孔雀と雀 アラブに消えゆくスパイ (ハヤカワ文庫NV)

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  • 早川書房 (2025年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784150415389

作品紹介・あらすじ

CIA職員シェーンの最後の任務は中東バーレーンの反政府運動を探ること。だが、爆破テロが国王の自作自演である疑惑が浮上し……

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

スパイ小説の新たな魅力を感じられる作品で、主人公シェーンの内面と周囲の緊迫感がリアルに描かれています。中東バーレーンを舞台に、引退間近のCIA職員が反政府運動の裏に潜む陰謀を探る様子が緻密に描かれ、特...

感想・レビュー・書評

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  • 中東バーレーンでの反政府運動、事件に見え隠れする陰謀とは… #孔雀と雀 #アラブに消えゆくスパイ

    ■あらすじ
    CIA中東分析局の職員であるシェーンは、バーレーンで反政府運動について調査していた。現地民の協力者ラシードから情報を得るなど様々な諜報活動の中、反政府派による爆破事件が発生。しかしそれは国王の自作自演である可能性に気づく…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    決して派手ではない、しかしリアリティに溢れるスパイ小説ですね。

    舞台は2012年「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が吹き荒れた中東のバーレーン。異国情緒あふれる風景や、外交官たちの社交界など、エキゾチックな世界が鮮やかに描かれる。

    事件の裏に見え隠れする陰謀、疑心暗鬼になるCIA、現地の協力者とのやり取り…、果たして信じられる相手は誰なのか。物語は静かに、でも確実に読者を引き込んでいくのです。

    本作の主人公は52歳のシェーン、CIAの中東分析局でキャリアを重ねてきたベテラン工作員。小説や映画で描かれるスパイって華やかなイメージが一般的だと思うけど、まぁシェーンは地味で人間臭いんですよね。同僚のスパイであるジミーも俗っぽいし、年下の上司のホイットニーも体裁意識ばっかりでカッコ良くない。

    魅力的なのはむしろ現地に住む人々ですね、まずイチ推しなのはモザイクアーティストのアルマイサ。シェーンとの艶っぽい関係性は読むほどに深みにハマっちゃう。そして彼女から聞いた現地の刑務所の情報なんかは妙に現実的で、胸に迫るものがありますよね。

    そして情報提供者のラシードですよ。物語が進むたびに彼の過去や社会生活、人間関係などが見えてくるんですが、何ともやりきれない。いかに不安定な国で生きていくのが大変かしみじみとよくわかるよ… 彼の覚悟が戦時中の日本の若者を見てるような気がして辛かったですね。

    物語は終盤になると一気に物語が飛躍するのですが、ミステリとしても読み物としてもよくできてて、夢中になってしまうこと請け合いです! パワフルで読み応えがありますよ。

    スパイ小説と聞くと少しハードルが高そうと思った方こそぜひ読んでほしい作品でした。

    ■ぜっさん推しポイント
    やはり本作で一番推したいのは、様々な場面での細かい心の機微の動きですね、派手じゃないのが良いんですよ。登場人物ひとりひとりの心情を良く描いていて、読了後も余韻が残るんです。

    そして不安定な国の実情がよくわかりますね、そこに住む人々の痛みや苦しさを肌で感じることができるのです。

  • 久し振りに古き良きスパイ小説(時代はアラブの春ですが)を読むことが出来ました。
    CIA中東分析局員シェーンは52歳、バーレーン・マナーマで活動中。定年までに一旗上げたいとは思っているが、普段の生活は地味でカッコ良くも無く、仕事も派手さがないがそこがリアル。前半は大きな事件も起こらず、このまま何も起きないのかと心配になるが、カンボジアに行くところから怒涛のラストへ。カンボジアでの活動、ブリュッセル経由でバーレーンに戻る時の緊迫感が半端なくリアル。
    バーレーン現地でシェーンと関わりを持つことになる女性アルマイサ、協力者ラシードの描かれ方も秀逸。

  • 中東バーレーンを舞台にしたスパイ小説。2012年のアラブの春を背景にして、CIA中東分析局職員のシェーンが主人公。反政府側の陰謀を探るうちに真実に行き着くが、、というもの。CIAの作戦担当としての実務経験のある作者の描写が兎に角リアル。いえ、実際の所は知らない私が言うのも何だけど。街中を歩く時のスパイとしての緊迫感も半端ないし、現地の描写もヒヤヒヤしながら読んだ。映像化されるとの事、待ち遠しい。

  • 2012年、バーレーン。引退目前のCIA職員シェーンは、最後に大きな成果を挙げたいという野心を秘めていた。年下の支局長に、反政府派の背後に潜むイランの陰謀を探る命を受けた彼は、反政府派による爆破事件が政府の自作自演である可能性に気づく。だがそれを支局長に報告した直後、本部から早期退職勧告の通達が。スパイとしての矜持と生き残りをかけ、シェーンは真相を追うことに…世界で激賞の新時代スパイ小説。

    アクション満載のスパイ小説を期待すると、裏切られます。

  • 2025年の14冊目は、I.S.ベリーの「孔雀と雀 アラブに消えゆくスパイ」です。舞台は、中東バーレーンです。チュニジアのジャスミン革命に端を発したアラブの春の流れから、2011年にバーレーンで起きた「バーレーン騒乱」がモデルとはなっていますが、現実とは違う結末が用意されています。そして、その事こそがこの本に凄さを与える要因となっています。又、舞台がほぼ現在で有りながらも、古き良きスパイ小説の香りがする事もこの本の特徴ではないでしょうか。
    主人公は、バーレーン・マナーマのCIA中東分析局に勤務するシェーン・コリンズ、52才です。俗に言うスパイですが、残りの支局員人生を大過無く過し、年金生活に入る事を望んでいます。しかし、激動の渦に巻き込まれて行く事になります。スンナ派対シーア派、その後ろ盾としてのサウジアラビアとイランの対立構図等、アラブ世界の情勢とアメリカの立ち位置の理解等、難解な局面が有るかもしれません。かなりのボリュームですし、終盤までは、盛り上がりもに欠けると思ってしまいますが、何事にも疑心暗鬼になってしまうスパイの生態には興味深い物が有りますし、カンボジアへ到着してからバーレーンに戻るまでの行程が、いかにもスパイ小説らしい雰囲気で好きです。
    終盤まで盛り上がりに欠けると言いましたが、この本の凄さは、残り50ページを切ってからです。そこからは、本当に凄い。散りばめられていた伏線を回収して行きます。この作者は、只者では有りません。各新人賞を総ナメと言うのも頷けます。
    ☆4.8

  • 関西万博で中東に興味をもち、今までバーレーンがどこにあるかも知らないぐらいだったので読んでみようと思いました。

    反政府デモやスラム街の描写など、当時のリアルなバーレーン、そしてアラブの春のことを知ることができました。

  • スパイ映画とは違って、地味で過酷で悲しい本物のスパイの話。

  • バーレーンを舞台としたあまりにリアルなスパイ小説。
    ドキュメンタリーだとかえってこのリアルさが描けないと思う。中東での数多の謀略に関わる人々を集約した形でみせてくれている。
    カンボジアからバーレーンに戻る旅程がスリリング。
    スパイ小説好きは必読。そうでない人には地味かも。

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