レッド・スパロー (下) (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房 (2013年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150412913

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの作家で元CIA局員という異色の経歴を持つ「ジェイソン・マシューズ」のスパイ小説『レッド・スパロー(原題:Red Sparrow)』を読みました。

    「ジョン・ル・カレ」、「マイケル・バー=ゾウハー」、「ミック・ヘロン」の作品に続きスパイ小説です。

    -----story-------------
    〈上〉
    元CIA局員が放つ大型スパイ小説 20世紀フォックス映画化決定!

    たぐい稀な美女「ドミニカ」はバレリーナを志すが、足を骨折して夢を絶たれた。
    父が急死すると、彼女はSVR(ロシア対外情報庁)の高官である伯父「ワーニャ」によって、その美貌を利用した企みに加担させられる。
    その後「ドミニカ」はSVRに入り、標的を誘惑するハニートラップ要員となった。
    やがて彼女は、命を受けCIA局員の「ネイト」に接近する――ロシア国内に潜み、彼に機密情報を流し続けるCIAのスパイを探り出すために!

    〈下〉
    「ドミニカ」は「ネイト」を誘惑する。
    が、CIA側は彼女がSVRの諜報員であることを突き止め、「ネイト」は彼女を寝返らせるよう指示される。
    だが二人の関係は思わぬ方向へ。
    やがて「ワーニャ」はCIAに内通するスパイを暴く策略を講じるが、CIAも米国内に潜伏するロシアのスパイをあぶり出す作戦を展開する。
    そして、「ドミニカ」と「ネイト」には苛酷な試練が襲いかかってきた。
    元CIA局員の著者が予断を許さぬ展開で描く大型スパイ小説。
    -----------------------

    30年以上にわたり中央情報局諜報員(CIA)として世界各国で活動してきた「ジェイソン・マシューズ」が、2013年(平成25年)に発表したデビュー作、、、

    元諜報員としての経験が惜しげもなく織り込まれており、リアリティのある作品に仕上がっています… 2018年(平成30年)には映画化されているようです。


    モスクワで、文学教授の父と元ヴァイオリニストの母のあいだに生まれた「ドミニカ・エゴロワ」は並外れた知性と美貌に恵まれ、バレリーナを志したが、デビュー目前で足を骨折して夢を絶たれ、父の急死が失意に追い打ちをかける… そんな彼女の伯父「イワン(ワーニャ)・エゴロフ」は諜報機関・SVR(ロシア対外情報庁)の幹部であり、彼女の美貌を利用しようと企んだ、、、

    「ドミニカ」は、"スパロー・スクール"すなわち標的を誘惑するハニートラップ要員の訓練学校に送りこまれ、諜報員として、フィンランドの首都ヘルシンキに赴く… 標的は若くひたむきなCIA局員「ナサニエル(ネイト)・ナッシュ」。

    「ネイト」を誘惑し、彼に情報提供しているCIAのスパイ、暗号名「<マーブル>」の正体を暴き出すことが、彼女に課せられた使命だった… しかし、「ドミニカ」は、「ネイト」がCIAの上司から、彼女を寝返らせるよう指示を受けていることを知らなかった、、、

    ロシアやアメリカはもとより、北欧や南欧を舞台にして米ソの諜報機関が繰り広げる暗闘、裏切りと策謀の応酬、行き詰まる神経戦が愉しめるスパイ小説でした… スパイの運命とはいえ、ラストシーンには胸に迫るものを感じましたね。

    敵の監視を見破る方法や、尾行を振り切る戦術、盗み取った機密情報の受け渡し、ケース・オフィサー(工作担当者)とエージェント(外国のスパイ)の密会シーン等は、元諜報員の作者の経験に裏打ちされた、説得力ある迫真の描写でしたが… ちょっと、この描写に拘り過ぎている感じもしましたね、、、

    リアリティは増していますが、この描写にかなりの文字数が割かれていて、やや食傷気味に思いました… あと各章に必ず登場する、世界各国の美食と、各章の章末を飾る料理のレシピ、これも拘りなんでしょうが、必要だったのかな。

    まずまずの面白さでしたが… もう少し、内容をシンプルにして全体をコンパクトにした方が読みやすかったなと感じました。



    以下、主な登場人物です。

    「ドミニカ・エゴロワ」
     SVR(ロシア対外情報庁)諜報員

    「ナサニエル(ネイト)・ナッシュ」
     CIA局員

    「イワン(ワーニャ)・エゴロフ」
     SVR(ロシア対外情報庁)第一副長官

    「ウラジーミル・コルチノイ」
     SVR(ロシア対外情報庁)第一部部長

    「セミョーノフ」
     SVR(ロシア対外情報庁)第五部部長

    「アレクセイ・ジュガーノフ」
     SVR(ロシア対外情報庁)対外防諜局特別任務第二部部長

    「ユーリ・ナサレンコ」
     SVR(ロシア対外情報庁)科学技術局局長

    「ボリス・アルシェフスキー」
     SVR(ロシア対外情報庁)作戦計画・分析局局長

    「セルゲイ・マトーリン」
     SVR(ロシア対外情報庁)特殊工作局の殺し屋

    「マクシム・ヴォロントフ」
     SVR(ロシア対外情報庁)ヘルシンキ支局長

    「マルタ・エレノワ」
     SVR(ロシア対外情報庁)ヘルシンキ支局上級管理補佐官

    「アナローリ・ゴロフ」
     SVR(ロシア対外情報庁)ワシントン支局長

    「ドミトリー」
     エゴロワの副官

    「<スワン>」
     アメリカ国内に潜むSVR(ロシア対外情報庁)のスパイ

    「ジョン・ポール・ブラード」
     SVR(ロシア対外情報庁)への情報提供者

    「サイモン・ベンフォード」
     CIA防諜部部長

    「アリス」
     CIA防諜部部員

    「ゴードン・ゴンドーフ」
     CIA防諜部モスクワ支局長

    「トム・フォーサイス」
     CIA防諜部ヘルシンキ支局長

    「マーティ・ゲーブル」
     CIA防諜部ヘルシンキ副支局長

    「<マーブル>」
     SVR(ロシア対外情報庁)内に潜むCIAのスパイ

    「<アーチー>(マルクス・ライコネン)」
     CIAヘルシンキ支局の監視員

    「<ヴェロニカ>(ヤーナ・ライコネン)」
     CIAヘルシンキ支局の監視員

    「ドミトリー・ウスチノフ」
     ロシア・マフィア。オリガルヒ(新興財閥)

    「アーニャ」
     スパロー・スクールでのドミニカの同期生

    「シモン・ドゥロン」
     在モスクワ・フランス大使館員

    「ソクラテス・バウチャー」
     <オリオンズ>のリーダー

    「ステェファニー・バウチャー」
     アメリカの上院議員

    「チャールズ(チャズ)・モンゴメリー」
     FBI国家保安部部長

  • おもしろかった。
    ひどい世界だ。
    人間は最低だ。

  • 映画を先に見てからの原作。
    どちらも それぞれの良さがありますが 
    原作のラストより 映画のラストの方が好きです。
     

  • 影響を受けて尾行がいないか探しているが、見当たらない❗️老練な人が尾行しているのだろう‼️

  • ドミニカはネイトを誘惑する。が、CIA側は彼女がSVRの諜報員であることを突き止め、ネイトは彼女を寝返らせるよう指示される。だが、二人の関係は思わぬ方向へ。やがてワーニャはCIAに内通するスパイを暴く策略を講じるが、CIAも米国内に潜伏するロシアのスパイをあぶり出す作戦を展開する。そして、ドミニカとネイトには苛酷な試練が襲いかかってきた。元CIA局員の著者が予断を許さぬ展開で描く大型スパイ小説。

    エンディングまで、どこか懐かしさも感じさせるスパイ小説であった。

  • 元CIA局員による2013年発表のスパイ小説。〝モグラ狩り〟を主軸にアメリカとロシアで展開する現代の諜報戦を描く。旧ソ連圏の東欧や中東諸国などで情報収集とリクルートに関わったという著者の経験が生かされ、冷戦以後の潜入スパイの様子を知ることが出来る。特に海外支局で活動するケース・オフィサー(現地工作担当官)とエージェント(勧誘されたスパイ)との情報受け渡しは、いまだに密会の場をわざわざ設けていることなどの描写に驚くが、現場の世界とは意外に旧態依然としているのかもしれない。

    デビュー作ということもあり、あれもこれもと詰め込み過ぎて中弛みしている。二重スパイのあぶり出しにCIA現地工作員の男と新たなエージェントとなる女の恋愛を絡めて娯楽性を高めているが、登場人物はやや類型的。経歴上致し方ないのだが、アメリカを善、ロシアを悪とする対立の構図は古臭く、さらに俗物的なSVRの主要人物の造型にはマシューズの〝積年の恨み〟のようなものが垣間見えて、逆に微笑ましい。各章の終わりに登場する料理のレシピを載せているのだが、テンポを鈍らせるだけで邪魔である。

    スパイ小説は、もっとクールに。

  • さすが元CIAの人が書いただけあってリアリティのあるスパイ小説。東西冷戦時代のスタンスを復活してスパイ小説をかけるってことは、現実にロシアの力がしっかり戻ってきてるってことなんだろうなぁ。北方領土還ってきそうないなぁ…。

    スパイ同士の手に汗握る防諜描写は読み応えバッチりなんだけど、いらんもんも多い。女主人公の特殊能力は生かし切れてないし、男主人公の出自もだからどーやねんという感じ。そもそもW主人公にする必要があったのかな。エリツィン大統領も本人が登場してるけど、これも活かしきれてないように思えるし。

    もう少し絞り込めば、もっと読みやすくケレン味も出てくると思えて少々残念。

    章末に出てくる料理のレシピも、イランもんのようで、これはちょっとオモロかった

  • よくも悪くもアメリカ人の視点やね。

  • 筋書きと関係が在るような、無いようなことだが…劇中人物達が食べるモノに関して、出て来た章の末尾に簡単なレシピ紹介が出ていたりする。一部の簡単そうなモノは「試してみようか?」という気になってしまう…作者の趣味が料理をすることや食べ歩きなのか?

    作者と言えば…永くCIAに勤務した経験を有しているそうだ…「本職の見聞」のエッセンスが入っている作品かもしれない…

    夢中で読了した後…「その後のドミニカ?その後のネイト?」というのが気になった…続篇は出るだろうか?

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