北極基地潜航作戦 (ハヤカワ文庫 NV 327)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150403270

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  • 原子力潜水艦「ドルフィン号」艦長USA NAVYジェ-ムス・スワンソン中佐。スコットランド南西部クライド湾に停泊中便乗者ドクタ・カ-ペンタ-がやってくる。北極基地ゼブラから救難信号が入電、救助に向かうことになる。氷の下を潜航して不凍海面を見つけ浮上する。ゼブラ基地は全焼。指揮官以下3名は殺害され、証拠隠滅のため放火されたのだった。犯人は、基地の人間だ。生存者を艦内に収容。犯人も艦内に・・・。魚雷発射管から浸水してあわや沈没の危機。艦尾室から出火、全員一酸化炭素中毒の危機など冒険小説と犯人探しのミステリ-小説の2面性のスト-リ-。この艦長がすごく魅力的だった。何事にも冷静沈着で微笑を絶やさない温厚な性格。リ-ダ-とはかくありたい人物。すべて映画的な展開で、実際映画化されている。

  • 海洋冒険小説の古典的作品。

    北極の氷の上に建てられた基地が火災した。流氷の上に建てられているため毎時間場所が変わる上に火災で無線機が壊れて正確な場所が分からない。しかしそれでも行かなければならない。なんとも無茶すぎる。

    指揮系統と信頼関係が乗組員の命を握る潜水艦航海において突然現れた主人公を艦長が信じるかは微妙なところだった。そのためもっともらしい嘘の事実を話し主人公は身分を隠して潜水艦に乗り込むのだが、読者には正体を明かしてほしかったと思う。おかげで何が本当なのかよく分からず、真実も信じられなかった。

    視界の悪い、いやほとんど見えない状態での北極の探索が危険すぎる。海に落ちれば溺死、落ちてから戻れても一瞬で凍って死、汗をかいても乾かず徐々に冷えて死。潜水艦に乗っていても安全ではない。原子力潜水艦ドルフィン号は作中二度の危機に見舞われる。その間の艦内の苦しい時間は永遠と思うほど長く感じた。空も海も命の脆さは大して変わらないが、北極海の氷の下にいる場合は空の場合よりはるかに死が近いと感じた。

    海外小説特有の極限状態でも軽口を叩き合うという描写はこの作品でも思う存分楽しむことができる。同じく海外小説特有のインチ、ポンド、ヤード、フィート、オンスというピンとこない単位も登場し、こちらには相変わらず悩まされた。

    あとがきにこの作品はミステリー、冒険小説、スパイ小説の三種類の楽しみ方があると書いてあった。登場人物が多すぎて覚えられなかったボクはミステリーとしての楽しみ方は早々と放棄した。

    アリステア・マクリーン 翻訳 高橋泰邦
    昭和58年7月20日印刷
    昭和58年7月31日発行

  • マクリーン作品中いちばん好きです。二転三転するプロット。初期の重厚さはありませんが、楽しめる作品。

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