アムレット (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房 (1988年2月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150404765

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  • 60年代半ばのアメリカ南部、アラバマ州の田舎町パイン・コーン。ベトナム戦争のため新兵訓練中、銃の暴発事故によって重傷を負い生きる肉塊となった夫ディーンと、事故は町の軍需工場で造った銃のせいだと町の住民を恨む義母ジョー。2人と暮らす若い妻サラが心休まるのは、隣家に住む親友のベッカと語らう時だけだった。ある日、ディーンの幼馴染でもあった軍需工場の重役に、ジョーが金の輪でできたお守り・アムレットを手渡した。その日から町の人間が次々に惨たらしい死を遂げ、彼らは皆アムレットを手にしていた。サラはアムレットを取り戻して惨劇の輪を止めようとするが……。

    アメリカ深南部を舞台にするとこういう雰囲気の作品になるんだろうか(解説によればこれがこの著者の作風らしい)。とにかく鬱々とした雰囲気であり、惨たらしい死が次々に描かれる様子は陰鬱でありながらも、どこか乾いたブラックユーモアも感じられる。アムレットが次々と人手に渡りながら新たな惨劇を産んで行く、というパターンで物語が進行していくので展開は読めてしまうが、次の人間の手に渡り、起こる惨劇―そのパターンが手を変え品を変えで面白い、とも言える。

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