ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

  • 早川書房
3.08
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150414214

作品紹介・あらすじ

世界最高のインターネット企業〈サークル〉への転職に成功したメイ。しかし、その社風に違和感を覚えるようになり……映画化原作

感想・レビュー・書評

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  • たまたま映画を見る機会があり、感銘を受けたので原作を手に取りました。上巻を読んだ限りでは、映画はかなり忠実にストーリーを再現している印象を受けました。本書が非常に不思議なのは、気味の悪さとユートピアニズムが入り混じった感覚が終始付きまとうことでしょう。その意味ではジョージ・オーウェルの「1984年」とは趣向が違います。そして主人公メイのように、サークルが作る社会は本当にユートピアだと信ずる人々は現実社会にも一定数いるのだろう、ということです。ユートピアとディストピアは遠いようで実は紙一重の存在かもしれません。あたかも紐の両端にあったユートピアとディストピアは、輪にするとつながってしまうかのようです。繰り返しになりますが、不気味さとユートピア的感覚が読者の心に同居する、不思議な書籍です。

  • ソーシャル、コミュニティ、トランスペアレンシー。
    新しい時代は自分を社会に結びつけるのが当たり前で、結びつけない者は不真面目とされる世界。プライバシーという概念が消えてそら恐ろしさを感じました。

  • AIによる分析で、(アメリカで)ベストセラーになる条件を多く備えた文学作品として、とある本で紹介されていた。
    実際によく読まれたのかどうかはわからないが、映画化もされたので、まぁ話題にはなったのだと思う。

    近未来、SNS上に個人情報をすべてさらけ出し、あらゆることをオープンにすることで社会はより善になり、この世から悪が一掃される、そう信じる人たちからなるアメリカ西海岸の某超有名IT企業を舞台にした、ちょっとしたディストピアな物語。

    小説という形をとってはいるが、作者は社会活動家でもあるので、SNSコミュニティに対する問題提起なども含まれていて、いろいろ示唆に富んでいたと思う。
    ただ、原著の出版は2013年、ここで述べられていることは、様々すでに実際に起こってもいるので、ちょっと読む時期を逸してしまったかなと。それだけ、本書は先見の明があったといえるわけだけど。

    ベストセラーになりうる構造とはなんだろう。冴えない主人公が、思わぬ幸運で超人気IT企業に就職し、その社是に共感し次第に洗脳されていく様が、リアルにテンポよく捉えられている点、彼女の家族や元カレ、自分を見くびっていたの友かつ上司との関係の変化の捉え方の上手さ、といったところか。

    日本ではどうだろう。SNS上で“いいね!”などの承認を得ることに一体なんの価値があるんだ?と日々感じている人には共感できるかもしれない。

  •  自分の情報をすべて会社に提供する― 体調を管理させ、生まれてからのすべてのデータを会社が管理し、世界中、会社中にカメラを設置し、すべてを透明化する。知りえないことはない。恐怖でしかありませんでした。

     読者が感じる恐怖を主人公のメイが代表してくれていましたが、下巻でどう変わっていくか、楽しみです。

  • 某GAFAを彷彿とさせるようなサークル社に入社した主人公はコミュニティ第一な会社の仕組みに戸惑いながらも、ある出来事がきっかけでどっぷりとはまっていくことになる。
    上巻はまだ戸惑っているところ。下巻に入ると事態は急速に悪化する。

  • 今のところ、結構面白い部類に入るのだけれど、ちょっと翻訳が気に入らなすぎる。
    180508

  • 世界最大のIT企業「サークル」に入社した女性の奮闘記。「サークル」が「xxグル」を文字っていることは明らかだが、巧妙な手口で社員を洗脳していく過程に戦慄を覚えた。結局人によってはブラック企業ということになるのでしょうが、ディズニーランドみたいなキャンパスで働いてみたいですねー。(笑)

  • これは一気に読み進めてしまう…!感想は下巻で。

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著者プロフィール

作家、編集者。両親を早くになくしたがために幼い弟をひとりで育てることになったいきさつを書いた青春小説のような回想録『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』(文藝春秋)でデビュー。文芸雑誌の編集や社会活動に積極的にかかわりながら小説も手がける。『王様のためにホログラム』『ザ・サークル』(以上、早川書房)は映画化もされた。

「2019年 『あしたは きっと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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