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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784150412968
作品紹介・あらすじ
セーヌ河畔で古書店を営む男が目の前で拉致され、米国大使館の警備主任ヒューゴーは調査を始める。だが、前途には何重もの謎が!
感想・レビュー・書評
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パリ、セーヌ河岸の露天古書店で古書を買ったアメリカ大使館外交保安部長のヒューゴは、古書店主が誰かに連れ去られるのを目撃する。警察に訴えてもなぜか全く動いてくれない。彼は独自に調査を始めるが、別の古書店主たちにも次々と異変が起きていく。さらに彼の買った古書には秘密があった。古書店を巡る謎にヒューゴが迫る。
「古書店主」というタイトルとあらすじに興味を惹かれて読んでみた。ぐいぐい読ませる展開で退屈はしないのだが、話の主軸が古書店主の失踪をめぐる謎、ヒューゴが購入した古書を巡る謎、ヒューゴの前に現れる美女クラウディアを巡る謎、とばらばらに展開し、うまく交わり合って収束するかと思いきや、そこまで交わり切れていないところがやや消化不良という感じだった。女性が能動的に活躍するクリスティの愛読者としては、ハードボイルドな男性主人公の付け足しのような役割でしかないクラウディアにも物足りなさを感じる。
ただ、パリのセーヌ川沿いの露店古書店や古書の売買の様子など、ミステリとは関係ないところの描写は、最近読んだ「赤いモレスキンの女」(フランスの書店主の恋)や、「グレート・ギャツビーを追え」(フィッツジェラルドの直筆原稿を巡る攻防)との共通背景もあり、興味深かった。
続編もあるようなので、あと一作読んでから評価しようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パリ、セーヌ川岸の古書店(ブッキストというらしい)で買った本から端を発し、実はその本が思いがけず高価値だったり、ナチハンターの件、ドラックディーラーの縄張り抗争などなど盛り沢山。バリの街案内も。
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緊迫感ある展開だった。
犯人をギャフンと言わせるところを見たかった。 -
昔ながらのヒーロー。
正義漢でルールを守り、人情に厚いテキサスの男。
海外に行けない今、パリの風景とか雰囲気を楽しめたのが何より楽しかった。
出会った女性が美人で貴族の娘で、その父が事件の鍵を…とか、
元CIAの親友がいきなりパリに来て解決を手伝ってくれるとか、その辺りのご都合はこの際どうでもよくて、テンポよく楽しく読める。
この頃、書籍絡みの本によく出会うけど、これもその1冊 -
将来的に古書店主になりたいのですが、この本を読んで少し怖くなりました。しかし、古書店主は魅力的な仕事だと思います。
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パリのセーヌ川沿いに並ぶ、露天の古書店を商う人々はブキニストと呼ばれる。アメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴーは、馴染みのブキニストであるマックスから2冊の古書を買ったが、ヒューゴーの目の前でマックスは何者かに拉致されてしまう。警察の捜査も熱意を欠く中、自ら調査を始めたヒューゴーは、マックスが収容所の生き残りで、ナチ・ハンターだった過去を知る。マックスを拉致した者たちの目的は何か。
ブキニストの歴史は興味深かった。そしてナチス時代が落とした影の深さを改めて感じる作品だった。 -
パリ、セーヌ河岸の露天の古書店から始まる物語。旅情をそそり、あわよくばレア本との出会いがあるかもって期待を込めたつかみは良し。
だったんだけど、事件が発生してからは、のはっきり言っちゃえば、ご都合主義で場当たり的が否めない。
主人公はテキサス出身の元FBI職員で今はアメリカ大使館の外交保安部長。頭は切れるわ、モテるわ、アクションはいけるわ。スーパーマンかい!
古書もあんまし重要なファクターでもないし。
ミステリ色よりもアクション、サスペンス性が強い。
でも、全体を通じて、パリ市内の描写はなかなかいい感じ。なので脳内映像がしやすいのでハリウッド映画を見たような印象。 -
書名から勝手に想像した展開とは大きく違い、大味な、良くない意味でアメリカ的な、活劇だった。
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タイトルにつられて買って読んだのだが、失敗しました。本は単なる小道具に過ぎなくて、別に本じゃなくてもストーリーは十分成立する。相棒トムの汚い言葉遣いは、きっと、話にポップさを盛り込んで、読者を楽しませる効果を狙ったものなのだろうけど、訳が直接的過ぎてちっとも伝わらなかった。びっくりするのは、こんなつまらないのに、シリーズ化されて第二弾まで翻訳出版されたこと。続編は成功したのかしらん。(2015年4月1日読了)
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セーヌ川のほとりで古書店を営むマックスが拉致された。
その客である在仏米国大使館の外交保安部長ヒューゴーが現場を目撃したところから、謎解きが始まる。
そこにマックスの旧友で元CIA職員のトムや、美人記者クラウディアが協力し、犯罪組織を追い詰める。
クラウディアの父で、謎めいたルシヨン伯爵やらなにやらが関わり、話が複雑になっていく。
イギリスからアメリカに移住したという著者が気になって本書を買ってみた。
ただ、正直言って、あまり物語に入り込めない感じだった。
古書が出てくるだけに、いくぶん文化的な香りはするけれど、なにか日曜の昼下がりにテレビでやっている、あまり売れなかったアメリカ映画を見ているようで...。 -
パリを舞台にした惜しい感じのミステリ。面白くなかったわけじゃないしセリフも小気味よかったけれど主人公の設定が出来すぎていたり、上司が物分かり良すぎたり、ジョーカー役の親友がなぜパリに現れ手助けしてくれたのか最後まで読んでも良くわからなかったり、ヒーローとヒロインの出会い方も雑というか説得力がなかったり、全体的に惜しい!っというように感じられました。二時間しかない映画ならともかく、小説なのでもう少し読み込ませて欲しかった。とはいえ、これが初めての小説らしいので、デビュー作らしからぬ巧さがあり、逆にそれが物足りなさを呼んだのかもしれません。
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稀覯本、ナチハンター、ドラッグ問題も深くは掘り下げずに、意外とさらっと話が進んでいくなという印象。ですが読みやすくてちょうどよいのかもしれません。個人的にはブキニストの魅力があまりわからず、もうちょっとその辺りの描写があればなと思った。ヒューゴーの有能な秘書エマ、次作も出てくるといいな。ペリー・メイスンの秘書デラ・ストリートみたいに機知に富んだ秘書にはなんだかあこがれてしまいます。
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デビュー作にしてはよくできているが、要所要所で偶然に頼りすぎ
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タイトルに惹かれて手に取ったが、原題はThe Bookseller。なぜか少し期待度が薄まったけれど、パリのセーヌ河畔で本を売ってる人のこと。有名な希書が出てくるミステリというのにも惹かれたが、その意味では物足りない。そして「赤い鰊」が盛りだくさん。しかしこのようなときにパリが舞台の本を読むとはなんというめぐりあわせ。移民もたくさん登場。
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特に評価とかではなく本屋で見て本が題材という事で購入。ちょっと予想と違って結構ワイルドな感じだったがそれなりにサスペンスと格闘もあって楽しかった。勧善懲悪なのと相棒のトムとの掛け合いが安心して読める。処女作と聞くと偏見を持ってしまうがなかなかいい作家ではないかな。
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時間がかかった(笑)。気楽に読める本だから、余計、やっと読み終わった感が強い。
ナチハンター、対独協力者、という言葉に興味があって読み始めたのだけど、ま、それは、道具立てにすぎなかった。 -
2015/7/6
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淡々と進む感じの作品
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蘊蓄を期待していたが、その点では期待はずれ。
思いの外、硬派な主人公。
プロットは素敵だが、『古書』にまつわる話というより、『過去の歴史』にまつわる話の小物として、古書が使われている感じかな。
ベルンハルト・シュリンクの『ゼルプ~』シリーズに似てる…のは設定の問題か?(笑)
ちなみに古典作品蘊蓄のエンタメなら『サーズデイ・ネクスト』シリーズが一番!(^-^)!
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