最後の国境線 (ハヤカワ文庫 NV 132)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150401320

感想・レビュー・書評

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  •  哀しいことに、本は絶版になってしまう。冒険小説の第一人者であるマクリーンの本すら、今新刊で手にはいるのは数種類に過ぎない。絶版になる前に、絶対に手に入れておきたい本があるとしたら、さしずめこれだろう。
     共産国にイギリスのスパイが入り込み、科学者を取り戻す。なんか笑ってしまいそうな、ある意味では陳腐な筋立てである。ましてソ連が倒れた今の世の中では、設定自体が昔話である。が、あれこれ言う前に読んだ方がいい。
     はじめて読んだとき、とにかく感動したのを覚えている。あれから何度読み返してみただろうか。読み返すたびに感動は強くなる。スパイ戦を描きながら、それを超えるものを感じさせる。それは、ぎりぎりのヒューマニズムであり、余韻のある人間像である。すばらしい小説だと思う。
     もちろん、ストーリーも抜群に面白い。僕はこれがマクリーンの最高傑作だと思っている。しかも、今のところまだ手に入る!

    • traotrさん
      私もマクリーンの最高傑作だと思います。
      私もマクリーンの最高傑作だと思います。
      2024/01/28
  • アクション・シーンでは、主人公は満身創痍。身体のあちこちをぶつけながらの活躍が本当に痛そう。しかも寒い。
    70年代、原作の数々が映画化された冒険小説の第一人者であるマクリーン。一番最初に映画化されたのがこの作品だという。

  • 主人公の活躍よりも脇役の優秀さが目立つ。捕虜救出と極寒のなかの逃走、そして脇役の自己犠牲とその末の脱出。

  • 表紙からして暗い、寒い、荒涼としている。そう、この物語は寒いです。昭和52年の発行で、私が2歳の時に出た本というから古い話です。ハンガリ-動乱のあとのブタペストが舞台で、主人公は英国のスパイです。最初から逮捕されるのでドジなスパイだなあと思ったが、AVO(なんの略だかわからないが、国家秘密警察、ゲシュタポ、特高警察みたいなもの。)のほうが格段役者が上らしい。そのセンドロ大佐に捕まるのだが、連行されたのは、アレクセイ・イリュ-リン少将(ジャンシ)(ウクライナ1904年生まれ。)の所だった。終盤話が盛り上がります。それまで、辛抱辛抱。

  • マクリーン作品中いちばん重苦しい作品。余韻がすごいです。設定は今となっては陳腐ですが、当時は生死を賭けた作戦だった。
    ラストまぎわの東側の協力者の言葉が頭に焼きつきます。
    「…わしの言ったことを忘れないで…わしらはこれからも長いくらい道を歩いてゆくが、とめどもなく歩き続けたくはないということを」

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