batake99さんの感想
2011年9月17日
歴史改変物の定番とも言える「もし、ナチスドイツが第2次大戦で勝利を収めていたら」という設定のミステリには、本作をはじめ「ファージング三部作」「ファーザーランド」「ユダヤ警官同盟」等があげられる。 しかし、「歴史改変」という帷子を剥げば、本作の本質はジョン・ル・カレやフリーマントルといった一連の英国スパイ小説に連なるものとして捉えるのが正解ではないだろうか。 誰が誰の意思、意向であるいはどういう思惑で動いているのか、最後まで息をつかせぬ読ませどころの多い秀作だ。