古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)

  • 早川書房 (1999年9月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150502348

感想・レビュー・書評

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  •  次第に古書の世界にはまっていき、エスカレートしていく夫婦の仲の良さが"同士"っぽくて楽しかった。古書の奥深さとそれにまつわる人間の業に面白みを感じつつ、最終的に思い入れのある本を買って大切に本棚に並べることの豊かさに回帰していくのもとても良かった。

  • 夫婦そろって作家の二人が古書収集にはまっていく実体験を小説化。 いかにお金をかけずに良い贈りものができるか、を競争したことから始まった古書探しのはずなのにお金が飛ぶ飛ぶ(笑)。 先に進むにつれてマニアックぶりが加速していき、段々古書の内容にはついていけなくなりましたが、それでも読んでいて自分までワクワクしてしまいます。 人だけでなく本とも一期一会。大好きな本に少しでも多く出会っていきたいなぁと思った一冊です。続編もあるんですよね。ますますエスカレートしていくのかしら。楽しみです。

  • 駆け出しのフルホニスト(古本の魅力にとりつかれた人)が読めば戦慄する内容。
    はじめは安いからいいよね!って言っていたのが何回か二人のディナーを削ればこの本は買える……となっていく様が恐い。
    それすなわち古書蒐集家の生態である。

  • 再読。
    気軽に読めるエッセイ。
    始めの方では$45の古書を買うのに思い切りを必要としていた作者達が本書の終わりには三桁の値段のついた古書をあっさりと購入していくコレクター成長記。
    この手のエッセイでよく客側の奇行なり偏屈さなりを書かれているものを多く読むが、売る側の生態を描写しているのが珍しく興味深い。

  • ノンフィクション

  • 米国の古書店事情も欧米の初版本のことも何も知らずに読んだが、ぐいぐい引き込まれた。その気がないのにどんどん深みにはまっていく様は分野を問わず共通なんですね。

  • 出てくる作家のほとんどわからないのに面白かった! コレクター熱はどんな世界もよく似てるのね。出来れば綺麗な本が欲しい気持ちはよくわかる〜ε-(´∀`; )

  • 古書店めぐりとはいっても、
    ベストセリングな本を安く手にいれるために
    ブックオフを何件も巡るようなタイプの話ではなく、
    貴重な本や有名タイトルの初版本を探し歩くなかで、
    様々な本と(人と)巡り会う物語。

    日本ではメジャーでないネルソン・オルグレンの名前が数回出てくる箇所や、
    ディケンズの初版と巡り会う(そして予算が足りず棚に戻す)箇所など読みどころが多い。
    そしてスタインベック〜ヘミングウェイ〜フォークナー(とフィツジェラルド)の米文学の大きな流れも見えておもしろい。

    数ある初版についてのエピソードのなかで、
    なんといってもトリハダものなのは下記の箇所

    -----------------------------------------------
    わたしたちはおそるおそる手にとった。
    もし手のなかでばらばらになったら
    弁償しなければならないのでは、と気が気ではなかった。

    「表紙を開けばわかるが、表題紙がない。
     内容を示すようなものまったくない」

    マイクルはまた間をおいた。
    わたしたちはしかたなく本をひらき、表紙のつぎをのぞいてみた。

    「『ユリシーズ』です」
    -----------------------------------------------

  • 読書には、こういうジャンルの楽しみ方もあるのだと知った。私には手が出せませんが。でも夫婦でのめり込めるのは素敵。蔵書について考えるいい機会になりました。

  • 夫婦で古書店めぐりが出来たらいいなあ、なんて思って読んだ本。海外の古書店事情が描かれていて、日本とはまた違った環境で「ヘェ〜」とつぶやきながら読んだ。敏腕の古書ハンターの視点とは違い、古書初心者が右往左往しながらも、古書の世界を楽しむ視点は読んでいてほのぼのします。

  • KiKi が日本人でよかったなぁと感じることの1つに所謂廉価版書籍(文庫とか新書とか)の装丁が案外しっかりしていることが挙げられます。  そしてそれらの廉価版書籍のお値段が比較的安易に手が届く範囲にあることも・・・・・。  それと比較するとアメリカなんかのペーパーバックと呼ばれる本は紙質はわら半紙をちょっとよくした程度、背表紙の糊付け部分は見るからにいい加減で、ちょっと扱いを間違えるとバラバラと分解してしまいそうな印象があります。

    もちろん海外の、センスの良いインテリアにも似合いそうな革装丁の本なんかを見ると、それに憧れる気分も多分に持ち合わせてはいるんだけど、そういう高価な本の場合、先祖代々の遺産として残された蔵書でもない限り、自力でそこそこのコレクションを持とうな~んていうことを目論むのは夢の又夢という気分になり萎えてしまいます。  ところが我が日本国の場合、古今東西あらゆる名著と呼ばれる本を二世代ぐらいは持ちそうな品質の本で揃えることは、手が届く範囲の収集と言えるような気がします。  そう、実際にはそれであってさえもそこそこ難しいことではあるけれど、この「気がする」と感じられることが重要だと思うんですよね。

    まあ、逆に言えば、結局はそんな手近なところにある文庫本をせっせと収集するのが一般的な「愛書家」の限界で、そんな愛書家の死後、遺族が残された書籍を処分するにしてもブックオフあたりに持ち込んで二束三文で流通していってしまうことが表層的な文化しか根付かない一因になってしまう部分もあるのかもしれませんけど・・・・・・ ^^;  

    この本はたまたまお互いの誕生日プレゼントのコストを抑えるために、古書店を訪れた夫婦が古書の魅力に目覚め、蔵書を作るために東奔西走するという「愛書家」には面白い顛末が書かれた本です。  当初は10ドルからスタートした彼らの「古書収集」があっという間にコストアップしていく様子は時にユーモラスで、時に共感を覚え、ヒートアップのし具合が自分の懐具合ではとてもついていけなくなった時点で呆れる(^^;)・・・・というプロセスが楽しめるお話でした。

    この本は「本という物質」に興味がない人にはまったく面白味のない本だと思います。  逆に本に書かれた「物語」と同じくらいに「本という物質」自体が持つ物語にも興味のある人にはたまらない本です。  そして、この夫婦が好む作品にもそこそこ興味のある人であれば、尚更です。  彼らが古書店で見つけて、購入しようかどうしようか?と悩む本の大半は KiKi の読書趣味とかなり合致しているあたりが、KiKi にはたまりませんでした。  そうであるだけに、KiKi の資力をはるかに超えている価格の本を前に逡巡する2人に共感することができたように感じます。

    ま、逆に言えば、彼らに共感できるということは、彼らが出会ったとある古書店の店主が言うように KiKi 自身も「コレクター」と呼ばれる人種には属さないということの証左なのかもしれません。  その店主曰く

    むかしのコレクターは、あるひとりの作家や、時代や、製本師に集中したものだった。  そのコレクションには歴史的価値があった。  個人のコレクションが、大学の図書館以上に、重要な研究資料になった。  最近のコレクターは、あっちをひと口、こっちをひと口かじる。


    なるほどねぇ~。  やっぱり KiKi は「愛書家」ではあるかもしれないけれど、「コレクター」ではなさそうです(笑)  この「歴史的価値」という言葉を読んだ際、ふと思ったのはどこかで読んだことがある荒俣宏さんの言葉でした。  彼がどこかで「次の誰かに渡すため、次世代に繋ぐために本を集める」というようなことを仰っていらして、個人の自己満足のために本を買い漁り読んでいる自分とは発想からして違うなぁと思ったことがあるんですよね~。

    先日もお話したように、KiKi の実家には「世界文学全集」と呼ばれるハードカバーの本が幾揃えかあります。  子供時代に厚紙仕様のそんな本に馴染んだ KiKi は本音の部分で言うと文庫本とか新書はあまり好きではありません。  本っていうやつはやっぱりある程度ズッシリとした重みがあって、書架台とまではいかなくてもテーブルの上に広げて読むものだという「理想の読書の形」に対するイメージみたいなものがあったりもします。

    それでも東京のマンション暮らしでは保管スペースの問題もあり、更には通勤・通学途中の電車内が貴重な読書タイムというライフスタイルが長かったので、鞄に入れてかさばり、読書中のスペースも必要となるハードカバー本はまっこと不便極まりなく、ふと気がついた時には KiKi の蔵書は文庫本だらけ・・・・・となってしまいました。  

    それらの本の単価を総計すると、1年ぐらいの食費には十分おつりがきそうな金額になるのですが、所詮これも二束三文。  言ってみれば消費財と変わらないなぁと考えると溜息が出ちゃうこともしばしばです。  そんな時にはやっぱり思ったりもするのですよ。  どうせなら「蔵書」と呼んで恥ずかしくないラインナップが残っていればなぁ・・・・・と。

    そうであるだけに、ごくごくたまに古書店めぐり(この時の古書店には当然のことながらブックオフタイプの店は範疇に入ってこない)をして、「本」と呼ぶにふさわしいと KiKi が感じられる本の中に身を置くと、何とも言いようのない至福感が全身を満たしてくれます。  考えてみると KiKi がせっせと文庫本を集めるその背景には、「ちゃんとした本は実家にあるから・・・・・。  言ってみればこれは日常使いの簡易版。」というような意識があるような気がします。  そういう意味では実家の蔵書と KiKi が持っているハードカバー本を合わせれば、一応「蔵書と呼んで恥ずかしくないラインナップ」の恰好はつくかな・・・・・なんてね(苦笑)

    さてさて、久々にこの本でも紹介されていた「百年の孤独」とか「八月の砲声」とか「イシ」(← これは、荻原さんの「グリフィンとお茶を」だったかもしれない ^^;)あたりを読んでみようかなぁ・・・・・。  どの作品もこのブログでは未紹介だし・・・・・。  あ、でも、次のエントリーから始める予定の「村上春樹シリーズ」とか、着手したばかりの「マキリップ・シリーズ」とか、最近とんとご無沙汰の「岩波少年文庫シリーズ」とか「光文社古典新訳文庫シリーズ」とか、こなさなくちゃいけないシリーズ企画が山積みなんだっけ・・・・・。

  • 本好きには、面白くて、なかなか興味深い一冊。
    作家であるローレンス&ナンシー夫妻の共著。二人はもともとウォール街の証券会社に勤めていた時に知り合ったそうだが、夫の誕生日にナンシーが『戦争と平和』の古書を贈ることになったのがことの始まり。その本に魅せられた二人は、やがて夫婦そろって古書熱にとりつかれて、古書店まわりを開始。稀覯本の世界、オークションと古書収集の初心者から少しずつコレクターとして成長する様子がとても楽しく語られている。

    英米文学を中心とした作家や書物の名がずらり…古書をめぐる知識がちょっと増えます(笑)
    たまたま、少し前に、愛書家でも知られる荒俣宏氏のインタビュー記事を目にしたので、なるほどなぁと納得する箇所も多い。
    個人で収集出来れば、図書館や博物館に置かれるより、一般の人でも身近に接する機会が増えるだろうが、これが難しかったりするらしい。また、荒俣さんが言ってらしたのは、「ふつうの本と違って次の誰かに渡さなければならない、これは繋げていくべきものなんです」膨大な手間と費用を要するコレクターの本物は、やはり並々ならぬ愛情やただならぬ情熱を本に持っている人たちである。

    本書のナンシー&ラリー夫妻も、作家であり読書家であり、本に対する愛情がひしひしと感じられるのが何よりのよさだ。このエッセイ、更に続きもあるようですね~

  • 古書収集の魅力に引き込まれていく夫婦の話。本好きにはうなずける場面がたくさん出てきます。

    【九州大学】ペンネーム:ゼロ

  • 本が好きな人は決して読んではいけない
    「禁断の書」と言うべく代物でしょう。
    だけれども本の知識に関しては目を見張るものがあり
    古本収集家の人に関しては必見じゃないかな。
    (私はジャンル違いで誰も読まない本専科)

    うれしいのは有名な作家の本が何冊も
    出ていたこと。
    本好きは必見ですよ。
    ただし、買いたい病には保障はできません。

  • 両人ともに作家であるゴールドストーン夫妻が、いかにして古書の世界に入り込み、のめり込み、落ちていく(笑)お話。稀覯本の楽しさと恐ろしさがよくあらわされているように思える。本好きならかなりはまるお話。反面空恐ろしくなる話でもある(笑)。非常に楽しめた一冊。明日は我が身、かな?

  • 作家のゴールドストーン夫妻が古書店めぐりにはまっていくいきさつを書いた物。
    エッセイというよりノンフィクションかな。
    マサチューセッツ州に住むおしどり作家。
    二人とも、もとはウォール街で働いていたという経歴。その頃知り合ったのかな。

    夫のラリーに装丁のいい「戦争と平和」をプレゼントしようと思い立ったナンシー。
    戦争物が好きなのに家にあるナンシーの本は字が小さくて読む気がしないと手つかずだったのだ。近所の本屋にあった本もペーパーバックで大差がない。
    古書店に電話したら初版などの高価な稀覯本を扱う所で、けんもほろろな対応。
    イエローページで古書店を探して電話し、地図や美しい挿絵もついてたったの10ドルの本を手に入れる。
    その本の出所のバークシャー古書商会に行ってみると、普通のコロニアル式の住宅に、壁面はどこも本がビッシリ。
    妻が読書家で4階建ての家中に本が溢れていたため、夫が早期引退して二人で古書店を始めたという。
    次々に、すばらしい本や好感の持てる店に出会い、古書店のオーナーと次第にお馴染みになって、オークションにまで参加。
    店の個性や土地柄の違いも面白い。

    最初は、夫婦のプレゼントに無駄に高額なのを買わないようにしようと、古書の値段の安さを競っていたんですね。
    しだいにコレクションを作るようにまでなっていくんですが。
    魅力的な作家や作品が愛をこめて取り上げられ、19世紀の小説が好きなら共感できること請け合い。
    アメリカでの人気作家の動向も。
    一般の書店はどこも平積みになっているのが同じようなのばかりで、それが次々に変わってしまうという嘆きは日本と同じ?

    オークションも本格的なものはものすごい値段になる。
    映画スターなどの大金持ちの代理人が金に糸目を付けずに買うために、法外な額になるのだとか。
    感じのわるかった店や途中のレストランでのエピソードもユーモラスに描かれ、すべてが楽しそう。
    豪華な本は欲しいとは思わないけど、歴史を感じるエピソードが面白い。見てみたいですね。
    1997年発行。続編も出ているそうです。

  • 古本に興味がない私ですが、思わず神保町に行きたくなりました(笑)

  • 面白かったです。普通の人がコレクターになって、どんどんのめりこんでいく気持ちの変化が手に取るように分ります。途中で稀覯本に出会ってしまい、最初は100ドルでも躊躇していたのに、一回手をだしてしまうと400ドルでも安いと思ってしまう心の中の価格破壊が起こるとことか、すごく分ります。お買い物のいいわけには、高いものを買って免疫ができると書いてありましたね。

  • ただの本好きな夫婦が、おもしろいくらい順調(?)に古書にはまっていくのが楽しい。

  • なんて素晴らしい題名!(笑)

    ずぶの素人だった作家夫婦が見事に古書魔道を転げ落ちて行く様が見もの。
    これを読むと、海外の古書の雰囲気がわかる。日本と感じが違うんだよね。
    向こうじゃペーパーバックはコレクションの対象になっていないけど、
    日本でそれに相当するものは文庫か新書ってところ。
    無論、それを集めてる人は大勢いるわけだ。
    その辺が違うのかな。それから、向こうっていろんな版があるから、それも古書流通の違いを感じさせる理由かもしれない。
    日本じゃ、稀覯本は別世界な感じかするけど、向こうはなんか地続きみたいなんだよね(値段は手が届かないけど)。

    さらに、製本士の話も度々出てくる。
    日本じゃあんまり聞かないもんなー(知らないだけでそういうコレクションの世界もあんだろうけど)。
    革張りやら縁のない世界だ。

    この辺を読むと、古書蒐集は立派な趣味だ、って言われるのが理解できる。
    俺なんかまだまだ情けない……
    しかし、それでも、古本者なら思わず笑い、自分のことかと苦笑いする部分が満載。
    初版にはまるとことかね。

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