- 早川書房 (1987年1月28日発売)
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感想 : 22件
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150404321
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みんなの感想まとめ
スパイの存在がもたらす悲劇を描いた物語は、緻密な情報戦と人間ドラマが交錯する緊張感に満ちています。新生英国諜報部のジョージ・スマイリーが、宿敵カーラに立ち向かうための秘密作戦を展開する中で、彼を師と仰...
感想・レビュー・書評
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「あれはどこかべつの土地、まったくべつの宇宙での出来事だった。彼はここでは場違いな人間だった。けれども、彼もまたこの悲劇にどこかで加担してきたのだ。」
スパイ小説には悲劇が似合う
ソ連の伝説的スパイ”カーラ”によって被った壊滅的打撃からの復活を目指す新生英国諜報部
率いるのは我らがジョージ・スマイリーだ
スマイリーは”カーラ”に反撃すべく、ソ連からの金の流れを追う
たどり着いたのは香港に住まう中国人富豪ドレイク・コウ
送り込まれたのはスマイリーを師と仰ぐ新聞記者で工作員ジェリー・ウェスタビー
ジェリーの活躍もあり、中国諜報機関中枢にいるコウの弟ネルソンが”カーラ”のスパイであることが判明
スマイリーはネルソンを捕らえるべく、秘密作成を開始する
しかし、インドシナ半島に潜入したジェリーは別の思惑からスマイリーの指揮下を離れ独自の行動を開始する
スパイとは何なのか?スパイが存在することそのものが、この世の悲劇なのではないだろうか
ジェリーを支配していたのは、ある意味非常に人間的な感情だったのだが、人間であることと、スパイであることは両立し得なかった
そしてそのことが、スマイリーとジェリーに悲劇を引き寄せたのだ
人であることもまた悲劇なのだろうか -
カーラの資金を受け取る香港の大実業家ドレイク・コウ。彼の弟ネルソンは中国情報機関の中枢に送り込まれたカーラの二重スパイだった。そして今、ウェスタビーの調査でドレイクが重大な計画を企てていることが判明した。スマイリーは、それを利用して秘密作戦を開始する。が、ウェスタビーが指揮下を離れ、独自に行動していたとは知るよしもなかった。
38年ぶりに再読。ページ数はそれほど多くないが、活劇シーンも読ませます。 -
宿敵カーラを追い詰めるため新生したサーカスの部隊で反撃に出る話、かと思いきや、書類をあさって痕跡をたどり、会議を開いて作戦を練り、情報共有して真偽のほどを探る、という地味なシーンを主に話が進んでいく。しかもチームの統制が十分に取れてないせいで別の方へ話が転がってもいき、仇敵へはなかなかたどり着かない。でもそれが妙に魅力的でもあり、じっくりと足場を築きあげながら、ときにアクションを挟み、指揮官の苦悩を描く筆致に魅せられながら読み進めた。
結末は苦い、今回も。今まで読んできたル・カレの小説で苦くないものなんてひとつもなかったのだけど。 -
能の序破急のようにゆっくりゆっくりぐわぐわっと盛り上がっていく物語。往時のカンボジア、ベトナム、ラオス、日本、アメリカのこともそこはかとなく伝わってきます。ジョージ・スマイリーはチャーリー・マフィンかそれ以上に素晴らしいキャラクターです。次も楽しみ。
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カーラの資金を受けとる香港の大物実業家ドレイク・コウ。彼の弟ネルソンは中国情報機関の中枢に送り込まれたカーラの二重スパイだった。そしていまウェスタビーの調査により、ドレイクが弟を中国から脱出させようと企てていることが判明した。この情報を基にスマイリーはネルソンを捕えるべく秘密作戦を開始する。だが、密命を帯び戦火のインドシナ半島に潜入したウェスタビーが、指揮下を離れ、独自に行動を始めていたとは知るよしもなかった! 非情なスパイの世界に生きる男女の姿をリアルに描写、ル・カレの最高傑作と絶賛された力作巨篇。英国推理作家協会賞受賞。
原題:The honourable schoolboy
(1977年)
--- 目次 ---
第二部 木をゆさぶるとき
13 リーゼ
14 第八の日
15 攻囲都市
16 チャーリー・マーシャルの友人たち
17 リカルド
18 川の曲がり目
19 金筋の魚
20 リーゼの恋人
21 ネルソン
22 再生
解説/山田智彦 -
下巻も相変わらず文章が読みづらくて時間がかかってしまった…。
これは元の文が読みづらいのか訳のせいなのか。
下巻は結構動きがあり、特にラスト100ページくらいは先が気になってさっと読めました。
前作のティンカー〜…の終わりの時にもあった唐突にストンと終わる感じがあって少しびっくりしました。
スマイリーやギラムの出番が少なかったのでそっちがメインなら私は精神的にもっと読みやすく感じたかもな、と。
フォーンが狂犬って感じで結構好きでした。 -
久しぶりの再読。前作で大きな打撃を受けたイギリス諜報部が香港を舞台に巻き返しを図る。スマイリーを筆頭に個性的な部下達が、宿敵カーラの尻尾をつかみ弱味を暴こうと奮闘する様にはワクワクする。そして現地工作員であるウェスタビーの持つイギリス貴族らしいロマンシズムが切ない。ルカレ自身が現地で取材したらしいが、戦争で混乱状態の東アジアの雰囲気が色濃く伺える。
膨大な登場人物が入り乱れている上に、例によって親切な状況説明があるわけでもないので、初めは何が起きてるんだかさっばり分からない。人物一人一人の描写もことのほか念入りで読むのに苦労するが、全体像が見えてくると俄然のってきて幕切れまでのめり込んでしまう。読み終わってしばし呆然。 -
所謂スマイリー三部作の中核を成す長編だが、とにかく読み終えるまで忍耐を要した。前作からの重厚感たっぷりの筆致は本作で極限まで達している。濃い霧の中を電池切れ寸前の懐中電灯を持ってそろそろと歩むが如き第一部を終え、末端の工作員が内戦中のカンボジアを舞台に活躍し始める段になってようやく物語は精彩を取り戻すのだが、宿年の敵であるソ連の大物カーラへの打撃が如何なるものであるのかは釈然としないままに、これまたぼんやりとミッションは閉じられていくのである。
国家間の覇権争いの下、単なる駒として扱われ、虫けらの如き悲劇的な末路を迎える諜報員を描くことはスパイ小説の常套だが、本作ではそれさえも弱められた印象だ。やはり、饒舌過ぎるのである。この作品にエンターテイメント性を犠牲にしてまで訴える何らかの哲学を感じることは少ない。 -
スマイリー三部作の二作目です。
スクールボーイ閣下というのは、今回の主人公ともいえるジェリー・ウェスタビーはスマイリーを慕う臨時スパイで、何度も結婚離婚を繰り返したりとわりと破滅的な生活を送っていますが、中国人スパイを追って東南アジアを行き来します。
相変わらず登場人物が個性的で面白いです。スマイリーの部下、コニーやギラムは前作にも出ていたし、中国専門家ディサーリスや雑用係(と言いつつも戦闘のプロ)のフォーンもどの人もキャラ立ちまくってます。
最後の方で書かれるスマイリーとジェリーの絆も切ないです。
面白いんですがややこしく長いです。ジェリーの行動もちょっと理解しがいたいところもあります。香港の記者クラブにいるクロウやルークの方が魅力的でした。 -
感想は上巻に書きました。
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本の分厚さ以上の読み応えです。
スマイリー三部作の中核を成す作品であり、最も、いわゆるスパイ小説っぽい作品かもしれません。
当時の世界情勢に漂う緊張感が痛いほど伝わります。 -
純愛なのかな…
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スマイリー三部作と言いながら、後半はほとんどジェリーの話。
やはり最初の方は入りにくいが、後半の引っぱり具合は流石。
それにしても理解不足の私にはタイトルの意味がイマイチ。
こんなままで終わらないでしょう?という気持なので
三部作最後まで読まないとなんか落ち着きません。
なんかギラムとフォーンがスマイリーを取り合ってませんか? -
積み上げて積み上げて積み上げてのラスト!!怒濤で、でも淡々と分析口調で、提示されたデータからどこまで読み取って燃え上がるかは読み手に任せてる感。
下巻は間違いなくウェスタビーのもの。前作は上層部の、本作は現場工作員のリアルなのかな。
ジョン・ル・カレの作品

勉強になります(`・ω・´)ゞ
勉強になります(`・ω・´)ゞ
なにも学んでないな
なにも学んでないな