- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150413118
感想・レビュー・書評
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全3巻の1巻目。
アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは……引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは〈サラセン〉と呼ばれるたった一人のテロリストだった。彼が単独で立案したテロ計画が動きはじめた時、アメリカは名前のない男にすべてを託す! 巨大スケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕! というのがあらすじ。
語りの上手さで読ませます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニューヨーク場末の安宿の殺人事件。
よくある性犯罪絡みの殺人かと思われたが……。
本年度最高と噂のミステリ、開幕! -
具体的事実の情報の積み重ねが分厚い文章のかたちになっている。連想ゲーム状に話がコロコロ変わる。テンポがいい。海外のエンタメはたまに回りくどいけど、もしかしたら母語では回りくどくないのかもしれないけど、日本語の翻訳ではたぶん回りくどさが異国情緒のようなものを醸し出すせいで、かえってブランドになっている。しかし、日本のものよりよっぽどおもしろい、というか、分厚さはある。その分厚さの正体は…皮肉めいたセリフとかでもありそうでもある。せりふはいいが、文体はパターンがあまりない。
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Pilgrim = 巡礼者。
元諜報員と敬虔なイスラム教徒の宿命といってもいいようなこれからの展開が気になってしょうがない。
謎がちりばめられたスピード感たっぷりの壮大なプロローグといった感じで、読むのがやめられなくなります。 -
全3巻の1巻目を読んだだけで感想を書きたくはなかったが、書かずにはいられない。
「これだけは保証しておこう。本書の出来は、あなたの予想を超えている」。というミステリマガジンの絶賛レビューに期待して読み始め、少し疑いを持ち始めたところで、片足を引きずったニューヨーク市警の黒人警部補ベン・ブラッドリーが主人公の「わたし」を探し当ててパリを訪れる。ブラッドリーは「わたし」に米同時テロのある悲痛なエピソードを話してこう言う。
「彼らの命を奪ったのは降り注ぐ瓦礫や火災ではない。彼らは他人の命を救おうなどと考えたから死んだ。そのことにわたしは怒っているんだ。いったい、この話のどこに正義がある?」
彼は気持ちを落ち着かせようと、ひと呼吸置いて言った。「わたしはこんな世界で暮らしたいとは思っていなかった」
ブラッドリーは罪のない人々がテロによって不当に殺される世界に異議をとなえ、それを何とかしたいと思って「わたし」を探し当てたのだ。だからこれは正義や理想を「青臭い」と片付けてしまう人には無縁の小説である。そうじゃない人、冒険小説を好きな人は読み逃してはいけないだろう。
全体的なプロットはトマス・ハリスの傑作「ブラック・サンデー」を想起させる。テロリストが用意した兵器の威力を試すために日本人を殺す場面も共通する。違うのは登場人物たちが9.11の大きな影響を受けていることだ。「9.11を経た『ブラック・サンデー』、しかもそれを大きく超えている」というのが1巻を読み終わってのとりあえず感想になる。 -
アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは……引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは〈サラセン〉と呼ばれるたった一人のテロリストだった。彼が単独で立案したテロ計画が動きはじめた時、アメリカは名前のない男にすべてを託す! 巨大スケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕!
原題:I am Pilgrim
(2012年)
--- 目次 ---
第一部
第二部 -
次次!
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記録
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4.08/412
内容(「BOOK」データベースより)
『アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは…引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは“サラセン”と呼ばれるたった一人のテロリストだった。彼が単独で立案したテロ計画が動きはじめた時、アメリカは名前のない男にすべてを託す!巨大スケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕。』
原書名:『I Am Pilgrim』
著者:テリー・ヘイズ (Terry Hayes)
訳者:山中 朝晶
出版社 : 早川書房
文庫 : 403ページ(第一巻) 全三巻