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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150414665
作品紹介・あらすじ
第二次大戦中、酷寒の大西洋を舞台に、37隻の輸送船団を守るために奮闘する駆逐艦キーリングと、海の狼Uボートとの死闘を描く!
みんなの感想まとめ
戦争の厳しさと人間の葛藤を描いた物語は、第二次大戦中の北大西洋での駆逐艦とUボートとの死闘を中心に展開します。主人公の艦長は、輸送船団を守るために不眠不休で奮闘し、緊張感が漂う中で部下との関係や任務の...
感想・レビュー・書評
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パンデミックに世界が慄いたころに映画化されて公開間近だった。劇場公開はあきらめストリーム配信での公開となってしまったわく付き作品の原作。
第二次大戦時のUボートから通商船団を護衛する駆逐艦船長の2日間の戦いを描く。
まずはマネジメントの人みんな読め!自分の夢の実現のために従業員を会社資産の消耗品扱いしている経営者の人みんな読め!
これは戦争文学であると同時にすぐれたマネジメントの書でもある。
常に戦闘配置においたら、兵員は緊張状態を維持できず消耗してしまう。消耗してしまっては戦いに負ける。こういうシフト管理をきちんと行えるか、価値観の異なる多国籍船団の船員に感情を配して意図を正しく伝えられるかに心を砕く艦長。自分は食事も満足にとれず凍える艦橋に48時間以上立ちっぱなしでも。軽々しく緊急事態だ非常事態だを連発するマネジメント諸君!自己実現は結構だけど作戦はちゃんと立てて!失敗したら人員整理するだけでなく自分もちゃんと責任とって〜。必死に船団を守り抜こうとする姿に感動してしまいます。
と、同時にこういう姿に感動する自分に危ないものも感じてしまう。艦長とはいえ組織の中では中間管理職。自分は身を削って職務を全うする姿がこれまたカッコ良く描かれているけれど、こういうのが理想の姿と思ってしまうと、現代では管理職の過労死だとかがでてきてしまうんだろうなとも思う。戦場では逃げ場はないのだからしょうがないにしても、通常の仕事場は戦場ではないからね。24時間戦えますか!?とかで教育されてきた世代だから簡単には価値観は修正できないけれど、こういう作品にふれて自分の修正できていない部分の存在に気づいておくことが大事だとも思いました。しかし、フォレスターは男をカッコ良く描くのがうまいなぁ。いまや危ない作家か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とてつもなく面白い。ヨーロッパ への物資輸送の護送船団を守る駆逐艦の艦長の海洋冒険小説。
無防備な羊である輸送船を守る駆逐艦と、狼の様な狡猾なUボートとの死闘描く。
緊張感が半端ない。主人公と同じ不眠不休を読者に擬似体験させてくれる名作。
戦記ではあまり語られない地味で退屈なはずの護衛任務に、スポットを当てた本作は素晴らしい。 -
第二次大戦中の北大西洋での駆逐艦とUボートとの戦いは、いろいろな物語が生み出されている。
映画「眼下の敵」では米駆逐艦艦長をロバート・ミッチャム、Uボート艦長をクルト・ユンゲルスが演じて、日曜洋画劇場などでおなじみのタイトルであった。
この本も半世紀以上前の作品であるが、2020年6月トム・ハンクス主演の映画公開に伴い再び日の目を見た。映画は日本ではコロナの影響もあり?Netflixでの上映になってしまったのが残念。
物語は、三人称ではあるがほぼクラウス艦長の視点と思考の一点で時系列に進む。それはまるで艦長の公開日誌をもとにしたドキュメンタリーのように映像化される。
輸送船の護衛という任務と敵を撃破するという軍人としての使命、護衛艦隊の指揮官としてや艦長としての部下の扱いなどで葛藤する、主人公クラウス中佐の様子(トム・ハンクスの仏頂面)がとてもリアルに描かれている。
作者セシル・スコット・フォレスターには私の古い思い入れがある。
数十年前、フジ出版社から刊行された『決断―ビスマルク号最後の9日間』(作者C.S.フォリスター?)がとても好きで、このあと「ティルピッツ」や「シャルンホルスト」などのドイツ海軍の読み物を漁った覚えがある。今でもその本は私の実家の本棚に黄色に変色しても残っている。
読みだしから最後まで、緊張感の続く読書でした。 -
『潜水艦モノに外れなし』というのは、映画に関する有名な格言(?)です。
この作品は、潜水艦を狩って・狩られる駆逐艦側からの視点ですが、『潜水艦モノ』と言ってもいいかもしれません。外れていません。
なんで映画の『潜水艦モノ』は外れないのか?と思ったのですが、潜水艦の場合、視野がないので相手を音で“見て”狩る必要があるのですが、それが物語に緊張感を与えるので、見る人を魅了するのかと思います。
この作品も、潜水艦の気配は感じるものの、目で見ることはできず、音で“見て”いるので、逆の立場ではありますが、制限のある中での狩って・狩られるところが、物語に緊迫感を与え、読んでいる人を魅了するのかなぁと思いました。
面白かったです。 -
第二次世界大戦の真っ只中、アメリカからイギリスへ物資を運ぶ輸送船団を護衛する指揮官の目から見た戦争小説。
護衛艦隊を指揮する駆逐艦キーリングの艦長クラウス中佐は、実戦が初めてにもかかわらず、ドイツ軍のUボートが何隻も待ち構えている大西洋を進み、三十七隻もの大船団をたった四隻の護衛艦で守らなければならない重圧に耐え忍んでいた。
映画やアニメでよくあるような、手に汗握る駆逐艦と潜水艦の派手な追いかけっこや戦闘シーンがある訳でも無く、どちらかと言うと忍耐を強いられる地味な護衛任務の描写が続く。それでも夢中で読み続けられるのは、プレッシャーや引け目に負けまいとする、クラウス艦長のとんでもない精神力と肉体の強靱さに引き込まれてしまうからだろう。
当時の連合軍の規律なのかクラウス艦長の性格なのか、部下は交代で休息をとっているのに、艦長ひとりが不眠不休でブリッジに立ち、トイレや食事を我慢しながら次から次へと難しい判断を下さなければならない立場には驚いた。現代から見ると、判断能力が必要なリーダーにまったく休息をとらせないことは作戦遂行に致命的な失敗をもたらすようにも感じたが、これが当時の常識だったのだろうか。
”ここで敵の捜索を打ち切るのは、意志薄弱、臆病、優柔不断、軽率な者のすることだろうか? 便所に行きたい。食い物も飲み物も欲しい。こうした人間的な弱さのせいで、自らが持ちつづけなければならない意志の強さに翳りが出ていないだろうか?”(P.271)
世の中のブラック企業が天国に見えるほど過酷な環境においても、クラウス艦長は敵艦の捜索方法が間違っていないか葛藤し、同時に部下や他の艦長への接し方が適切だったかどうかを常に振り返り、決して弱いところを見せてはならないとのプレッシャーから肉体を限界まで酷使していく。
”クラウスはこうした関係には人間味があるのが望ましいことを知識として知っていた。自分自身に対してそうしてほしいとは一度も感じたことがなかったにしろ、自分は上官の無神経な言葉遣いの命令で死んだとしても本望だし、言い方が丁寧でないからといって憤ったりもしない。”(P.282-283)
いくら実戦が初めてで緊張しているとは言え、自分を機械のようにみなして護衛艦隊指揮官としての任務をまっとうしようとしているストイックな姿には、ある種の同情と驚嘆を覚えざるを得なかった。幸せだった子ども時代の記憶や別れた妻との苦い思い出が不意に蘇るシーンもあるが、よけいに今のクラウスの孤独を際立たせている。
本作品は、目的地に着く前のたった三日間の航海中の出来事を書いてあるだけだが、クラウス艦長の非常に濃密な心理描写が続き、読んでいる側としても疲労した。ただ、ラストシーンには何ともいえないカタルシスを感じることができ、海戦小説のジャンルでありながら不器用で孤独な人間の自分との戦いを描いている希有な小説だった。 -
帆船小説といえば必ず題名が上がる「ホーンブロワー」シリーズの作者であるセシル・スコット・フォレスターが第二次世界大戦の海戦を描いた作品。
第二次世界大戦の大西洋は、ドイツUボートが跳梁跋扈する恐るべき海域であった。
Uボート同士が連携して獲物を駆り立てるウルフパック(群狼)戦術により膨大な数の輸送船が撃沈され、英国の命運は風前の灯火であった。
物語は、まさにこの大西洋での厳しい戦いを扱っている。
37隻の輸送船団を護衛する僅か2隻の駆逐艦と2隻のコルベット艦が、Uボートの昼夜のない攻撃から船団を守り抜く三日間の死闘(まさに字義通り死闘という言葉がふさわしい)を描いている。
前頁が緊迫感に満ちており、どこから攻撃を仕掛けてくるかわからないUボートの恐怖感や、絶望感と極度の疲労の中においても勇敢に任務遂行をする男たちの戦いが、迫真の描写力で綴られる。
主人公である駆逐艦キーリング艦長ジョージ・クラウスの人物造形も興味深い、牧師の父を持ち、敬虔なキリスト教徒として育つ中で身に着けた厳しい義務と名誉に関する考え方や、いっぽうで私生活ではうまくいっていないなど。
作品世界に深みを与えるのは、登場人物の背景の複雑さとそこからくる独特の人生哲学だと思った。 -
これぞ究極のお仕事小説。敵の潜水艦の攻撃を躱し撃退する戦闘シーンもさることながら、多国籍・官民寄せ集めの部隊(艦隊)を率いる中間管理職の苦悩がこれでもかと実感できる。熱々のコーヒーとたまごサンドをお供に是非。
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第二次世界大戦中、アメリカからイギリスに向かう
輸送船三十七隻と護衛艦四隻。
航空支援を得られない北大西洋中央部での航海となる、
水曜の朝から金曜の朝までの間の、
護衛艦隊の指揮官となったアメリカ駆逐艦の艦長の
初陣を描いた作品。
ロマンなど感じさせないほどに即物的に描かれた情景描写、
キリスト教信仰に関する語句が中心ともいえる艦長の心情描写、
この対比が特徴的な作品です。
眠ることはおろか休息すらまともに得られない二日間。
疲労の中でも瞬時に判断を下さなければならない緊張感。
そして判断を下すことの重圧。
これらを感じることができました。
なお、かなり硬めの手触りの作品のため、
いまの日本人には受けないだろうとは思います。
映画化されていなければ、新訳はおろか、
1980年に文庫に入った旧訳の重版すら
行われなかっただろうなという気がします。 -
一駆逐艦の艦長の視点で描かれてるにもかかわらず、敵Uボートをも含む迫力ある海戦絵巻となっている。物語の半分くらいは敵艦位置の探索と、それを攻撃するための捜艦指示に費やされており、普通なら退屈だと思うけれど、それを3次元で行動できるUボートを僅か半径10mしか有効打撃を与えられない爆雷で仕留めるという至難の業の為の頭脳戦として描くことで緊迫感と迫力を生み出している。更に、敵の次の行動を読みあうことで、実際に登場してこないUボートすら実際に姿を現し縦横無尽に役割を果たしている。潜水艦ものというと、駆逐艦とUボートとの双方の視点から描かれた不朽の名作映画、『眼下の敵』が思い出されるけれど、本作のように見えない敵を見えないままとして描くことで、その不気味さを巧みに描いた作品も捨てがたい魅力が有る。今年、トム・ハンクス主演で映画化されるというので、どのような仕上がりになるか今から楽しみ。
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映画「グレイハウンド」を見たので備忘。
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新訳。
書店で手に入る喜び。そして面白い。
前よりも少しくだけて、たぶん読みやすくなった。ただ、言葉、文章は刷り込みが甚だしいので、違和感はある。
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2020年6月1日読了。
トム・ハンクス主演の「グレイハウンド」原作。
1955年出版だが、今回新装版が出た。
アメリカ海軍中佐、駆逐艦艦長のクラウスは最初の任務で37隻の輸送船を駆逐艦キーリングとコルベット艦(駆逐艦より小型の艦艇)3艦の計4艦艇で大西洋横断の護衛をする。
それを狙うはドイツ海軍のUボート、狼群(ウルフパック)と呼ばれ集団で輸送船を襲う。
果たして、無事にイギリスに着くことはできるのか?
映画の公開が伸びて残念。
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