死者にかかってきた電話 (ハヤカワ文庫 NV 188)

  • 早川書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150401887

感想・レビュー・書評

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  • スパイに関して印象深く思う出来事があった帰り道に古本市で購入。ミステリー小説としては消化不良感が残るかもしれないが、スパイ小説自体をおそらくほぼ初めて読んだので、こういうものなのかもしれないなと思いながら読んだ。
    現実の歴史的事象と密接に関連した筋になっていて面白い。

  • スパイの嫌疑をかけられたが無実だとされた男が遺書を書いて死ぬ。
    その翌日、当局は男の死を自殺として扱い、報告書作成のため、
    男を尋問したスマイリーを男の妻のところへ派遣する。
    男の妻との会話中に電話が鳴り、当局からの電話だと思った
    スマイリーは電話にでるが、それは朝八時半を告げる電話局からの
    ものであった。
    その電話が、昨日に死んだ男が依頼したものであったことを知った
    スマイリーは男の死に疑問を抱き・・・
    という導入で始まる、ミステリ風味のあるスパイ小説で。
    後に一連のシリーズとなるスマイリーが初登場する作品。

    いわゆる『スマイリー三部作』に比べて、ミステリ風味が強いせいか、
    分量が短いせいか、読みやすい作品でした。

    「なぜ男は、起床時間や勤務のために家を出る時間にしては遅すぎる、
    朝八時半という時間に電話局からの電話を依頼したのか」という謎は、
    最後に「たぶんこういうつもりだったのだろう」とされていて、
    明確な解決がなかったところがスパイ小説らしいところです。

  • 2017.07.19 読了

    手島龍一さんの本を読んで、
    ジョン・ル・カレの本が読んで見たくなり
    第1作目を読んで見ました。

    面白いけど
    なかなか読み進むことができず、
    途中で断念するかと思いました。

    次の
    寒い国から帰ってきたスパイ
    が楽しみ。

  • 好きなものをとことん好きになりたおすって決めた。だから、ジョン・ル・カレは日本語のものは全部読みたいと思ってる。同じものを何度も読み返して見返す。『死者にかかってきた電話』ははじめてジョージ・スマイリーが活躍する小説で、冷戦のはじまりというより、第二次世界対戦の名残がまだまだ残っている世界の話だった。ユダヤ人迫害のことや新しい世界、二重スパイ、『寒い国から帰ってきたスパイ』に出てくるムント、ピーター・ギラム、メンデル、盛りだくさんでうはうはになってしまった。話の筋は『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』よりもわりと単純で読みやすい。

  • 共産思想を持つと密告された男をスマイリーが尋問した翌日、その男は自殺。
    スマイリーはこれが他殺だと確信する。

    映画化された「ティンカー…」より先にこのスマイリーシリーズ1作目から読むべきでした。
    スマイリーその人について詳しく書かれている上に読みやすいです。
    それぞれの体験に裏打ちされた思想に生き、悩み、自身の足元さえも疑いながらも歩を進めねばならないスパイ達の生き方には悲哀を感じるし、かつてのスマイリーの教え子だった傑物が、どのような気持ちでスマイリーの手にかかったのかと思うとさらにやるせない読後でした。

  • 久々の再読。ルカレにしては読みやすい文体で、スマイリーのことがよく分かる作品。一応スパイが関わる事件だが、どちらかと言えばスマイリーを探偵としたミステリーだ。事件の全貌が徐々に明らかになる中で、見方を180℃転換して真相に気付くスマイリーの推理が見事。第二次大戦で辛酸を嘗めた東ドイツのスパイとスマイリーの関係が興味深い。

  • スマイリー第一作目。腹心の部下への信頼が分かる。ミステリーでもありスパイ小説でもある、とてもオトク?!な一冊。訳が他のスマイリーとはちょっと違うような??

  • ジョージ・スマイリー初登場。ピーター・ギラム、メンデル警部との出会いも。ギラムさんの口調はまるで別人だけど。。

  • 「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」に続いて読んだ。登場人物に思い浮かべるのは映画のスマイリー、ゲイリー・オールドマンにピーター・ギラムのベネディクト・カンバーバッチ。ピーターはちょっとベネディクトでは若すぎてイメージ違うけれど。
    「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」でも思ったけれど、やはり作風は『おっさん目線』。なんだかなー。
    上の評価の星は、細かく設定できないので★★★としたが、★2.5。
    映画の世界が目に浮かんできたので読み終えたが、そうでなかったら途中でやめたかも。終わりのレポートみたいなので解説をしないで本文中で解決するべきだと思う。

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