ラスト・グッドマン (下) (ハヤカワ文庫 NV)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150412609

作品紹介・あらすじ

「いつの時代にも地上には36人の義人がいて、人間を見守っている。彼らがいなければ人間は滅びる」ユダヤ教に伝わるこの36人の義人の伝説が事件と関係のあることを、ニールスとハナは知った。ハナはこの伝説をヒントにして大胆な仮説を立て、次の事件がヴェネチアかコペンハーゲンで起きると予測する。果たして、新たな惨事は防げるのか?そして事件の真相とは?壮大なスケールで描き上げる衝撃のサスペンス巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は、いきなりの怒濤の展開。ハラハラ、ドキドキ、ヴェネチアとコペンハーゲンでの同時捜査…一体、どうなるんだぁ。そして、徐々に明らかになる事件の核心。いや、まだまだ解らぬ事件の核心。本当にどうなるんだとコーフン気味に。と、ここまでが下巻の中盤。

    そして、終盤に入っても、ますます謎が深まる。おおっ、一体、何なんだぁ。これは、ミステリーなのかぁ。

    そして加速度を増して、一挙に結末。少なくとも納得する結末ではないな(´・_・`)

    ダン・ブラウンのようなウイリアム・ヒョーツバーグのような…

    上巻は面白かったのに…残念ヽ(´o`;

  • ショボ

  • デンマークの作家「A・J・カジンスキー」の長篇ミステリ作品『ラスト・グッドマン(原題:DEN SIDSTE GODE MAND)』を読みました。

    「エルスベツ・イーホルム」の『過去を殺した女』に続き、デンマーク作品… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    〈上〉
    世界各地で人道的な行為をした人物が不可解な死を遂げていた。
    その背中にみなタトゥーのような模様があることを知ったヴェネチア署の刑事「トンマーゾ」は、インターポールを通じて各地の警察に警告する。
    コペンハーゲン警察は、即座に反応した。優秀な交渉人として活躍する「ニールス」は、指示を受け、人道的な行動で知られる人物をリストアップし注意を呼びかける。
    そして女性天体物理学者の「ハナ」と運命的な出会いをするが…。

    〈下〉
    「いつの時代にも地上には36人の義人がいて、人間を見守っている。彼らがいなければ人間は滅びる」
    ユダヤ教に伝わるこの36人の義人の伝説が事件と関係のあることを「ニールス」と「ハナ」は知った。
    「ハナ」はこの伝説をヒントにして大胆な仮説を立て、次の事件がヴェネチアかコペンハーゲンで起きると予測する。
    果たして、新たな惨事は防げるのか?
    そして事件の真相とは?
    壮大なスケールで描き上げる衝撃のサスペンス巨篇。
    -----------------------

    「A・J・カジンスキー」の作品は初めて読んだのですが… 実は、デンマークの作家「ヤコプ・ヴァインライヒ」と「アナス・ロノウ・クラーロン」による共作で使用されている筆名らしいです、、、

    ユダヤ教の伝承等に基づく超常現象も事件解決のカギとなっており、純粋なミステリというよりは、ファンタジーやSFの要素も織り交ぜられた作品でしたね。

     ■読者のみなさまへ
     ■Ⅰ 死者の書
     ■Ⅱ 義人の書
     ■Ⅲ アブラハムの書
     ■訳者あとがき 岩澤雅利

    コペンハーゲン警察殺人事件捜査班に所属する「ニールス・ベンソン」は、コペンハーゲン警察副本部長の「W・H・ソマステズ」から一風変わった任務を言い渡される… 人道的な行動で知られる人々が世界各国で不可解な死を遂げ、どの遺体にも、背中にタトゥーのような模様が見られるという、、、

    「ニールス」の任務は犯人に狙われそうな人物を探し出して注意を促すというものだったが、任務中に天体物理学者「ハナ・ロン」という女性と知り合ったことがきかっけとなり、事件に本気で取り組みはじめ、これから起こる殺人を阻止しようと行動を起こす。

    一方、イタリアのヴェネチアでは、事件の深刻さに最初に認識し、インターポールを通じて世界各国に情報を提供したヴェネチア署の刑事「トンマーゾ・ディ・バルバラ」にも危機が迫っていた… やがて、「ハナ」の推理により、いくつもの事件を結びつける手掛かりが明らかになる、、、

    それは、ユダヤ教の聖典『タルムード』による36人の義人の伝説で、「いつの時代にも地上には36人の義人がいて、人間を見守っている。彼らがいなければ人間は滅びる」というものであった… 36人のうち34人は既に殺されており、これまでの法則に従えば、残る2人が殺される場所はヴェネチアとコペンハーゲンで、順番はわからないが今週の金曜日の日没と来週の金曜日の日没に義人が殺されるという。

    そして、金曜日にヴェネチアで「トンマーゾ」が殺され、翌週の金曜日に殺されるのは「ニールス」だと思われた… 「ニールス」は法則を破るために「ハナ」とともにコペンハーゲンを脱出するが、二人は交通事故に遭いコペンハーゲン国立病院に搬送されてしまう。

    金曜日が迫るが、二人は入院中で病院を脱出することができない… 「ニールス」の背中にはタトゥーのようなものが表れ始め、、、

    警察が警備する中、暴走する深緑色の小型トラックが国立病院に向かっていた… 「ニールス」と「ハナ」の運命は!?


    終盤はエンターテイメント性が高い展開が愉しめるものの… それまでのエピソード等がうまく回収できていない感じがしたし、主人公の「ニールス」と「ハナ」が、かなり変わり者の設定だったことや、神がかった真相等々から、感情移入できず、全体的には今ひとつでしたねぇ、、、

    ユダヤ教の36人の義人伝説を利用したのはアイデアとしては面白いと思いますが、消化しきれてなくてアイデア倒れな感じ… デンマークのベストセラー第1位との触れ込みでしたが、同じデンマークの人気シリーズで未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察「特捜部Q」シリーズに比べると、足元にも及ばない感じでしたね。



    以下、主な登場人物です。

    「ニールス・ベンソン」
     コペンハーゲン警察の交渉人

    「ハナ・ロン」
     天体物理学者

    「W・H・ソマステズ」
     コペンハーゲン警察副本部長

    「レーオン」
     コペンハーゲン警察刑事

    「カスパ」
     コペンハーゲン警察資料室員

    「カトリーネ」
     ニールスの妻。建築事務所に勤務

    「マルク」
     カトリーネの同僚

    「ピーダ・ヤンソン」
     元兵士

    「トンマーゾ・ディ・バルバラ」
     ヴェネチア署の刑事
     
    「モランテ」
     ヴェネチア署の署長

    「フラヴィオ」
     ヴェネチア署の刑事

    「マグダレーナ」
     修道女

    「バルバラ夫人」
     トンマーゾの母親

    「トーヴァルスン」
     赤十字の事務局長

    「ゴスタウ・ロン」
     ハナの夫。数学者

    「クレスチャン・アモンスン」
     アムネスティ・インターナショナルのメンバー

    「スィヴェリーン・ローセンベア」
     牧師

    「マルティン・ヴァイツマン」
     ユダヤ教の長老

    「アヴドゥル・ハジ」
     復讐計画を進める男

    「カレッド・ハジ」
     アヴドゥルの兄

    「ラージ・バイローリヤー」
     エコノミスト。死亡

    「ジュゼッペ・ロカテッリ」
     ボンベイ在住イタリア大使館員

    「ウラジーミル・ジルコフ」
     ジャーナリスト。死亡

    「ルードヴィヒ・ゴールドベルク」
     兵士。死亡

    「ヨリス・マタイセン」
     弁護士。死亡

    「セームエル・ヴィーズ」
     マラリアの研究者

    「ヤアアン・ヴァス」
     皮膚科医

    「トーア・イェンスン」
     国立病院会計課データ処理責任者

    「イダ・ハンスン」
     国立病院助産師

    「マリーア・デレラン」
     国立病院看護師

    「グリュ・リーバク」
     国立病院外科所属

    「ポウル・スプレゲルスン」
     国立病院心臓外科医

    「ランディ」
     国立病院看護師

    「トーキル・ヴォーニング」
     国立病院元患者

    「P・W・リヴィーン」
     国立病院元精神科医長

    「イヴ・ドゥヴォール」
     COP15の出席者

    「アウネス・デーヴィズスン」
     臨死体験研究グループのメンバー

  • 2009年、コペンハーゲンとヴェネチアを舞台に二人の警察官が世界各国で起こった死亡事件の謎を解く話。コペンハーゲンの警察官とヴェネチアの警察官の様子が交互に語られる形。34人の死亡事件には背中のあざの共通点があり、場所の規則性を突き止め、以降の犠牲者を救おうとする。コペンハーゲン警察官と物理学者が出会ったところから展開がよくなり、一気に結末まで進む。解明していく過程は面白く読めたが、義人にあざが発生する謎はわからないままでもやもやが残る。

  • 36人の「善人」のうち、まだ亡くなっていないのは2人。
    その2人は誰なのか?死が想定される時間が迫ってくる。
    「善人」の謎解きの意外性と死から逃れるための方法の意外性
    切迫感がいい。

    「善人」の謎解きにすこし納得できないところが残る。

  • すっとこどっこいな作品である。北欧にもこんなノーテンキな作家がいるんだなと、ある意味新鮮ではあったが。

    作品のネタは、“世界には36人の義人がいて、全て失うと世界が滅びる”というユダヤ教の伝承。それと冒頭の怪死がどう絡んでくるのかが当初の興味ではあった。で、実際読んでみると、しょぼいダン・ブラウンみたいな話だった。章割りが速すぎて作品に入っていけないし、内容も全然響かない。

    途中でターゲットは予想できる。伏線のようなエピソードや人物やらでとっ散らかるってはいるが、何の回収もしてない。むしろそんな気ゼロ。いい意味で前しか見てない展開である。綿密なプロットなどクソ喰らえと言わんばかりに、ひたすらエンタメ路線で突っ走る。いやあ、ここまで論理的解決を無視するとは──変わった作家に付き合った無駄な時間でした。

  • 着眼点が面白い。各地域の描写が秀逸。
    自分にもっと知識があれば数倍楽しめると思う。

    • ことぶきジローさん
      上巻は意外な展開にドキドキしました。下巻も怒涛の展開で、これはすごいと思ったのですが、最後は失速した感が。アイディアは良いですね。
      上巻は意外な展開にドキドキしました。下巻も怒涛の展開で、これはすごいと思ったのですが、最後は失速した感が。アイディアは良いですね。
      2012/07/06
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