本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150405311
感想・レビュー・書評
-
切り離しがたきわが双子兄弟よ…
って、なんだっけって、ずっと考えていたのですが、やっと答えが出ました。いや『白鯨』なのは判っていたんですが、何かに引用されていて、その文語体が読みたいなぁと、思っていたら!
『双生児』!!!
でした。ご存知の方はいらっしゃいますか〜?
クローネンバーグ監督がサイコ・スリラーにしたという話ですが、どんな映画なんだろう? 改題『戦慄の絆』
映画は観てないの。
原作至上主義だから。でもこれ……サイコ・スリラー?
ネタをばらすと、双子兄弟がいて、兄が弟を支配しようとする話。家族も兄を優先してかわいがる。兄は産婦人科医になる。自立しようとした弟は外科に進む。
けれども、どうしても救いたかったガン患者を救えなかった時、彼はとうとう兄につかまってしまうのでした。
二人はユダヤ人です。一卵性双生児の近親相姦です。
ゲイ文学にしようかな? ユダヤ文学にしようかな?これはどっちだ?
映画では近親相姦はカットされたようですが。
正直なところAC小説として読みました。
必死に自立しようとする弟を阻む兄。山岸涼子の『スピンクス』
くらいの凄まじさ。
でも前文はカッコいいので、ちょっと引用。
「かくて いかな運命(さだめ)となろうとも
われら両名…永遠(とわ)の絆にて結ぼれにけり
あはれ クイークェグ 沈みてもはや浮きあがらざれば
慣例(しきたり) 栄誉(ほまれ)二つながら命ずるまま
綱は断ち切らるるかはりに
もろとも われらを波間にひここまんとするにあらずや…
クイークェグ 切り離しがたきわが双子兄弟よ…」
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この女は道化か、あるいは一風変わったハ-レクインロマンスのヒロインか。美しい双生児がそのまま大人になると…。影なる分身への執着、ナルシシズムの極みはかくあれかし。耽美な少女漫画の延長である。映画ではジェレミー・アイアンズが一人二役だったが、これではまず他の人を好きになろうったって無理でしょう、一人だって結構楽しくやってゆけるところを、ダブルになることで二人きりで完璧に完結しているのだから。
-
すげえいい双子近親相姦サスペンスだった。サスペンスってえのかな、とにかく二人の狂った感情のどろどろが、双子だからっていうだけで成立する、絶対双子じゃない奴にはわからないっていう不可侵領域があるのが、たまらない。
兄から離れたいマイケルと完ぺきな兄デイビットの明るいまでの執着がたまんねー。結局兄のもとへ自ら向かってしまい、二人とも薬におぼれていくあたりも頽廃でグロテスクででもどこか耽美を感じさせるのが双子という謎の魅惑ジャンルです。主人公の二人を取り巻くキャラクターも、それぞれ心情の描写が短くも明確でとてもそれぞれ渦巻く欲望のようなものが出ていて面白かった。映画も観たいな。 -
双子はロマン。みんな変態、だがそれがいい。
バリ・ウッドの作品





