勇者の帰還 (ハヤカワ文庫 NV 101 海の男ホーンブロワー・シリーズ)
- 早川書房 (1975年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150401016
感想・レビュー・書評
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絶体絶命の窮地に追い込んでおいてから、作者は脱出の手段を「どういう僥倖、協力者があれば救出できるか」思案したという。もちろん主人公らしく、片足を失った副長ブッシュを見捨てるのは論外。盗むのさえもあまり好ましくない。ということで奇跡的に英国に亡命していたのがナポレオン治世に大陸に帰還して3人の息子が戦死して嗣子がないという超親切な貴族に援助され、奪還捕虜を水夫に堂々帰還。敵のフランス人は何人殺しても問題ない。追跡のボート二雙を(主人公の弾は命中し敵の弾雨は当たらないの原理)沈めただけでも何人死んだことやら。
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いわゆる三部作(ホーンブロワーシリーズは最初に5,6,7巻が人気を呼び、そのあとで前後が書き足された)の完了です。
不思議なことに、最終巻ではほとんど船は出てきません。何せ主人公が捕虜の身ですから。
捕虜と書きましたが、この時代の捕虜は紳士的に扱われます。例えば、脱走しないと宣言すれば、街中を自由に歩けたりします。何よりも名誉が重んじられた時代、"名誉にかけて"と宣言すれば大抵のことが許されたようです。
もっとも、それは上級者だけに与えられた特権です。一般船員は奴隷の如く扱われたりもします。身分の差は非常に大きいというのも特徴でしょう。
そういえば、このシリーズの中にしばしば強制徴兵隊が出てきます。乗務員の不足に悩む艦長たちが、街中に兵を繰り出し、そこらの市民を無理やり水兵として艦に連れて帰る。なんだか凄い制度だと思っていましたが、世界では一般的な国民皆兵制度だと思えば、日本人の固有の感想かも知れませんね。,6, -
『パナマの死闘』『燃える戦列艦』と合わせて再読。
海度(?)の低い1冊ですが、ホーンブロワーが英雄になっていく過程がみえます。
海の上にいるとき(戦闘中をのぞく)のようにぐだぐだ考える暇はなく、とにかく「生きて帰る」が目標なので、常に行動していなきゃならない。で、そういう事態になると、らちもない自己批判は影を潜め、計算力と実行力が全面展開。このあたりがなみじゃないわけで、冴えない中年(どうもこの巻で「37歳説」は修正されつつあるようなので中年ではないかもしれないけれど)とはいえなくなります。もっとも、ロマンスに対してさえ、どこか醒めていられるのは中年の証かもしれませんが。 -
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ホーンブロワーシリーズ7
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Flying Colours
海の男ホーンブロワーシリーズ第7巻。原作第3巻 -
感想は<a href="http://naotya.exblog.jp/d2006-05-26" targe="_NEW">ブログ</a>に。(06.5.23読了)