診断名サイコパス: 身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫 NF 241)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150502416

作品紹介・あらすじ

酸鼻を極める凶悪犯罪研究の先進国アメリカで、心理学者は異常殺人者に共通するある傾向に注目してきた。つまり極端に自己中心的で著しく情緒に乏しく、人を魅了し操る能力に長けているのだ。彼らはサイコパスと呼ばれるが、このような人間は実はわれわれの身近にも潜んでいる-非行少年、詐欺師、暴力亭主、幼児虐待者、カルト教団の教祖として!多くの実例を通じて「良心の呵責なき者たち」の素顔に迫る戦慄の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 生まれついての悪は確実に存在すると認識させてくれる良書だ。本書は、極端に自己中心的で著しく情緒に乏しく、人を魅了し操る能力に長けている人びと、すなわちサイコパスに関する本だ。残酷で恐ろしい犯罪を犯した人物の話が数多く登場し、非常に面白い。本物の悪は一目見ただけではわからないと本書を読んで感じた。

  • 素人から見てもかなり分かりやすいと思う。
    痒いところに手が届く感じだった。
    サイコパスがどんな考え方を持っているか理解できた。
    普通の人にはやろうとしても出来ない行動をしてしまうので、これは手が付けられないな?と思った。

  • 精神病質チェックリストの発明者である著者が世に送る、サイコパスについての一冊。
    「サイコ」や「羊たちの沈黙」等の小説や映画に並んで、ノンフィクションとして異常犯罪ブームに火をつけた本と言えます。
    似た内容の本は多いですが、大衆向けに書かれた第一人者によるものとして評価されています。
    著者のチェックリストは現場に指針を与え、今後の研究に息づいていくでしょう。

  • 人格障害はまず非常に幼いころに顕著になってくることがわかっている。社会の規制に拘束されず自らのルールに従って成長する。気難しく、自己中心的、攻撃的で嘘が巧み。感化されず社会の寛容さの限界を試す逸脱行動を繰り返す。精神病質的態度や行動は生物学的要因と環境要因がまじりあった結果として見るのが最も正しい。
    ・成人のサイコパスの脳はと正常な思春期にある青少年の脳はに類似性がある。自己中心的で騒動的、わがまま、素早く満足を手に入れたいという気持ちと、サイコパスの特徴は子供特有のそのような特徴と類似性がある。この点は精神病質者が発達の遅延と何ら変わりないということになる。狂気ではなく、9~10歳の子供が隠れている。
    ・ある興味深い生物学的議論によると精神病質という障害が幼いころい脳、特に前頭葉に受けた損傷ないし機能障害に由来するのではないかというものだ。前頭葉は高レベルな精神活動に大きな役割を果たす器官であり、この議論はサイコパスの行動と前頭葉に損傷を受けた患者の行動に類似性があることに基づいている。この類似には、「長期計画が苦手」「欲求不満を我慢することが苦手」「浅い情動」「苛立ちと攻撃性」「社会的に容認されない行動」「衝動性」が含まれる。けれども最近の研究でサイコパスの前頭葉には損傷が認められないことが分かっている。しかし前頭葉が行動の規制を決定的につかさどっていることは間違いのない事実であるから、何らかの理由で前頭葉にある種の機能障害や配線違いがあって、前頭葉がサイコパスの行動を規制できないのではないかという説がある。
    ・共感や恐怖を吹くん感情を経験できない精神病質的特質は、ある部分自然のいたずらによって、胎児や幼児の時受ける道の生物学的影響によってもたらされ、その結果自制心や良心を培う能力や他人との情緒的つながりを育てていく能力が大幅に減退することによって発達すると考えられる。
    ・彼らが生まれ持った資質、つまり環境や社会や学習次第でユニークな人間になるかもしれない生のままの素材は、はじめから社会化や良心の形成には不向きなように作られているのだ。簡単な比喩を使うと、陶芸家は年度から陶器を作るが、その陶器の善し悪しは年度の質(自然)によって違ってくる。
    ・家庭生活が安定していようとしていなかろうと、サイコパスが初めて犯罪を犯すのはほぼ14歳ごろ。
    ・サイコパスの特性を黙認したり支援したり隠ぺいしたり、その価値を認めたりすればそれはサイコパスをかくまう「カムフラージュ社会」という小さな宇宙になってしまい、そこで本物のサイコパスの特性を画すことができ、自分さえ満足できればいいという破壊的な価値観を追いかけ一般の人が危険にさらされることになる。私たち社会が精神病質的人格に見せられるだけでなく、ますますそれを許容するようになっていくかもしれないことを暗示している。サイコパスが、機能しない家族や正直さや公正さとか他人の幸福などにはほとんど価値を置かない、崩壊するコミュニティで育った子供たちの歪んだ役割モデルになる可能性がある。
    犯罪者の大半は軌道から外れているから再び社会に適応させればいいという従来の矯正プログラムの前提をサイコパスに当てはめるのは間違いである。社会という観点から見た場合、確かにサイコパスは一度も軌道に乗ったことがなく自分の曲だけに合わせて踊っている人間にすぎない。サイコパスは共感能力や良心を育てようという努力にあまり関心がない。

  • 有名なシリアルキラーがたくさん出てくる。
    わかりやすいけど、古い本だからか知っている情報も多かったかな?

  • 犯罪者の心理

  • 不可解なサイコパスの行動原理が心理学素人のわたしにもよくわかる内容。
    ただただ残忍な殺人者のイメージがあるサイコパスだけど実際にはそんな犯罪をするのは少数で社会に溶け込んでいる人も多い。しかし彼らは社会とは相入れない存在で周りの人達を不幸にしていく。

    面白かったのは、サイコパスの存在を種の保存の一形態としてみるということ。そういう考え方もあるんだなぁと。

  • サイコパスと分類される人々が、どのような理由によって残虐な犯罪をためらいなく犯すか、そのメカニズムの解説。まとめると、彼らが社会の規則を守って生活する一般的な人々の常識が全く通用しない存在であるということ。失うものが何もなくなって犯罪を犯すか人に無敵の人という表現が冠されたりしていたが、サイコパスは環境的に失うものがないという無敵ではなく、善悪の判断基準が自分という精神的な無敵の人なのかもしれない。

  • サイコパスは、私たちの身近に潜んでいる。彼らはどのような人間なのか?精神病理研究の先駆者が、様々な実例を通じてその特性や行動を詳しく解説する書籍。

    サイコパス(精神病質者)の多くは、社会に存在している。
    北米には少なくとも200万人のサイコパスがいる。彼らは自らの業を押しつけ、人々の日常生活に衝撃を与える。

    多くの研究者や臨床家は、精神病質者と社会病質者(ソシオパス)を交換可能な言葉として使っている。この症候群について、心理学・生物学的な要因が関与していると見る人はサイコパスという言葉を用い、社会の影響力や幼年期の経験に由来していると考える人はソシオパスという言葉を用いる。

    サイコパスの特徴として、例えば次のようなものがある。
    ・話術が巧みで、自分を優秀な人間に見せることができる。一方で、調子がよすぎ、不誠実で皮相的に映ることもある。
    ・ナルシスティックで、驚くほど自己中心的である。また、傲慢で、他人を支配したがる。
    ・自分の行動が他人に迷惑をかけているという認識がない。良心の呵責や罪悪感といったものも欠如している。
    ・共感能力がなく、人の身になって考えることができない。
    ・嘘つきで、ずるく、ごまかしがうまい。
    ・心の抑制がきかず、ちょっとしたことで突如攻撃的になる。だが爆発はすぐに収まり、何事もなかったようにふるまう。

    心理療法(サイコ・セラピー)を効果的に行うためには、患者が自分の心理的・情緒的な問題を認識し、治したいと願うことが大事だ。
    だが、サイコパスは自分に問題があるとは思っていない。ゆえに、ほとんどの心理療法はサイコパスにとって意味を持たない。

  • サイコパス、という言葉が広まるきっかけにもなった本だと思います。サイコパスが持つ不思議な魅力と、魅入られてしまったが最期、結末は悲惨なものに・・・

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