ドッグ・イート・ドッグ (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房 (1997年7月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150408442

みんなの感想まとめ

犯罪と社会の関係を深く掘り下げた作品で、主人公トロイの苦悩を通じて、刑務所からの復帰がいかに困難であるかを描いています。彼は出所後、仲間と共に麻薬業者からの依頼を受け、非情な選択を強いられる中で、社会...

感想・レビュー・書評

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  • 12年の刑期を終えて出所したトロイは、ロスアンゼルスの大物麻薬業者のブツの強奪を持ちかけられた。
    仲間のディーゼルやマッドドッグと共に、計画を実行するトロイ。
    さらに、商売仇の息子を拉致する仕事を持ちかけられた。
    だが、予想もつかない非情な結末が待っていた。
    「レザボアドッグス」のエドワード・バンカーの犯罪小説。
    前科者が、なかなかカタギになれない社会構造に苦しめられるトロイたちの苦労、犯罪者の社会のリアルな描写、自分の命を守るため仲間すら裏切り見捨てしまう裏社会の非情さ、派手な散り方すら許されないビターな結末、クエンティン・タランティーノ激賞の傑作犯罪小説。

  • アメリカのクライムノベル。訳も良く、テンポも良い。さらっと読めるのに読み応えがある一冊。

    恵まれなかった幼い時代、犯罪に手を染めた成長過程、出所後に望む穏やかな生活と、それを叶えられず再び犯罪に手を染める絶望。主人公たちの葛藤や、この時代のアメリカ社会の構造がよく描かれていて、とても切なかった。

    著者は少年時代からたびたび犯罪を繰り返し、獄中で長編を執筆した経歴の持ち主だという。
    人が反社会的な行為に至る理由の主な要因として、家庭環境の崩壊や、貧困、教育機会に恵まれない…などが挙げられると思うが、著者は併せて、一度でも塀の中に囚われてしまうと、一般社会への復帰が困難であることを強調している。

    アメリカには有名なスリーストライク法があるが、二度の重犯罪歴がある者に対し、三度目はどんな軽犯罪であれ問答無用で終身刑というのは問題が多い。調べてみると、今はある程度法改正が進んでいるようだ。アメリカの懲罰観についても興味深かった。

    日本でも犯罪に対する量刑が妥当であるか否か、大きな問題となり法改正が繰り返されているが、日本社会には基本的に応報刑の考え方が馴染むのかなと思う。死刑存廃論についても然り。日本人の伝統的な考え方として、被害者が加害者に仇討ちする権利を持つのであって、司法は被害者の仇討ちを代行するものに過ぎない。感情的にはそこに行き着くのに、実際の司法制度の考え方や成り立ちは全く異なる方向性である為、何となく法に対する信頼が薄く、罪を犯した者に対して社会的制裁を加える行為(=私刑)が密やかに称賛されるケースが目立つのかなと。日本で犯罪歴のある者が恐れることは、周囲に犯罪歴が知られることと、被害者やその近親者からの身を挺した報復であろう。

    対して西洋などキリスト教圏では、被害者は神に祈って、神が加害者を裁くという構図。仮に司法が有効に機能しなかったとしても、神を介在させることで、被害者側の感情に救いがあるように感じる。キリスト教圏で犯罪歴がある者が恐れることは、神に背いたという罪悪感なのだろうか。

    …など、長々と考え込む時間も持たせてくれた良書だった。

  • おもしろい。そして、やりきれない。

  • クライム・ムービー好きには、たまらないクライム・ノベル。タランティーノの映画を観てるような感覚になります。
    なにせ作家は、「レザボア〜」のミスター・ブルーですから!

  • 本物の受刑経験者の書いた血の通った小説であります。アメリカ社会の根底に横たわる抜けられない犯罪の悪循環を知るいい資料になると思います。いつ誰に背中を攻撃されるともわからない世界の中でそれでも昔からの友人を慕いつづける登場人物が切ない。

  • 視点人物を1人に絞り、更正を望みながらも挫折していく主人公の心理を丹念に描いた『ストレートタイム』から一転、更正する気などさらさらない3人の悪党を主人公にすえ、スピーディーな犯罪物語を展開させていく。自由を求めて犯罪を繰り返す彼らだが、その果てに待つ運命はきわめて皮肉かつシビアである。

  • ディーゼルが意外とやさしいんです

  • デニス・リーマン著者:武装強盗の罪で刑期53年で服役中

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