- 早川書房 (2023年10月18日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150315603
作品紹介・あらすじ
刷版工場で働く男の日常が徐々に悍ましい侵食を受けていく表題作、人間から環形動物めいた姿に変えられた囚人の脱出劇「環刑錮」、異星の植物生態系と人類探査隊の攻防を描く「ブロッコリー神殿」のほか『ウルトラマン』や『BLAME!』とのコラボ作品など、唯一無二の筆致で想像力の究極形を描き出す傑作短篇8本を集成。『オクトローグ』改題、自作解題と奇想イラストストーリー「幻視百景」を追加収録。解説/大森望
感想・レビュー・書評
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酉島伝法氏の作品は、「皆勤の徒」以来、大好きです。
この唯一無二な世界観が、氏の作品の真骨頂だと思います。
・・・でも、率直に言わせていただいても、良いでしょうか。
飽きます。この世界観に。
日本語の語感を駆使した造語の本流と、まだ温かい死体の内臓のように人間味があると同時に彼岸の景色を見せつけてくる、この針の振り切れっぷり。
鴨は、嫌いではありません。でも、同じような作風で短編を並べられると、正直ちょっときついなー、とは思います。
たぶん、長編向きの作風なのだと思います。短編だと見た目の奇異さが際立ってしまい、徹底的に構築された世界観に辿り着けないんですよね。
鴨は氏の長編「宿借りの星」「奏で手のヌフレツン」を未読なので、この2作品を読んで、改めてレビューしたいと思います。
大好きな作家であることに、変わりはありません。鴨の価値観が変わっただけ、かもしれません。これだから、SF読みはやめられないのよねー。 -
SF短編集。
独特の造語を駆使した癖の強い圧倒的世界観故に難解。しかし面白い。降りかけたとしても最後に収録されたイラストストーリー「幻視百景」だけでも読んでもらいたい。すごいけど難しいな…と思っていた所に最後の姉妹都市喧嘩で笑って星評価が上がった。ついでに自作解題にて明かされる実体験エピソードも面白い。
酉島作品はまるでかなり細かい設定のある異世界の夢を見ていたような気分にさせられる。
「金星の蟲」
表題作。これが最も分かりやすいかも。ジメジメと降る雨、蒸し暑い空気、居心地の良いとは言えない職場、病への不安から徐々に世界が変異しグロテスクな景色は幻覚か真実か?
「環刑錮」
ミミズのような生物にされる刑罰を受けた主人公の脱獄ストーリー?獄房の閉塞感に息苦しくなる…。
「痕の祀り」
ウルトラマンのトリビュートアンソロに収録された短編。ウルトラマンが怪獣を倒した後、怪獣の後始末に携わる人々の物語…ではあるが独特の酉島ワールドに変換されているので初見では中々気付けず。
「橡」
SF×詩。この作品が幻視百景を除いてだと一番好き。月からの飛び降り、言葉による世界の再現と好みのワードが盛り沢山。
「ブロッコリー神殿」
架空の生態系を描いた植物SF。イメージ的にはナウシカが近いか。読みながら「これは結構…」と思っていたら自作解題にて正解が書いてありやはり、となる。これも難解ではあるが好きな世界観。
「堕天の塔」
漫画「BLAME」のトリビュート小説。BLAMEを知らないと難しいのか…イメージしづらい。スティーブン・ミルハウザーのアリスもイメージにあったと聞いて少し納得
「彗星狩り」
ギーガーのエイリアン風な容姿を持つ機械生命体の少年(?)の冒険小説、と言った所か
「クリプトプラズム」
意識を肉体から分離し生きる人々。宇宙を航行する市街船に接近する謎の物体オーロラの研究結果は思わぬもので…というあらすじになるのだろうがこれも難解。世界観のイメージは出来るのだけど…。 -
金星の蟲とかんけいこ
つるばみが面白かった -
造語や見慣れない漢字が多いこともあり、難解な作品だった。表題作である「金星の蟲」の、徐々に主人公の日常が自然な流れで侵食されていく様と、「ブロッコリー神殿」の、人類に調査される惑星に棲む生物から語られる視点が印象に残った。
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早川書房さん公式Xの紹介を見て予約購入したものの、しばらく積んでしまっていた一冊(全然珍しくもない!)。ようやく崩すことに。
初・酉島伝法ということで、どんな作風かも全く知らずに読み始めたのだが・・・これはなかなかにクセが強い。難解・独特な世界観、それを補強するために多用される造語や難読漢字・・・もう読み進めるのだけでも一苦労よ。(ハードSF等の難解テキスト・設定に耐性がないとギブアップ請け合いかと。)
一番目に収録されている表題作「金星の蟲」。一見普通の日常。しかし、「金星サナダムシ」という謎の単語が登場してから、徐々に明らかになっていく吐き気を催すような異常な世界。それを"常識"として生活する人々・・・いやぁ大好物!
と、読み出しは良かったのだが、それ以降は刺さらず、ただただ読みにくい文章をひたすら読み進めるだけになってしまった。(何度寝落ちした事か・・・。)
著者の代表作『皆勤の徒』は読んでみたいなーとは思うが・・・まあしばらくは良いかな。 -
ほぼすべて再読、再再読。
でも覚えていたのは『環刑錮』のみ。
印象深かったのは
『環刑錮』『彗星狩り』『クリプトプラズム』
『クリプトプラズム』は特有の造語があまり無く普通のSFっぽく読めた。 -
短篇集。一篇を除き、挿画も著者によって描かれている。造語が多用されており、いったいどういう意味なのか最初のうちは考えながら読んでいたが、ひとつひとつの造語の意味を考えるよりも、さっと読み飛ばしていったほうが作品全体のイメージが浮き上がってくる作風の方なんだな、と気がついた。全体として観るという意味では、絵画的な作風なのかも。『ウルトラマン』や『BLAME!』とのコラボ作品も収録されているが、どちらも私の知識がまるでないため、単独の作品として鑑賞。表題作が一番読みやすく、心地よい気持ち悪さに満ちている。
酉島伝法の作品
