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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784150412340
作品紹介・あらすじ
CIAをも傘下に置く巨大組織と、日本的精神の至高の境地〈シブミ〉を体得した孤高の暗殺者ニコライ・ヘルが繰りひろげる死闘。
みんなの感想まとめ
冒険小説でありながら、日本文化や歴史への深い洞察が光る作品です。主人公ニコライ・ヘルは、戦後間もない日本を背景に、孤高の暗殺者としての死闘を繰り広げます。物語は、彼の数奇な運命と共に、当時の日本人の心...
感想・レビュー・書評
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日本の出来事が多く登場する冒険小説。外国人が描く日本は、私たち日本人からみると奇怪に思える場合があります。しかし、本書ではそんな心配はご無用です。きちんと日本や日本人の心情が違和感なく描かれています。戦後間もない日本も描かれ、当時の様子も日本人の目からみた荒廃した国土を感じることができます。そして物語にも引き込まれます。数奇な境遇の中、たくましく生き抜く主人公に共感しつつ、先の展開が気になります。上下巻セットでの購入をお勧めします。
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いつか見た映画「アイガー・サンクション」がめっぽう面白かった。その原作者がトレヴェニアン。
「シブミ」とはもちろん日本語の渋みです。ですが、言葉でどのように説明するか理解も表現もしているものではないと思います。
しかし、日本文化に深く関わった背景を持つ反テロリストが主人公のこの作品から教えられるとは・・・
「シブミという言葉は、ごくありふれた外見の裏にひそむきわめて洗練されたものを示している。この上なく的確であるが故に目立つ必要がなく、激しく心に迫るが故に美しくある必要はなく、あくまで真実であるが故に現実のものである必要がないことななのだ。」と碁の師匠である岸川将軍に語らせる、このかっこ良さ(同時に、自分の国についての浅い理解を恥じ入らせもします)。ほかにも東日本大震災の時にも世界が賞賛した日本の美徳を80年代に書かれたこの作品は描写しています。いったいどういう作家なのだ!?
冒険小説でありながら、米国、ヨーロッパ、日本等の文化の批評も散りばめられ、大学の教授らしさを感じさせます。
テロとの戦いが問題となっている現代こそ響くテーマの恐ろしさに震えつつ下巻へ!-
う…、これはずいぶん前に読んで、タイトル通り渋すぎて、よくわからないなあと思ったのを覚えています。なんだかすごく読み返したくなりました。今読...う…、これはずいぶん前に読んで、タイトル通り渋すぎて、よくわからないなあと思ったのを覚えています。なんだかすごく読み返したくなりました。今読んだら、全然違う感想を持つかも。
下のレビューを楽しみにしています。2015/02/09
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上下巻あります。
上巻は面白く読みましたが、下巻がいまいち楽しめず。
精神世界の熟達のようなものに重きをおくヒーローですので、そういうものが楽しめる人にはとても楽しい小説かも。
私はこのニコライという主人公をあまり好きになれませんでした。
少年期から巣鴨の刑務所に収監されるあたりまでは好きなのですが、
エロを無駄に精神とか上品さみたいなものに結びつけるのがなんだかゾクゾクして私には合わなかったです。
ル・カゴが唯一、好きになれる登場人物で、あとはなんだかお互いがバカにしあっているので、どうも好きになれませんでした。
この主人公はケーヴィングが趣味なのですが、下巻の冒頭でル・カゴとケーヴィングをするくだりを長々と書いてるなと思っていて、なんだか退屈だとすら思っていましたが、クライマックスが再び、この洞穴での戦いという流れにはページをめくる手が止まらなかったです。
こんな風な一人だけの冒険活劇ってなかなかないのではないでしょうか。
敵が究極です。自然だもの。
けど、その自然の背景には人間の敵がちらついている。
ここは、すごく面白く読みました。 -
トレヴァニアンらしい、ひたすら修飾過多の凝った文章が延々と続くのはいいとしても、1冊丸々かかって、殺し屋ニコの半生が描かれているだけ。
話の展開は帯のあらすじ通りなのに、そこまでいかない!
”シブミ”に表される日本的ワビ寂の世界観も日本人から見たら違和感があるし、戦後日本の生活も外国人から見たら興味があるのかもしれないが、我々から見たら今更かな。 -
(上下巻共通。)
日本を舞台にした第二次世界大戦秘話と洞窟探検と暗殺者の三題噺。
どのパートも楽しく読めました。
解説とかを見ると、間違った日本観を楽しむ本なのかと考えてしまいますが、日本文化についてもかなり正しく描かれています。
叙情的なところも好印象。 -
上巻をやっと読み終わり
良く調べているなぁって思う
でも、本筋がなかなか進まない -
完璧なる暗殺者、ニコライ・ヘル。…頼むから中途半端な映画作らんといてくれよー。彼の体得したシブミの極意、表現出来る役者と製作陣いてるなら許可。
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ミュンヘン・オリンピック村テロ事件の犯人を追い詰めるユダヤ人グループ、ミュンヘンファイブ。だがグループのメンバーは巨大組織マザーカンパニーに虐殺されてしまう。辛くも生き残ったハンナはバスクに隠遁する暗殺者、ニコライ・ヘルに助けを求める。題名はニコライ・ヘルが体得した日本独特のシブミから来ている。上巻は主に若きヘルが暗殺者になっていくまでの経緯を描く。冒険小説というよりも、一種の教養小説の趣がある。碁になぞられた人生観が語られていくが、著者はよほどの日本通であるのか、描写が自然。ストーリーも面白い。ただし、米国人が幹部にすわるマザーカンパニーがユダヤ人を虐殺することに、違和感があり、個人的には、つかみは良くなかった。したがい、★をひとつ下げた。
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上巻300ページ強にしてほとんど物語自体は進んでいない。。。
発端となった事件よりも、ニコライ・ヘルという人物の物語なのか。
下巻はどんな展開になるのだろう。
しかし、こういう風に描いてくれると日本の精神ってかっこいいなと思う。 -
本書(ハヤカワ文庫)の帯にはデカデカと「冒険小説の金字塔」というキャッチが踊る。
しかし、本書は単なる冒険小説の類いなどではない。
本書の主人公にして希代のアンチヒーロー、ニコライ・ヘルは、華やかなりし頃の上海に亡命ロシア貴族の子供として生まれた。
少年期に日本人の岸川将軍から“シブミ”の思想を学び、青年期に大竹七段から囲碁の手ほどきを受ける。碁を通じて精神性を高め、岸川将軍から学んだ”シブミ”の精神を求める。
そして生来の才能から”裸-殺”(ラサツ)を体得したヘルは、マザー・カンパニイのマスターコンピューター通称ファットボーイが最重要警戒人物と仕分けする世界屈指の暗殺者となっていた。
ヘルはハンナを護ろうと決意するが、CIAをも牛耳るマザー・カンパニイはその包囲網を狭めていく。そしてそれを指揮しているミスタ・ダイアモンドは、ヘルとは因縁浅からぬ相手だった...。
「シブミ」とは何か、
「シブミという言葉はごくありふれた外見の裏にひそむ極めて洗練されたものを示している。この上なく的確であるが故に目立つ必要がなく、激しく心に迫るが故に現実のものである必要がないことなのだ。シブミは知識というよりはむしろ理解をさす。」これは岸川将軍が、ヘルに説いてきかせたシブミだ。
日本人が尊ぶ侘びや寂びといった独特の美意識についての著者の見解は深く、驚くほどに正確だ。
よく外国人が誤解しているような妙でへんちりきんな幻想は微塵もない。
そして、歴史は勝者によって作られることを、負けた日本の目線にたって語ることのできる欧米人作家もいないかもしれない。
ここで私が語る何百倍も、この小説は素晴らしいと思う。
今は亡き、訳者の菊池光氏と著者、トレヴェニアンに感謝を。 -
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借りて読んだ本です。
なんだか前に読みかけたような記憶があったのですが読んでなかったようで。面白かったです。
シオニスト、過激派、なんてキーワードからいわゆるアラブが悪者の勧善懲悪アメリカCIA大活躍話かと思ったら全然違った。ニッコは古い時代に生きている男なんだなあということがよくわかりました。確かに彼は今の日本に住んだら幻滅しかしないでしょう。ブータンとか行けば良いのにな。
ただ個人的にはプロのくせに敵を自分の城に招いたりちょっと迂闊過ぎないかなあと思いました。あと守り方が中途半端な気がする。
辛抱強い凡人に天才が負けるってのはまさにそういう事なのかな?ツメが甘いですよね。
引退した後のこの話よりも現役でバリバリ活動していた頃の方が楽しそうですがあまりやり過ぎるとジェームスボンドみたいになってしまうかも。加減が難しそうなのでだからシブミなのかな?と思ったり。
続きも楽しみに読もうと思います。 -
図書館で何気なく借りた本だったが、これがなかなか面白い。スパイものはほとんど読まないTNTですが、作者は外人さんですが、日本文化の理解度は敬服ものです。
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出身地である新潟の「加治川の桜」が出てきて驚いた。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2012.5.20読了
絵画や音楽、そして文学というのは、どれだけ、その世界が構築出来たか、というのが、その判断規準ではないだろうか。
なかでも小説は、直裁に世界を構築できるので、その洗練度は低いかもしれないが、面白さ、その世界の巧妙さでは、一歩抜いているだろう。
他にも、小説には、それ独特の香りというような評価されるものがあるが、世界が作られていなければ、意味の無いものであろう。 -
『アイガー・サンクション』『夢果つる街』読了済。著者の情感溢れる筆致は大いに認めるものの、欧米作家の描く日本という設定に違和感を覚え、今日まで読まずにきた。話の本筋よりは、ゴルゴ13を思わす稀代の暗殺者の出生の秘密と戦時下の上海・日本での青春時代の描写が秀逸。アメリカ人とは思えない日本文化への理解と共感。もし日本学の泰斗ドナルド・キーン博士が謀略小説を書けばこの様なものになるかも。現代日本人には決して書けない廃れゆく日本の美への哀惜の念。日本人の目には心地良いが肝心の母国の読者が理解できたのかが気になる。
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シブミを得た暗殺者ニコライの活躍を描きます。少年期での菊川将軍との出会い別れ、シブミの会得する。テロ事件をきっかけに表舞台に存在を知られ、新たなテロ事件へと巻き込まれていき、手先ダイヤモンドとの対峙、首謀者の駆け引きなど、バランスが絶妙です。本作より前の話しとなるドン・ウィンズロウの「サトリ」を先に読んだので、登場人物との関係なども理解できましたが、本作を先に読んだ方がいいかもしれません。
トレヴェニアンの作品
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