石油消滅 (ハヤカワ文庫 NV ラ 11-1)

  • 早川書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150411817
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感想・レビュー・書評

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  • 石油を使用不可能にするバクテリアが石油の流通経路でアウトブレイクし,主に流通の停滞に伴う物資不足によって混乱していく社会と,事件の解明に奔走する一軍医を描く作品.
    主人公の軍医と,全体を通じて登場する暗殺者とは,どちらも貧しく,アウトローな少年期を歩んだのちメンターを得て,プロとしての経験を積んでいくという経歴を持っており,好対照である.
    全体としては「石油が使用不能になると何が起こるか」という部分の描写に力が入っている.大陸ではより深刻な紛争に発展していると考えられるものの,石油を動力源にする機械が使えないことから,戦車や戦闘機などの兵器はほぼ動かないものとみられ,銃を用いた人と人との近接戦闘が主体となっているであろうことは,この作品に描かれている,アメリカ国内での武力を伴う暴動からうかがい知れる.
    一方,原因の解明に至るサスペンスに多くが割かれているぶん,その後の防疫や解決という部分の比重は極めて軽い.

  • ある日突然石油が使用できなくなる。
    バクテリアが原因と判明するが世界は大混乱。
    石油が使えなくなった世界のパニックをリアルに読ませてくれる。
    ちょっと昔の本だしまたちょっと現在だと変わってくるのかもしれない。
    面白かった!!

    詳しい感想はこちら↓
    https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11384838695.html

  • 石油資化菌については、タンカーの座礁事故などによるオイル流出事故を受け研究されてきている。この物語は、この菌の一種が蔓延し、石油資化の過程で生まれる副産物が内燃機関を破壊するという前代未聞の事態が勃発するところから始まる。

    内燃機関が使えなくなることによる社会インフラへの影響、交通機関、発電、ロジスティクスが絶たれることによる食糧難が冬の北米を舞台に描かれる。

    裏でこの工作を操るのは誰か?
    物語は疫学的見地で核心へと迫っていく。

  • -

  • 石油を食べるバクテリア、という発想が面白い。
    でもそれ以外に良いと思える所は無し。
    どっかで見たようなパニック映画によくある展開が目白押し。

  • ある日、石油を培地に増殖するヴィルスによって世界中の油田が汚染された。CDCから軍の生物防衛プログラムに出向中のジレットは、感染源が石油殺菌の薬剤にあると考えたが、上司によってその調査は認められない。その間に生活手段を失った世界は、瞬く間に荒廃していく。
    犯人は誰なのか、証人を消していく暗殺者との関係は、ジレットはどうやって感染を予防するのか、というところだが、犯人のおおよその姿は予想可能。感染の終焉もある意味あっけない。人ではなく石油のパンデミックというのは、おもしろい切り口だったが、今ひとつ詰めが甘い。

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