エデンの東 3 (ハヤカワ文庫 NV 3)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150400033

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  • 深く傷つき自己喪失のアダム、その彼を目覚めさせ、双子の兄弟アロンとキャルの成長を見守り続けた良き隣人サミュエルは、妻ライザと九人の子供たちを残しこの世を去ります。やがて、呪われしキャシ-の身元が判明(淫売宿経営のケイト)します。さらに弟チャ-ルズの死を知ったアダムは、中国人召使で哲人リ-から知恵を授かり、キャシ-の呪縛から解放され再起を誓います。しかし双子の兄弟が、母親の生死を探ってことは知る由もありませんでした。一方、サミュエル亡き後のハミルトン家の明暗が描かれ、物語は第四部の佳境へと入っていきます。

  • 「エデンの東(3)」ジョン・スタインベック著・大橋健三郎訳、ハヤカワ文庫、1972.01.31
    293p ¥840 C0197 (2018.02.12読了)(2018.02.08借入)(2002.02.15/17刷)
    以下は読書メモです。

    第3巻を読み始めました。
    ハミルトン一家の話で始まっています。トラスク家の方が気になるので、読むのに今一つ気が入らないですね。
    サミュエルは大分年を取ってきたようです。子供たちの家庭に誘われて、子供たちの家庭を巡る旅に出る前に、アダムのところを訪ねます。自分の寿命が見えているようです。
    第二十五章まで読み終わりました。
    サミュエルはアダムにキャシーの居場所を教えます。今はケイトと名乗っていることも教えます。
    サミュエルは亡くなりました。アダムは、サミュエルの葬儀に出席したついでに、ケイトの店を訪ねました。
    ケイトの店は、あまり評判が良くないようです。アダムが自分の名を名乗って、ケイトに取り次いでもらったら、会ってくれました。アダムは、現実のケイトを見ることができたようです。

    二十九章まで読み終わりました。
    アダムの子供たちは、十一歳になっています。
    アロンとキャルは、リーが育てていますが、アダムはやっとケイトの呪縛から離れようとしています。自分の子供に関心を持ちだしました。
    アロンは人に好かれるタイプのようですが、キャルは嫌な性格ですね。子供らしからぬ知恵の回り様です。
    サリーナスの町に住むアブラという十歳の子が登場します。アロンは恋してしまったようです。
    アダムは、自動車を買いました。ウィル・ハミルトンが販売しています。エンジンをかけて走らせるのが、とても難しそうです。どうなるのでしょうか?
    リーは自由になって、自分のやりたいことに残りの人生をささげたいと思っています。アダムは、了承したのですが、約束を果たせるのでしょうか?
    アダムは、チャールズに会いたくなり手紙を書きました。チャールズに会えるのでしょうか?
    まだだいぶ残ってますね。

    第3巻を読み終わりました。
    チャールズから来るはずだった手紙の返事は、弁護士から来ました。チャールズはなくなり、たくさんの遺産があるとのことです。アダムとその妻にということです。
    アダムは、ケイトを訪ね、弁護士からの手紙を見せました。ケイトは不審に思っていますが、アダムは本気です。どうなるのでしょうか?
    ハミルトン家では、サムエルがなくなって、トムは、無気力になっているようです。デシーがトムを元気づけるために住んでいるところをアダムに売って、トムのところに引っ越してゆきました。
    トムとデシーは、元気に暮らしていたはずなのですが、デシーは、内臓がどこか悪いようです。デシーはおなかが痛いというので、トムは下剤を飲ませたのですが、それが原因で亡くなってしまいます…。デシーは、前から体調が悪いことをトムには黙っていたので、トムの下剤だけが原因ではないようなのですが。
    トムは、デシーのことを悔いて、自裁しようとしているように見えます。どうなってしまうのでしょうか?

    【目次】
    第三部
    第二十三章~第三十三章

    ●自分で自分を裁く裁判(287頁)
    身なりがぞんざいで、汚らしく、野卑であると言って彼を告発する『虚栄』、女を買うようにそっと金を彼の手の中に滑り込ませる『情欲』、実際には持っていもしない才能や思想を彼に装わしめる『不正直』、そして『怠惰』と『貪欲』が腕を組んで並んでいた。

    ☆関連図書(既読)
    「エデンの東(1)」ジョン・スタインベック著・土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫、2008.01.25
    「エデンの東(1)」ジョン・スタインベック著・野崎孝訳、ハヤカワ文庫、1972.01.31
    「エデンの東(2)」ジョン・スタインベック著・大橋健三郎訳、ハヤカワ文庫、1972.01.31
    「怒りの葡萄(上)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.09.10(1939年)
    「怒りの葡萄(中)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.09.20
    「怒りの葡萄(下)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.11.05
    「二十日鼠と人間」スタインベック著・大門一男訳、新潮文庫、1953.10.10(1937年)
    「真珠」スタインベック著・大門一男訳、角川文庫、1957.08.15(1947年)
    (2018年2月19日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    自暴自棄になっていたアダムは、リーとサミュエルの真摯な心に触れ、再び自己を取り戻した。双子にアロンとカレブ(キャル)と名をつけ、立派に育て上げると誓ったのだ。その間にも時はたゆみなく流れ、いつしかサミュエルも不帰の客となっていく。唯一変わらぬものは、アダムの胸中に宿るキャシーの美しい幻影だった…。やがて多感な思春期を迎えたアロンは、愛らしい少女アブラと出会い、ほのかな慕情を抱いてゆく。

  • キャルの人間性にますます惹かれ、反面 形容詞が多すぎるくらい満艦飾、べた褒めのアロンが空虚に感じられて仕方なかった。アブラが惹かれるのが不思議‥いつか離れて行くだろうと予測が立つ。

    サミュエル・・得られるものをすべて得たような人間の設定が漫画チックで、だからこそその死は厳粛な当然のことと感じられた。
    添えで打ちひしがれるアダム・・人間的な成熟がどこかで止まったような人格と言わざるを得ない。

    リーも本屋を開くと言った夢のアドバルーンを打ち上げるだけ人間味があるとは言えるが、予想通りで戻り。
    子供達(と言っても15歳)にも解る動きだったのね。

    キャシーことケイトをこれでもかと描く展開は神の罰としか言えないほど・・この先どうなるかが怖くなっていく。

  • 請求記号・933/St/3
    請求記号・310003508

  • 白い鳩と灰色の鳩。縁起の悪い白い鳩を飼い、あえて運命に挑戦するサミュエルなど。業に立ち向かう姿がすがすがしい。

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