雪は汚れていた (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房 (1977年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784150401375

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  •  
    ── シムノン/三輪 秀彦・訳《雪は汚れていた 19770415 ハヤカワ文庫
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4150401373
     
    ── Simenon & Frédéric Dard《 1950‥‥ 20150924 Radio Classics》
    《雪は汚れていた La Neige etait sale 1952‥‥ France 19570323 Japan》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B0167TB04W
     
    (20200320)
     

  • 1948年発表、シムノン初期の代表作とされている。フランス文学界の重鎮ジッドやモーリアックらが絶賛、アルベール・カミュの「異邦人」を凌駕するほどの評価を与えたという。
    舞台はドイツ軍占領下の小都市。19歳のフランク・フリードマイヤーは、占領軍相手の売春宿で稼ぐ母親と同居し、カネや女に不自由しない怠惰な生活を送っていた。常連となっていた酒場で見知った将校を待ち伏せて殺し、拳銃を奪う。その犯行間際、隣人のホルストという男に顔を見られていた。フランクは、その男の娘に接近して挑発。さらに新たな殺人を犯す。
    振り続く雪、人心は荒廃し、生気を感じる登場人物がいない。占領下の暗鬱な不安を表象する殺伐とした情景。主人公の内面描写は多いが、何を考えているかは分からない。いま読めば、漠とした少年の言動は、不条理よりも不可解さが際立つ。戦争がもたらす鬱屈した心情を、犯罪というかたちでしか表出できない根拠が曖昧過ぎる。過分に時代的背景が影響しているとはいえ、生きることを実感するために暴力へと向かわざるをえない、という短絡且つ稚拙な思考。それは自滅へと必然的に繋がる。破滅こそが実存を確かめる路という流れは、明確ではあっても甘い。文学として幾らでも解釈は可能だろうが、実存さえも否定するが如き「異邦人」の圧倒的な強度が、本作には足りないと感じた。

    シムノンの世界観は意外と狭いというのが印象で、限られた登場人物による閉ざされた日常の中で物語は完結する。作品によって物足りなさを覚えるのは、世界が閉じられた後、その先に繋がるものが何も残されていないことにある。

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著者プロフィール

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。中学中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches” を発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。メグレ警視シリーズは絶大な人気を
誇り、長編だけでも70作以上書かれている。66年、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞。1989年死去。

「2024年 『ロニョン刑事とネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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