スマイリーと仲間たち (ハヤカワ文庫 NV (439))

制作 : 村上 博基 
  • 早川書房
4.07
  • (13)
  • (22)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 194
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (575ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150404390

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • スマイリー三部作完結編で、旧ソ連の宿敵〝カーラ〟との最終的決着までを描く。重厚な筆致は更に磨きが掛けられており、ル・カレ独自の世界がゆっくりと始動する。前作の漠然とした分かりにくさは消え、より引き締まった構成ではあるが、集中力を欠くと挫折しかねない。タイトル通り、物語はスマイリーに主軸を置いている。かつての仲間が犠牲となっていく非情な諜報戦のただ中で、老体に鞭打ちながら真相を求めて歩む孤独な後ろ姿は、影の存在でありつつも、自国他国問わず真っ先に国家の使い捨ての駒となるスパイの悲哀を物語っている。
    冷たい怒りを抑えつつも、或る瞬間には滲み出てしまう吐露に、終わりなき闘いの不毛ぶりが表れている。実体がほとんど明らかにされていなかった〝カーラ〟が、ようやく姿を現す終盤のシーンは、本作のみならず三部作全体を通してのクライマックスであろう。「勝つ」ためには、自らも薄汚い手段を取らざるを得なかったスマイリーに去来する思いは、苦く空しい。

  • 老いの風景が描かれている。
    私が一番に感じたのはそれだった。
    聡明な”酒飲みおばあさん”の描写はせつない。
    一対の裏表と評された彼らの国家を背負った戦いも一区切り。
    まぁ、国家間の戦いが消滅したわけではなくて、個人の争いがってことで。

  • スマイリー三部作のラストで、宿敵カーラとついに決着が。
    ティンカー・テイラー〜と比べると全然読みやすいのは翻訳者が違うせいですか?
    人物をまずザーっと出して、読者を混乱させてから最後にババババっと纏めていくのがル・カレの作風なのかな。
    あくまで鈍くさく、でも実は頭良さそうなスマイリーが、じわじわと網を張る様がリアリティな面白さですね。
    ちなみに私は何故かピーター・ギラムが好きです。

スマイリーと仲間たち (ハヤカワ文庫 NV (439))のその他の作品

スマイリーと仲間たち Kindle版 スマイリーと仲間たち ジョン・ル・カレ

ジョン・ル・カレの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
トム・ロブ スミ...
トム・ロブ スミ...
高野 和明
伊藤 計劃
ピエール ルメー...
ジェイムズ・P・...
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする