歌おう、感電するほどの喜びを! (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房 (1989年6月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784150405403

みんなの感想まとめ

切なくも幸せな物語が詰まった短篇集で、愛や人間の存在について深く考えさせられる作品です。機械のおばあちゃんが与える絶対的な愛や、「何者かに成りきれなかった者」のやりきれなさを描いた作品群は、優しさと共...

感想・レビュー・書評

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  • ブラッドベリ好きの知人から借りた本。
    表題の『歌おう、~』だけでいいから!とのことで読んでみた。

    脳から理系が欠落している私にはとても読みやすく
    切なく幸せな物語だった。
    生身の人間から得られるとは限らない絶対的な愛を、機械のおばあちゃんがくれるとしたら…
    機械ゆえにその愛は絶対って、すごい矛盾だよねぇ…

    その後『ニコラス・ニックルビーの友はわが友』まで読み終えて、正直コレジャナイ感を覚えたのでここまでとした。
    他のかたのレビューを見て、萩尾望都さんの後書きを読んで納得。
    知人の『歌おう、~』だけでいいから、にも納得。
    『歌おう』は評価★★★★★

  • 『歌おう、感電するほどの喜びを!』(1969)は、アメリカが産んだ幻想SF作家の巨匠レイ・ブラッドベリが編み出した短編集です★
     愛読者として、ブラッドベリとの出会いに「感電するほどの喜び」を歌い上げたい気分です✧ ただ、よりによってこの題名の本で少し事情が違っているのだけど……★

     レイ・ブラッドベリが描く少年時代は、まったく骨までしみてカルシウムレベルでひたれるほど(謎表現)美しいですが、彼が書いた大人の話の数篇は、どことなく借り物めいて馴染まないことがあるのです。
     本書には、レイモンドが「永遠の少年」をやめて大人の声で歌おうとした、あるいは少年の声を出そうとしたけど、声変わりが始まったかな、出力が落ちたかなという変化期の作品がいくつか混じっています★

     たとえば、それまで偉大な精神科医とされてきた男が、自身の衰えに気づき引退する小編があります。霞んだ視界と聞き違いの中で仕事してきたのを恥じ、現実に耐えられなくなったドクター。しかし別の診療法に目覚め、「ロールシャッハのシャツを着た男」としてカムバックします。「いぜん光輝にあふれてただよい行くその姿」を見せて……
     しかし正直、この医師は老いたと私は思ったな★
     ほかの何篇かも、端っこから夢の色が褪せ始めているような気はしました。

     ブラッドベリの小説からは、不思議に美しい唸り声が聴こえます。ブーン、ゥーン、と優しく空気を震わせる響き。本を閉じて物語が夜の闇や霧の向こうへと静かに消えていっても、耳に残る★ ブラッドベリのブーンは、何十年も耳の奥で鳴り続ける、特別な唸りです。
     一編一編が立てる、優しき唸り。ただ、量産できる種類のものではないのでしょう。ブラッドベリの妙なる唸りもこの本では時折苦しく、致し方なき変化と戦っているよう?
     だけど、耳をすませると、息継ぎをしてもう一度、唸り始める気配が感じられるのです。

  • 原題は「I Sing the Body Electric!」。書名にもなっている邦題が良い。
    たくさんの優しさと、「何者かに成りきれなかった者」のやりきれなさの短篇集。以下、気に入ったもの。
    ・「歌おう!感電するほどの喜びを!」愛について、祈りたくなる
    ・「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」ディケンズを名乗る、小説家になれなかった男と少年の出会いと別れ。”ぼくはあの人たち、きちがいじみてなんかいないと思うけど” ”わしだってさ、ピップ”
    ・「大力」話は何処へも進まない。そして彼もまた。
    ・「ロールシャッハのシャツを着た男」なぜか泣いてしまう。

  • 先日、恩田陸「MAZE」を読んでいて、この乾いていて時間の流れから置いていかれている感じ、知って・・・・・・とやっと思い出しました。

    これです、これ!
    特に「ロールシャッハのシャツを着た男」「ヘンリー9世」辺り。

    でも今回読んで、一番気になったのは「お墓の引越し」。夭折した恋人の亡骸の前で老女は・・・・

  • 「I Sing the Body Electric」
    この原題を、
    「歌おう、感電するほどの喜びを!」
    こう訳した素晴らしさに、喝采を。

    表題作が、泣けて仕方なかった。
    盛大にネタバレ

    「ぼくたち」3人の子供が誕生させたおばあさんのあたたかさにも、子供のわだかまりや愛情にも感じ入るけれど。
    「ピノキオ」と名づけられた、彼女たちロボットの眠りが。
    抱き続けた思いで、いつか、人間になれる――ロボットであるがゆえの惜しみない愛情と、別け隔てのなさ。それでも、彼女たちは、自分の育てた子供たちの思い出を語り合い、共有しあい、まったき愛情を伝え合って、いつか、と夢見る。

    「いつかわかるときがくるでしょう」

    生物的な意味では、持ち得ない命を。魂だけは既に子供らと分け合っている彼女が、夢見る。
    そして、年を取らないと泣き叫んだ子供たちは、心だけはそのままに、老いて、また、おばあさんを呼ぶ。昔も今も変わらぬおばあさんを。

  • 追悼レイ・ブラッドベリ。

  • 表現は詩的で音楽的で非常に美しいと思ったのだけど、その感情的な高ぶりが展開を広げていくのに少々ついていけなかなった。素直に陶然としたかったが…私の読み方に何か足りないのかな。

  • 12月15日読了。ブラッドベリのSF短編集。ロボットのおばあさんと家族との交流を描いた表題作(邦題がいいね)など、SFだが全体にはノスタルジックなムードが漂う。ブラッドベリの他の作品同様に悪くないが、ピンとこないお話やダウナーに沈み込む話も多く、絶賛するというほどではなかったか。

  • 予期もせず、偶然読んだ物語が非常におもしろいと
    まるで宝物をみつけた小さい子供のように眼をきらきらと
    光らせて喜んでしまう。

    しかも、今まで敬遠していたSFというジャンルの中で
    そんな作品に出会えたのだから尚更だ。

    レイ・ブラッドベリというと『華氏451度』が有名だ。
    たぶん、’ブラッドベリを読もう’という心構えで本を選んでいたら
    一作目にこの作品を読むことはなかっただろう。
    いろいろな偶然が巡り巡ってこれを手にすることになった、
    その幸運が本当にうれしい。

    どの短編も傑作で無駄がない。
    翻訳家の訳も見事で、抒情的でいて美しい。

    またここから世界が拡がっていく予感を感じながら
    わたしは幸福のうちに本を閉じる。

    'I Sing the Body Electric'
    -from a piece of poetry of Walter Whitman 'Children of Adam'

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  • だいぶ前に読んだので、内容を忘れてしまったのですが。。。
    ロボットのお母さんと子供たちの話はじーんときました。

  • レイブラッドベリ入門?

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著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

レイ・ブラッドベリの作品

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