フィンチの嘴 ガラパゴスで起きている種の変貌 (ハヤカワ文庫NF)
- 早川書房 (2001年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (100ページ) / ISBN・EAN: 9784150502607
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進化のメカニズムを深く探求したこの作品は、ガラパゴス諸島に生息するダーウィンフィンチの嘴の変化を通じて、自然淘汰の理論を実証する物語です。著者であるグラント夫妻の地道なフィールドワークは、ダーウィンの...
感想・レビュー・書評
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ガラパゴス諸島において、ダーウィンフィンチと呼ばれる鳥類が、いかにして個別の嘴を持つようになったのか。その疑問を長年研究したグラント夫妻が発見した、驚嘆すべき進化にまつわる物語。
この本はとことん、「ダーウィンの唱えた自然淘汰理論の証明」に取り組んでいると思います。また、ダーウィンが確信していなかった部分についても、ダーウィンの理論が適用できることを証明しています。
改めてダーウィンの先進性に驚くとともに、これほどの地道なフィールドワークによって、劇的な理論に結びつく研究をやってのけた、グラント夫妻は超人です。
個人の生涯で、これだけ多くの疑問に答える実践研究を成果として挙げる人は、今後もそうでないでしょう。
進化論を理解する上ではかなりわかりやすいですし、面白いです。ものすごくよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『進化』とは何かを知りたければ、
まずはこの本を読んでみよう!
『フィンチ』というのはガラパゴス諸島に住む鳥の一種。
『ガラパゴス諸島』は『諸島』というくらいなので
たくさんの島から成っています。
フィンチはガラパゴス諸島のいくつかの島に
住んでいるのですが、彼らの嘴の特徴が
島ごとに違っている。
そのことに目をつけた進化学者が
フィンチの嘴を調べることで
地球上の生き物の『進化』について
研究した顛末が書かれた一冊です。
この本を読んでいてわかったこと。
植物を含む『生き物』は、その環境に合わせて
常に適応していくものなんだということ。
『進化』というのは常に『過酷な環境』で起きた
生き残り競争の結果だということ。
もちろん人間だって例外ではないはず。
我々はいまも進化の過程にいるのです。
生き物に興味のある人は、これを読んで
知識を広げることをおすすめします! -
ダーウィンの進化論の原点とも言えるガラパゴス島で、
ダーウィンがそのとき気がつかなかった フィンチの嘴の進化を
実際、何年もかけて、観察することによって・・
『進化』の臨床記録をし続けた グラント夫妻の物語。
生態は『食性は、完全に昆虫食のムシクイフィンチを除けば雑食である。
地上フィンチは植物食が中心で、花や地面に落ちた種子を拾って食べるが、
コガラパゴスフィンチはイグアナの皮膚の古い角質層や寄生虫も食する。
サボテンフィンチはサボテンの実や葉を食べ、
虫の代わりにサボテンの花粉を媒介する。
樹上フィンチのうちキツツキフィンチやオオダーウィンフィンチは昆虫を中心に食べる。
キツツキフィンチは小枝を道具のように使い
樹木の中に住む昆虫の幼虫を捕食する事で知られる。
ハシボソガラパゴスフィンチは吸血フィンチとしても知られる。』
虫食いフィンチ、地上フィンチ、樹上フィンチに分けられ,
本書では、13種としている。
第1章は、ダフネ島でおこっている フィンチの『進化』を説明する。
食性が大きな役割を果たし、それに対応する嘴が進化する。
グラント夫妻の固体識別法による20年近い観察によって得られた成果。
進化という表現が・・・小さな進化と大きな進化があり・・・
ここでは、小さな進化がとりあげられている。
ダフネ島という隔離されたところで、起こる自然淘汰・・・
旱魃が続けば・・堅い種子を食べるために、嘴は大きくなる。
雨が降り続けば・・柔らかい種子がふえ、小さなフィンチが生き残る。
気候の変化により、植生が代わり、それに対応したフィンチが生き残る。
自然選択・・・自然淘汰は、振り子のように起こる。
1章は、非常に優れた考察でしたが・・
あくまでも、小さな進化についての範囲内のことだった。
これを読みながら・・・
今西錦司氏のすみわけ理論は正しいなぁと思った。
この本は、科学ジャーナリストのワイナーによるもので・・
ダーウィンをどう評価するのかが、きちんと貫かれている。
『ダーウィンの「種の起源」には、
種の起源のことはほとんどかかれていない。
正式な書名は
「自然選択、すなわち生存競争における
有利な品種の存続による種の起源について」
というものだが、特定の種の起源についても、
自然選択についても、生存競争で生き残る品種の保存についても、
何一つ実例は挙げられていない。』15p
バッサリと切っているところに、よさがある。
ダーウィンは言う
『自然選択は、世界のいたる所で、日夜目を光らせていて、
どんな小さな変異も見逃さない。
悪いものは捨て、よいものを取るという取捨選択を、
機会さえあれば、いつでもどこでもおこなっている。
これらの変化は、あまりにもゆっくりと進むので、
長い時間をえた後でなければわからない。』15p
実際に進化を見るということはできないのである。
ダーウィンも進化を見ていない・・・
進化を証明しようと試みているが・・。
進化論は、大いなる仮説だったのだ。
しかし、やはり生物たちは進化しているのである。
変異とは連続するものということから・・・の疑問。
ダーウィンは自問する。
『キリンの尻尾のように、
ハエタタキくらいにしかならないつまらない器官がある一方で、
目のようなすばらしい器官があるということが、
自然選択で説明できるだろうか?』175p
『自然選択の力は、ゆっくりだが確実に働く。
生死はしばしば、ごく些細なことで決まります。
自然選択それ自体が進化ではない。
それは進化につながるひとつの仕組みに過ぎない。』
1949年 ホールデインは、
1ダーウィンを 100万年に1%の変化とした。
大きな疑問
鳥は、9000種ほどあるが、なぜそれほどたくさんいるのだろうか?
自然は、なぜそんなにたくさんの鳥の種を必要としたのか? -
進化は長い年月を掛けて徐々に行われていくものであり、人間が実感として感じる事のできない現象であると考えられがちである。
だが本当は日々生物は選択圧を受けており、それによって生物個体の体は一代一代と世代を重ねる中で変化し続けているのだ。
グラント夫妻のガラパゴスフィンチの研究を中心にその事を証明していく本書はとても知的興奮に満ちている。 -
生物は、地球上に誕生してからどのように多様化してきたのか。私たち人間は、何故この今あるような形に進化を遂げてきたのか。自分たちのことなのにわからない不思議な生物界。本書では、グラント夫妻が20年に亘って続けているフィンチという鳥の研究結果から、生物が進化してきた背景と意味を学ぶ。フィンチとは、ガラパゴス諸島に生息する嘴が特徴的な鳥で、気候変動によって嘴の大きさを変貌させて、種が生き延びる方法を選んでいる。「自然選択」を鳥自身で行っているのだ。ところどころに見られる夫妻の日常会話から彼らの研究に対する熱心さやフィンチに対する愛情を感じることもできて、生物学に詳しくない私にもおもしろく読み進めることができるドキュメンタリーになっている。積極的に引用されるダーウィンの「種の起源」からは、現代の「種の進化」を私たちのより身近なものに感じさせてくれるので、今までの「進化」という言葉に対するイメージが一新させられるはずである。読了後、森羅万象に感謝したい気持ちになる意味で、温かい1冊。ガラパゴス諸島に訪れたくなる。
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松原先生の書籍「君たちはなぜ、そんなことしてるのか?」の巻末にて紹介されていた書籍であり、今回手に取った。
内容はタイトルのとおりガラパゴス諸島でのフィンチの研究であるが、これまでは「ダーウィンが進化の構想のきっかけになった島でエルニーニョ現象で環境変化が激しいだよね」位の認識しかなかった。しかし、この書籍を読んで、なぜガラパゴス諸島の研究が進化研究で注目されているのかの理由を知ることが出来、自然界でそこまで厳密に進化研究が出来ていることに驚いた。
具体的には、物理的に島以外の環境から隔離されている環境で、ある島ほぼすべてのフィンチに対して形態的な差異の記録を取り、その個体がどれだけの雛を育てたという情報だけでなく、そのフィンチが餌にしている植物量の計測を20年以上にわたって記録しており、そのような研究があることに驚いた。また、そのデータを基に分析される形態変化に関する研究が説得力を持つことも納得した。
「進化」を自然界でしかも短期間に確実はデータとともに観察出来た先駆的な研究として評価されている理由が理解でき、非常に楽しく読むことが出来た。 -
ガラパゴス諸島で20年の長きにわたりガラパゴスフィンチの体のサイズとその生存率を丹念に追った研究者夫妻のノンフィクション。非常に興味を惹かれる書き方で、スイスイと読み進められる。
ガラパゴス諸島は独自に進化を遂げた野生動物の楽園としてよく知られているが、その夫妻は孤立して人も近づかない離島の鳥に注目した。そこでは餌となるサボテンやハマビシなどの植物とフィンチたちだけのほぼ孤立した環境で、生態学の研究を行うには理想的環境であったからだ。彼らはそこで、ほんの0.5ミリ程度の嘴のサイズの違いがフィンチの生存率に大きく関係していることを見出した。旱魃で、食べられずに残されたのはサボテンの固い種子だけという時期は、長い嘴が生存に圧倒的に有利にはたらく。ただ長ければよいというものではなく、雨量が多く、柔らかい種子が大量に利用できるときは逆に短めの嘴が有利になるなど、環境変化に応じて、生き残るフィンチの体の特徴は敏感に変動する。
その差が大きくなったときに、さらに別の環境要因の変化が進化の「山」を引き離す方向に働けば、まさに我々が別種として認識する種が誕生するのだろう。
ただ、ここで上げられるフィンチの例は、まだ種として確立できないレベルの中での変動であり、そこから飛び出して種として独立するところを観察で見出すのはやはり難しいと感じる。極端な話をすると、チンパンジーを数世代飼育しても人間にはならないし、逆もしかり。
また、本書では、フィンチの嘴の長さの変化をもって進化が見られるとしているが、これは実際のところDNAの配列の変化まで伴うものなのだろうか?
また、ほかの例として挙げられている、捕食者の存在による魚の模様、色の変化についても、数世代で起こる変動は我々が通常抱く「進化」という概念と本当に適合するのか、そしてDNAの配列変化があるのかそのあたりは疑問が残った。
夫妻が研究を行った70-80年代はまだまだ分子生物学は限られた人たちのものであり、また現代のように各種の遺伝子配列が簡単に同定、報告されている時代ではなかったため、その疑問に答えるだけの内容はかかれていない。本書ではミバエにおける酵素の組み合わせの違いを取り上げているが、あまり説得力がないように思える。
ただ、これらの疑問は本書がかかれた以降のこの20年の間に確実に解決されているはずだ。
また、一部分子生物学の話が出てくるが、一般の読者にもわかるよう細部を省略しているのがかえって解りにくくなっている点は否めない。 -
通常は観察するのは難しい生物の進化を、ガラパゴス諸島の中でも特に周囲の環境から隔絶されたダフネ島にて観察した内容を元にした本。ガラパゴス諸島では一般的であるダーリンフィンチという鳥についての観察の話が中心である。俺の一世代ぐらいの期間で、ダーウィンの言う自然淘汰を観察できるとは非常な驚きであった。
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Library
★5
Reserved -
上野でやってた大英博物館展で
ダーウィンが捕まえたフィンチを見たけど、
けっこう小さい鳥だった。
本書にはフィンチのくちばしを計測する重要なミッションがあるのだが、
ああいう小さな鳥の小さなくちばしを計測してやっと科学的に進化論が説明できるのだなと変なところで感心した。
わかったつもりだった進化論がやっと理解できた。 -
『自然は常に一定ではなく、同様に生物の形も一定ではない。』
そう教わったからという理由だけで進化論を信じているならば、創造論支持者となんら変わるところはない。というわけで信じるための進化論その一。「自然選択による種分化」の計測。ガラパゴス諸島の一つの島で、ダーウィンフィンチという鳥類を計測し続けることで見えた進化の話。
干ばつ、洪水の影響で食べるものが変わり、生き残るものが変わり、形を変えていくダーウィンフィンチ。それは創造論支持者を即黙らせられるほど大きな変化ではないが、自然が生物の形を変容させていく確かな進化の証拠。
本書は予測し、計測し、分析することで進化を目に見えるスケールにした研究と研究者の物語。 -
ピュリッツァー賞受賞作品。ガラパゴス諸島に生息するフィンチという鳥は、ダーウィンの時代から生物進化の研究材料になっている。閉鎖された環境でグラント夫妻をはじめとする研究者たちは、生息するすべてのフィンチに戸籍をつけ家系図を作成し、体長や嘴の長さ・形を計測している。それにより過酷なガラパゴスの自然においてどのように自然選択が行われるか調べることができる。干ばつや洪水により木の実が少なくなった時には、嘴の少しの差で生存できるかどうかきまる。現在でも自然淘汰は行われており進化論を裏づけるデータ解析が地道な研究によりなされている。
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「フィンチの嘴」4
著者 ジョナサン・ワイナー
訳 樋口広芳、黒沢令子
出版 早川書房
p43より引用
“ゾウガメがたくさんいたので背中に乗ってみたり、ウミイグア
ナを捕まえては何度も海に放り込んだりした。”
科学ジャーナリストである著者による、ガラパゴス諸島におけ
る動物学者たちの地道な研究の成果を紹介する一冊。
ダーウィンがガラパゴスに上陸した時のエピソードから現在も小
鳥たちに起こっている変化についてまで、美しい動植物のイラス
トと共に書かれています。
上記の引用は、ダーウィンが島についてからの行動を記した一
文。今では著名なダーウィンですが、この話を読むと何だかただ
の悪ガキのようです。
本文が460ページ超の大作なので、すみずみまで読むには結構な
労力が必要かと思います。
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大学生の頃読んで感動した本。
ビーグル号を読んだら、また読みたくなってきた。 -
第1部 現生に見る進化
第2部 新たなる生物
第3部 G・O・D -
化石から推し量る事しか出来ないと思いがちな動物たちの『進化』。
けれどもそれは、今という今も私たちの間近で、目に見える速さで進んでいる――。
進化論発祥の地ガラパゴス諸島。
その中の小さな溶岩の島で、生息するダーウィンフィンチを一羽残らず識別し、気象条件や食物と嘴の変化の因果関係を20年に渡って追い続ける研究者夫妻が目の当たりにした、刻々たる鳥たちの変貌のルポルタージュ。 -
進化に関する本。自然科学が好きな人はいいかも。読むのが結構大変だった。
著者プロフィール
樋口広芳の作品
