恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)

  • 早川書房
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150401351

感想・レビュー・書評

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  • 並の小説なら謎の答えは小出しにしながら引っ張っていくものだが、「こんなになにもわからないままでいいんだろうか」と心配になるほど、なにもわからないままにストーリーは疾走する。それで最後まで引っ張り切ってしまうこの力業が「王者」マクリーンたるゆえん。

  • 戦争を背景にした冒険小説が多かった初期のマクリーンにはめずらしい現代の犯罪もの。こういう冒険小説には大きく分けると主人公が捜査官として犯罪者と能動的に関わっていくタイプと、突然巻き込まれた災難から懸命に我が身を守りいつしか逆転していくタイプとがある(中には主人公が犯罪者というのもあるけど)。マクリーンは圧倒的に前者が好きなようだ。

    途中の大きなどんでん返しにびっくりする。最終的に物語がどこへ向かっていくのかがわかりにくい(もちろんそれが作者のうまいところ)ので、ハラハラしながら読んでいくのだけど、それでも途中で物語の本当の姿が現れるあたりはすごい。ただし、相当に無理もしているようなところがあって、それなのにさりげない叙述トリックがしかけてあるあたり、ちょっとほほえましい。

    主人公を突き動かす原動力がひどくネガティブであるのが最大の特徴で、それが作品全体のムードを決めている。本当ならハッピーエンドのはずのラストなんだけど、もう本当に切ない感じで幕を閉じ、何ともいえない余韻がある。

    二転三転する物語は収縮していく山場の対決シーンは、ものすごい迫力。まさに息がつまりそうだ。まったく先が読めないストーリー展開をあわせて、初期マクリーンの持つ圧倒的な勢いを感じる。

    ずしんと重く響いてくる異色のアクション小説である。

  • 冒頭がすごい。家族がいきなり襲撃された時の夫の独白。
    「二秒間、ほんの二秒間である。そしてこの二秒間は、私から、生命にもかえがたい最愛のものをうばい去った。私はこのむなしく、荒涼たる世界の只中に、何の意味もない存在として放り出されたのである。
     私の赤いバラは白くなった。
     1958年5月3日のことである。」

    そして彼の復習が始まる…
     

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