- 早川書房 (2016年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784150413804
作品紹介・あらすじ
妻が何者かに射殺された。平凡な主婦の彼女がなぜ? 苦悶する夫が見た意外な真実とは
感想・レビュー・書評
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デンマークの作家「サンダ・ヤコプスン」の長篇ミステリ作品『悪魔の手は白い(原題:The Preacher)』を読みました。
「ユッシ・エーズラ・オールスン」、「シュテフェン・ヤコブセン」に続きデンマークの作品… 引き続き北欧ミステリが続いています。
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〈上〉
【北欧発鮮烈サイコ・スリラー】
最初は虫の知らせだった。
あらゆるものが奇妙に見え、胸騒ぎを引き起こす……やがて「トーキル牧師」は、妻の行方が分からないことに気づいた。
ほどなく、妻「カーアン」の死体が近くの川から発見される。
その体を、三発の銃弾が貫いていた。
だが、「トーキル」も、事件を担当する女性刑事の「ティーア」も、まったく見当がつかなかった。
「カーアン」は他人と付きあわず、ほとんど出歩くことも無かったはずなのに、なぜ?
デンマークのコンビ作家が世界に向けて放つサイコ・スリラーの新風
〈下〉
平凡な女性が理由もなく射殺される事件が他にもあることが判明した。
妻を殺された「トーキル牧師」は別の事件で妹を失った「フランク」とともに被害者たちの行動を追う。
一方、捜査を担当する「ティーア刑事」の捜査線上には、正体のわからない男の影が浮かんでいた。
すべての事件はこの男から発しているのか?
そして牧師たちも、この男に迫ろうとしていた…デンマークのコンビ作家が世界に向けて放つ、サイコ・スリラーの新風!
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「サンダ・ヤコプスン」の作品は初めて読んだのですが… 「サンダ・ヤコプスン」という名前は、ハイスクールの同僚だった「ダウマ・ヴィンダ」(女性)と「ネケト・ダインボール」(男性)の合作ペンネーム(筆名)だそうです、、、
本書がデビュー作… デビュー作にしては面白かったので、次作以降に期待したいですね。
デンマークの東ユトランドにある小さな村ロスリンゲで、牧師の「トーキル・クレステンスン」の妻「カーアン・スィモンスン」の死体が川から引き揚げられた… 死体には三発の銃弾が撃ち込まれており、これまで殺人とは無縁だった長閑なロスリンゲ村は騒然となる、、、
オーフース警察からやりての女性刑事「ティーア・クローウ」をリーダーとする捜査チームが乗り込んでくる… やがて、死体を運んだとおぼしき車を使用していた「トーベン・イェプスン」が勾留されるが、彼は頑なに犯行を否定する。
しかも、「トーベン」と「カーアン」との繋がりが全く見えてこないうえに、動機も不明で、捜査は暗礁に乗り上げる… 一方で「カーアン」の夫「トーキル牧師」は、なぜ妻が殺されなければならなかったかということで苦しんでいた、、、
自分は本当に妻を理解し、愛していたのか?妻は殺されるほど、誰かに憎悪されていたのか?生前の妻の姿を知ろうとして調べるうちに、「トーキル牧師」にとっては思いもかけなかった妻の本当の姿が浮かび上がってきた。
そんなとき、「カーアン」の事件後、妹の「サネ・アナスン」を銃で殺された北ユトランドに住む「フランク・アナスン」が、慰めを求め、同じ境遇の「トーキル牧師」に連絡を取ってきた… お互いに愛する人を殺された男二人はいっこうに進展しない警察の捜査に苛立ち、大胆にも独自に事件を調べ始める、、、
しかし、二人の目的は異なっていた… 「トーキル牧師」は犯行の理由を知り、犯人を許したいと願っていたが、「フランク」は怒りに駆られ「サネ」の復讐を果たしたいと望んでおり、どちらも愛していたはずの身近な人間の本質を全く知らなかったことを悔やんでいたのだった。
そして、目撃証言や銃弾から「カーアン」殺害の容疑者として「サネ」が浮上し、全く異なる事件と思われたいた二つの事件の共通点が浮彫りになってくる… その頃、「ティーア」をリーダーとする捜査チームも二つの事件の関係性に気付き、「カーアン」と「サネ」を結びつける人物として、「ボー・ゼルウィガー」や「イーヴァン・ギアトスン」等の複数の名前を使い分けセラピストとして活動している「イーレク・マーストラン」や、彼の治療を受けていた精神的障害を持った女性「ペアニレ・マティースン」が容疑者として浮上する、、、
「イーレク」と「ペアニレ」を追う「ティーア」たちは、「ペアニレ」の借りているサマーハウスを特定して包囲するが、そこに独自に犯人を追う「トーキル牧師」と「フランク」も現れる… その時、サマーハウスから銃声が響き、事件はクライマックスに向かう。
セラピーを利用し、悩める女性をマインドコントロールしてしまうとは… 自ら手を下さずに罪を犯すように促すなんて許せないなぁ、、、
最後まで読み終えたあと、後日譚が描かれているプロローグ再読しましたが… やるせない気持ちでいっぱいになりました。
以下、主な登場人物です。
「トーキル・クレステンスン」
牧師
「カーアン・スィモンスン」
トーキルの妻
「ティーア・クローウ」
オーフース警察の刑事
「クレスチャン・ヴィーゼベク」
オーフース警察の刑事。ティーアの恋人
「セーアン・イズヴァトスン」
オーフース警察の刑事
「アネグレーデ・シャルボー」
オーフース警察署長
「ビャアン・ディヴァンチ」
ロスリンゲ警察の刑事
「アリス・カスパスン」
鑑識官
「サネ・アナスン」
殺された女性
「フランク・アナスン」
サネの兄
「ビアギデ・ヨート」
トーキルの大学時代のガールフレンド詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北欧発鮮烈サイコ・ミステリーに騙された。
ミステリアスなプロローグに期待したが、期待外れ。帯の惹句に踊らされた。久し振りに読むのが苦痛な作品だった。と言っても、まだ上巻。苦痛は続く。
