書かれています。
二人とも、5歳の時に、飛行船グラーフ・ツェッペリン
を見たという記憶を持っていますが、ツェッペリンが飛んだのは、歴史上は二人が生まれる前の話なのに、どうしてそんな記憶を持っているのか。
二人の世界がどのように繋がるのかが、本作の見どころです。
終盤は、かなり想像力を必要とする展開になります。
ジュブナイル小説的な文体が私の好みではないのですが、短めの章だてをされているので読みやすさがありました。 -
高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』読了。
2018年の年刊傑作選にも採られた短編を長編化。土浦を舞台に百年前に当地に寄港した飛行船に関する幻の記憶を有する少年少女のボーイミーツガールを主軸としたジュブナイルSF。
百年前に飛来したはずの飛行船を幼少の頃に実在しない親族の異性と目撃したというなんともエモい思い出が物語を駆動させていくのだけれども、もう少しその特別な関係性を掘り下げるものが欲しかったかなぁ。SFとしても少し説得力に欠けるというか。。 -
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所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られるようにして終ってしまうのは、もったいない気がする。
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さらっと読める青春SF……なんだけど、エンタメではない。エンタメの皮被った私小説、純文学寄りだ。後書きまで読むと、より尚更。
二つ別々の世界を生きる女の子と男の子。グラーフ・ツェッペリン号を中心に、茨城は土浦を舞台に繰り広げられるひと夏。ハードSFでも、単なる青春SFともエンタメとも違う、この独特な詠み終えた後の気持ちを、ぼくは大切にしたい。 -
少し絵が浮かびづらかった。
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SF作品。理論立てられたパラレルワールドもの。ほのぼの日常が長く、だれたところからの終盤急展開。終盤は面白かったが、文章はイメージが湧きづらく、上手く映像化してくれたら映像で見てみたい。
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別々の2021年で生きる夏紀と登志夫。そんな二人には幼いころ、「グラーフ・ツェッペリン号」を見たという不可解な記憶があった。二人を繋ぐ巨大な飛行船とは…?
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著者プロフィール
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