ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV スマイリー三部作)

  • 早川書房
3.72
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150412531

作品紹介・あらすじ

イギリス情報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーの孤独な闘い。

感想・レビュー・書評

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  • 映画「裏切りのサーカス」を観てから読みました。
    ストーリーの大まかな流れは同じだけど、原作のこちらの方がかなり濃密で複雑。
    冷戦の知識がないので苦労しながら読み進めました。

    面白い!
    頭脳戦でスリリングで、緻密な描写は風景が見えるよう。
    自分も一緒に相手の眉の動きや目線の行方を見てるような気持になった。
    お陰で読むと疲れたけど(笑)
    冷戦下のスパイは本当にこんなことしてたの?
    情報をめぐる攻防戦がすごすぎる。
    そしてピースが集まったら怒涛の終盤への流れ、
    読む手が止まりません。

    レビューでは翻訳が分かりにくいとの評判でしたが、読み進めるうちに慣れました。
    ちょっと古臭く?感じる表現もあるけれど、逆に時代背景に合っていたように思う。
    話の流れも映画で予習済だったのでそこまで困らず。


    とっても面白かったけどボリュームが大きいのでなかなか再読出来ない。
    でもまた読みたい作品です。

  • 語るべきことを語れば、予想を裏切る必要も、皆まで言う必要もない ただその語るべきことを語るのに5万年かかりそれを受け取るのに5万キロカロリーを消費します

  • 村上春樹が翻訳について書いた本の中で、ル・カレのスクールボーイ閣下を評価していて、読もうと思ったけど、順番的にこちらかと思い手に取る。

    アマゾンのレビューでは、評価がそんなに高くなく挫折した人も多いような気がします。併せて翻訳が悪い、読みにくいとの評価も。

    確かに最初はページが進まないのですが。イギリスの天気にあわせた、厚いカーテン、カーペットなどの室内を思わせる、重厚な表現になっているので落ち着いて読み進めると、そのうち面白くなります。

  • 映画を観て読んでみたくなったんだけど、こちらもおもしろかった。映画とこの小説は幸福な補完関係のよう。映画で省かれている人間関係が小説ではよくわかるし、小説を読むときにも映画を観てるとイメージがつかみやすい。空白もなく時間が前後するので最初は難儀したけれど、緻密な描写による緊迫感はたまらない。

  • 映画を観て面白かったので補完のために読みました。

    中盤からは盛り上がってきて一気に読み上げましたが前半キツかった(すこし読んでは数日あけ、またすこし読んでの繰り返し)
    今のシーンに集中したいのに別のシーンが割り込んできて中断、とかは私の好みの書き方でないことは確かです。
    話の筋はとても好きですが、文章が。。。なのは翻訳が悪いのか元の文章がそうなのかは原語で読めないのでわかりませんが・・・

    もう1度映画を観てさらに細かいところを楽しみたくはなりました。

  • 大傑作。

    一年に一度は再読していますが、読むたびに新しい発見があります。

    初読のときは「なんだかわからないけどすごいんじゃないか!?」という感覚を味わうのもいいのではと思います。

  • 英国情報部<サーカス>の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は? スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。著者の序文を付した新訳版。
    原題:Tinker,tailor,soldier,spy
    (1974年)
    --- 目次 ---
    序文
    ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ
    訳者あとがき
    解説/池上冬樹

  • この本は日本の本で例えるならば、三島由紀夫のスパイ傑作本と言う感じです。言うならばこの本はその英国版と言う感じです。著者のジョン・ル・カレの本は非常に巧みな文学的な表現で情景描写、心理描写がこれでもかと言うほどの精巧で緻密に細やかに語られています。諜報作戦、諜報部隊、ナショナリズムや国に対する忠誠心など出演している人物のストーリーが芸術的に語られ、その内容が細やかな文体や描写として描かれており、文章力と言う意味でも、その芸術的な巧みな文章をたっぷりと精密に味わうことができる本であり、その語りの粘り強い周到さに驚嘆する本と言えるでしよう。なおかつ諜報活動におけるナショナリズムや国に対する忠誠心や裏切りなど、現代ではスパイ小説と言うのはなかなか読めるものでは無いですが今でも人間関係の心理描写や緻密な心の変化などの部分で非常に面白い本であると言えるでしょう。ただ少し読むのに手応えがある難しい本ですが一読はしておくべきです!

  • 3.71/808
    シリーズ三部作(「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」→「スクールボーイ閣下」→「スマイリーと仲間たち」)
    内容(「BOOK」データベースより)
    『英国情報部“サーカス”の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は?スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。著者の序文を付した新訳版。』


    原書名:『Tinker, Tailor, Soldier, Spy』 (George Smiley #5)
    著者:ジョン ル・カレ (John le Carré)
    訳者:村上 博基
    出版社 ‏: ‎早川書房
    文庫 ‏: ‎549ページ

    メモ:
    死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」

  • 名作の誉れ高く、伊藤政則氏のベストにも入っていたので読んでみた。

    文章が難解という訳ではないと思うのだが、場面のイメージが湧かないのと、登場人物のファーストネームとファミリーネームがごちゃごちゃになってしまい、ほとんど字面を追うだけの状態が続いた。

    終盤になって少し面白くなったものの消化不良だったので、Amazonプライムで本作の映画を観て、やっとイメージが湧いた。

    そのうち再読してみると印象は違うのだろうか。

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