トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫 NV ウ 23-1)

  • 早川書房
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150413552

作品紹介・あらすじ

仕事も将来の望みない無意味な毎日の中で繰り広げられる、ジャンキーたちのサバイバル

感想・レビュー・書評

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  • お話が切り替わるたびに毎回声出して笑いました!原作は喜劇、映画はクールな印象。両者当てはまるのは、汚くてイカれてて愛おしい。立派な青春小説です!!!!

  • 不況にあえぐエディンバラで、ドラッグとアルコールと暴力とセックスに明け暮れる若者たち。ヘロイン中毒のレントン、ケンカ好きのベクビー、気弱なスパッド、女たらしのシック・ボーイ。仕事も希望も何もない。絶望的な状況のなかで、レントンは仲間たちと一緒に売人から大量の麻薬を手に入れ、一攫千金を狙うのだが…。友情や裏切り、人生の選択という普遍的なテーマを描いた90年代を代表するイギリス青春小説の傑作。
    原題:TRAINSPOTTING
    (1993年)

  • 先に映画版を見ていたのでこのシーン映画であったなと思い出しながら読みました。
    主人公レントンとその仲間たちとのヘロイン、アルコール、ケンカ、セックスといった日常が描かれていますが、実はイギリスのとくにスコットランドとイングランドの地元意識からくる張り合いが見どころだと思います。とくにサッカーの試合での白熱ぶりは圧巻です、テレビだったらほとんど放送禁止用語でピー音が多すぎて何一つ会話が伝わらないであろうレベルです。
    時代が時代なのでそういうもんなのですが、レントンの友人であるべグビーによる男尊女卑的な発言がすさまじいです。
    そんな中でレントンや仲間たちはみなそれぞれの道を進んで自分の未来へ向かってると感じ始めていて、べグビー、スパッド、シックボーイなど様々な登場人物の視点でのパートもあり彼らのそれぞれの進み方、いつまでもこのままじゃいけないと前に進もうと時には自分を甘やかしながら奮闘するレントンの成長を見るような物語に感じました。

    序盤で「スパッドがヘロインにはまるのは意外だ、どっちかというとLSDにはまる性格をしてる」とあって、映画でスパッド役をしていたユエン・ブレムナーが、同じくアーヴィン・ウェルシュ原作の映画アシッド・ハウスでLSDにはまってる役を演じていたのを思い出してなんだか嬉しくなりました。

  •  めちゃくちゃ面白い、とは正直言えない。
     等身大の群像劇を、多様な文体を使い分けて(役者の力量も大きかろう)描いていく手腕は凄かった。
     ただ、登場人物が非常に多く、話の筋がとっちらかって、漠然としている印象を受けた。ストーリーを追うような読み方をすべきではない小説なのかも知れない。それから、レントンの視点だと比喩表現が交通渋滞を起こしている気がする。
     映画から先に観たために、どうしてもそちらと比較してしまうが、原作を読むと、あちらは登場人物を幾らか間引いて、よくぞああまですっきり一本に収めたなぁと思う。

  • スコティッシュ礼賛、ファッキンイングランド、をクールに描いた青春小説。普段おとなしい人が「わたし、これ読んだわ」と言えばちょっと変わり者であることをアピールできる1冊。ロングセラー

  • この人たちめっちゃ楽しそうだなぁ、いいなぁって。ヤク中のジャンキーどもに言うのもアレなんだが、そう思ってしまう。

    それと、やっぱこれ読んでると日本の治安の良さって薬物が氾濫してないとこからくるのが大きいなと思う。

    "ボウイのアルバムは全部持ってる。一作の漏れもなく。海賊版まで全部。それでも、ボウイのことも、ボウイが作った音楽も、どうだっていい。今はマイケル・フォレスターのことしか頭にない。アルバムを製作したことも、シングルの一枚も出したことも、ただの一度だってない、何の才能も持ち合わせていないあの醜悪なろくでなししか頭になかった。"

    ”奴の支配は、取引が完了した瞬間に終わったんだ。今となってはこんな野郎、ショッピングセンターに放置されている犬の糞と同じだ。いや、犬の糞にも劣る。それ以上言うことはない”

    どうしようもない奴らがどうしようもなく生きる。いいなぁ、ほんと。

  • Guaraで店内のスクリーンに流れていたのを眺めていたのをきっかけに、iTunesで映画版をレンタルしてきて、そのクールさとどうしようもなさにヤラれ、原作にも手を伸ばす。映画版より登場人物が多く、さらに多くの雑多なエピソードが細切れに詰め込まれていて、乾いた疾走感。登場人物を絞って、エピソードを削り、別の登場人物に割りあてたりして、組み替えられたのが映画版だということがよくわかった。映画では触れられなかった、トレインスポッティング=列車見物、の由来も、来るはずもない列車を、リースセントラル駅に、レントンとベグビーが見に行き、酔っ払ったベグビーの親父さんに声をかけられたことが由来と知る。

  • T2映画→最初の映画→本作という逆順的な経緯なんですけど、ちょっとオムニバスぽいんですね。映画ではそれをだいぶスリムにした。T2を見ていても思ったけど、彼らが年の割に趣味が古いのは、よき時代へのノスタルジーがあって、それがサッチャー前後と関連があるかもしれないけどよくわかりません。労働者階級にとってあの変革は大事だったはずで、それにより瞬間的な快楽の連続によってのみ生きながらえるティーンを、情けない姿を含めて描写する、自由なようで社会に翻弄される人間の脆さに迫ってて面白いね。

  • 登場人物が多くて最初は少し混乱したけど、オムニバス形式で一つ一つの章は短いため読みやすい。テンポのよさは原作でも健在でぐいぐい読めた。

    映画よりもシックボーイとスパッドに対するレントンの愛情が感じ取れてよかった。
    スパッドとレントンだけのシーンは平和でなごむし、シックボーイに対しても、嫉妬したりケンカしたりしながらもなんだかんだいって一番近しい幼馴染みとして愛情を抱いているのが分かる。
    映画でレントンが禁断症状に苦悶するシーン、他の人はみんな幻覚だったけど、唯一シックボーイだけはお見舞いに来てくれた本人だったんだな、と原作を読んで気が付いた。

    映画も原作もそれぞれ面白いです。

  • 原文は方言そのまんま。
    The sweat wis lashing oafay Sick Boy; he wis trembling. Ah wis jist sitting thair, focusing oan the telly, tryin no tae notice the cunt. He wis bringing me doon. Ah tried tae keep ma attention oan the Jean-Claude Van Damme video.

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