ピュア (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2023年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784150315627

作品紹介・あらすじ

妊娠を義務付けられた女性が男たちを「食べる」世界を描く表題作や単行本未収録作等、今を反映し性と人間に鋭く切り込む全6篇!

みんなの感想まとめ

妊娠を義務付けられた女性が男性を「食べる」という衝撃的な設定を持つ短編集は、SFと性の視点から人間の本質に迫ります。著者は、女性としての苦しみや不自由さ、またそれに伴う感情の揺れ動きを巧みに描写してお...

感想・レビュー・書評

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  • SFと性の差を交えた物語たち。
    女であることで妊娠や、差別、不自由な環境や弱さや辛さが詰め込まれてありえない世界観なのにこんなにも感情を揺さぶられるのかとドキドキしながら読み進めた。
    少々グロテスクな場面もあるけどそれがよりリアルに感じて、「To the Moon」はお互いを好いていることを純粋に感じ合っているんだなって、悲しくも温まる話だった。
    この方は女性を題材とした作品が多いので、また見つけて読んでみよう。

  • 性と人間のありようをテーマとしたSF短編集。全6篇を収録。

    読み終えて、この作品は女性にしか書けないだろうと思い至った。
    収録されている作品はどれも、凄惨で生々しい描写が多く、読んでいて苦しいと感じる場面がいくつもあった。たしかに残酷な世界の中でこそ映える美しさもあるのかもしれないが、少しグロテスクな面が押し出され過ぎなようにも思う。
    性というものに寛容になろう・理解を示そうという風潮になってきた世の中だからこそ、この本に強烈に惹かれ、私は書店で手に取ってしまったのかもしれない。

    私は男性だが、女性として生まれていたのなら、この作品をどう感じていたのだろうか。読む人物の性の認識によって、写り方を変える作品だと感じた。

  • 「ピュア」書評 男を捕食して「産めよ戦えよ」!?|好書好日(2020.06.13)
    https://book.asahi.com/article/13453212

    早川書房のnoteで歴代1位のアクセスを集めた、話題作『ピュア』が待望の書籍化!小野美由紀さんの新刊が4月16日に発売|note公式(2020年4月6日)
    https://note.com/info/n/n9e355a1069ff

    小野美由紀さん「ピュア」インタビュー “女が男を捕食する”フェミニズムSFが示唆する「コロナ後に新生する世界」|好書好日(2020.05.01)
    https://book.asahi.com/article/13331751

    小野美由紀|note
    https://note.com/onomiyuki

    MAKIKO TAKAYAMA
    https://www.makikotakayama.com/

    ピュア | 種類,ハヤカワ文庫JA | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015634/
    (単行本)※単行本のカバー画は佳嶋
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014504/
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    誰かさんの本棚から(スミマセン失念しました...)

  • 「原始、女は太陽であった」平塚らいてうの言葉に肉づけを行ったような短編集。

    「女が男を喰っている」という発想。肉体的にはそうであっても、観念的には受け付けられてこなかった。斬新だな、と思ってしまった。実際そうなのに。

    「男女平等」ってはなから無理なのでは?違う染色体同士なのだし「みんなちがって みんないい」をどこまで想像力を持って解釈できるか?の闘争。勿論、無理だからと投げ捨てることは建前上出来ないにしても。

  • 僕たちが生きている世界とは異なる世界、でもひょっとしたらありうる世界。
    かなり心が揺さぶられる。
    簡単なパッピーエンドは許されない厳しい現実があって、僕達は何とか納得できる正解を出そうと足掻いている。

  • 女が女として生まれ女として生き、女として死んでいく。それは一本の道で繋がっているわけではないということが痛いほどわかる。生と性の中にあるのは喜びでも苦しみでもない、言葉にできない感情。
    妊娠するためには男を喰らわねばならぬという女の性、女に喰われ妊娠させる以外に何の役にも立たないという男の性、そこには想いも愛も介在しない未来。
    そして妊娠と出産は女にしかできない特権的役割だ、ということさえ揺らぐ未来。そこにある女の喜びはあるのだろうか。現実世界とは違った意味で女が強いられるあらゆる不自由と苦しみ。
    いつか、遠い未来に女が女として生きていく苦しみを消せる日がくるのだろうか。

    読みながらぞわぞわとした触手がまとわりついてくる。そのぞわぞわの根源にあるのは、嫌悪なのか、憧憬なのか。まだ答えは見つかっていない。

  • 性についてのSF短編集。
    バースデーはちょうど良いSF具合でリアルに感じた。身体を売ることは設定が良かった。哀愁漂う雰囲気の中で主人公の力強さが光ってた。
    どの作品も生々しい。

    ※ほんタメ!より

  • 衝撃的な短編集。
    6篇全てに心が揺さぶられた。
    女は妊娠を義務付けられ、そのために餌として男を食べる必要がある表題作。
    夏休みが明けると、親友の性別が変わっていた『バースデー』
    人間を辞めて月人化した親友と再会する『To the moon』
    新種の人類を生み出すため母親役になる『幻胎』
    表題作と同じ世界の男側が描かれる『エイジ』
    体を売り渡し、自らをサイボーグ化する『身体を売ること』
    “性”と“生”が入り交じる、ダークで生々しい設定の数々に戦慄した。
    それでも、彼女たちに共鳴する部分もあって不意に泣けたりするから恐ろしい。

  • ディストピアで女性にしか書けない物語

  • 「身体を売ること」がお気に入り。

  •  恐竜のような鱗に覆われた女たちと彼女たちに食べられる男という衝撃的な『ピュア』や全身の染色体を書き換えて男になった親友との関係性に主人公が思い悩む『バースデー』など性と人間のありようが如実に描かれたSF短編が6編収録されていて、どの作品も性的描写やグロ描写が過激だったけどそれを遥かに上回る一途な恋愛模様を見届けたいと思っている自分がいた。

  • この短編集を貫くテーマは、性とジェンダー。大半はヘテロセクシャル・シスジェンダー同士の関係性を描いていますが、一部は女性同士の強固な結びつき、シスターフッド的な風味を感じさせます。そして、ほぼ全編に漂う暴力性。
    現代に生きる女性作家が、直球ストレートに性を扱った作品群ですが、決してセンセーショナルではありません。むしろ、いろいろと考えさせられます。

    惜しむらくは、全作品が既存のジェンダー規範に囚われていること。「SEX=暴力」という現実の側面を全面に押し出し、男は搾取する側、女は搾取される側、という前提で価値観が構築されているところが、極めてコンサバティヴです。表題作は、暴力の方向性が男→女ではなく女→男に逆転している点が新規的ではありますが、最終的に「強い母親が愛する男と結ばれて子供を守り育てる」という従来の規範に収まってしまうのが、ちょっと勿体無いな、と思いました。
    ・・・ただ、ね、これが現実なんですよね、実際のところ。この短編集を「性の描き方が浅い」と批評するコメントも散見されますが、だって、実際そうなんだから、仕方ないじゃん。と、鴨は思います。
    所々に漂うシスターフッド風味には正直違和感を覚えないでもありませんが(鴨自身がそういう経験がないので)、女同士の結びつきを強固にすることによってしか女は自分を守れない、という側面を強調した結果なのかな、と鴨は理解しました。

    オンナSF者の一人として、読んでおいて損はない作品だと思います。でも、この作品について誰かと語ろうとは思わないかなー。自分の心の中だけで、じっくり噛み締めたいです。

  • フェミニズム文学ではなかった。
    全体的に何だかモヤモヤするのだけど、解説が上手いことそのモヤりを言語化してくれていました。必ず解説まで読んだほうがいいと思います。
    性を描いたというなら確かにそうなのだけど、抑圧された女性や女性性への怒りが強くてちょっとしんどい。
    まあフェミニズム文学ではないのでね。

  • 心臓にくる。はっとしてきゅっとなる。

  • 女性として生きることの辛さ、弱さを詰め込んだ本。
    「ピュア」では、女性のほうが男性より強い社会という、今までにはない世界観だった。
    同類の妬みという人間的なものに上乗せして、性別の問題は私達の人生をより厄介にさせる。
    命を宿すために命をもらう女。
    生きている世の中、世界は違えど女の子として生きるために戦っている彼女たちのパワーと、自身の性に対する嫌悪、そして向き合って生きていく姿を、私も子宮で受け止めた。

    一番好きだなと思った作品は「To The Moon」だった。
    まさにピュアでまっすぐな純愛物語だったと思う。
    「私を嫌いにならないで」
    「嬉しいの。人間だった時の私が、誰かを殺すぐらいにあなたを好きだったことが」

    言葉以上の言葉だなと思った。

  • 性と女がテーマのSF短編集。
    エロやグロの描写がこそこそあるので、苦手な方は注意。
    どの話も設定がおもしろかったが、表題作の『ピュア』と、対になる『エイジ』が一番心に残った。

  • 性に対するディストピアSFで、現実世界に蔓延る空気感に対する強烈なアンチテーゼのメッセージを受け取った気がする。性別、格差、多様性、暴力、倫理をグロテスクにSFの世界観で表現した本作は、表現が適切ではない気がするが、とても面白くて読み応えがあった。

  • 表題作を読む。良かった。主人公の恋がどうしようもない食欲と性欲に置き換えられていてラストまで目が離せない展開だった。この痛々しさは伊藤計劃のハーモニーに似てるけど短くまとまってるので満足度はこちらが上。主人公の親友が「自分は単純だから、ちゃんと立ち止まって悩めるのは羨ましい」と語る場面が印象的。「そんなことを考えてる時点で充分立ち止まって悩める人間だろう」と思ったけど、そのあとの唐突なお別れが辛い。最後の展開は予想どおりではあったけど、ずしりと胸に残るいいラスト。スピンオフ「エイジ」も読了。本編で主人公の未来を知っているので終始切ない。読んで思ったのは女性の描く男の子だなぁということ。純粋で弱くて脆い。男の役回りはいつの時代も女によって決まるというのは本編を読んでる時から思っていたこと。もう少しこの話を読んでみたかった。ただ、これ以上読むのは精神力が必要なので他の短編は機会があれば。

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD05106150

  • 村田沙耶香さんが好きならこの作家さんも好きなんだと思う
    世界観が面白かった

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著者プロフィール

●小野美由紀(おの みゆき)
 文筆家。1985年生まれ。創作文章ワークショップ「身体を使って書くクリエイティブ・ライティング講座」主宰。著書に『路地裏のウォンビン』(U-NEXT)、『傷口から人生。〜メンヘラが就活して失敗したら生きるのがおもしろくなった』(幻冬舎)、『人生に疲れたらスペイン巡礼~飲み、食べ、歩く800キロの旅~』(光文社)、『ひかりのりゅう』(絵本塾出版)、『メゾン刻の湯』(ポプラ社)、『ピュア』(早川書房)ほか。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小野美由紀の作品

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