マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

  • 早川書房
3.74
  • (33)
  • (45)
  • (51)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 665
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150502904

作品紹介・あらすじ

DNAの断片を増幅するPCRを開発して、93年度のノーベル化学賞に輝いたマリス博士。この世紀の発見はなんと、ドライブ・デート中のひらめきから生まれたものだった!?幼少期から繰り返した危険な実験の数々、LSDのトリップ体験もユーモラスに赤裸々告白。毒グモとの死闘あり、宇宙人との遭遇あり…マリス博士が織りなすなんても楽しい人生に、きっとあなたも魅了されるはず。巻末に著者特別インタビュー掲載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 破天荒でチャーミングなノーベル賞受賞者マリス博士の自伝。マリス博士が終始人生を楽しんでることが伝わってきて、楽しくなる。日頃接することない科学のお話もちょっと勉強になった気がしてお得な気分。

    「科学を語る人々」の章では、自分で考えることの大事さ、世の中で言われていることへの疑いの視点を持つことの大事さを学んだ。

  • 【文章】
    とても読み易い
    【ハマり】
     ★★★★・
    【気付き】
     ★★★・・

    瞑想状態だと、体の電気抵抗が高くなる。

  • 帯表
    PCR法の意外すぎる誕生秘話とは?
    最高に破天荒なノーベル化学賞受賞者の抱腹絶倒の自伝
    裏表紙
    DNAの断片を増幅するPCRを開発して、93年度のノーベル化学賞に輝いたマリス博士。
    この世紀の発見はなんと、ドライブ・デート中のひらめきから生まれたものだった!?
    幼少期から繰り返した危険な実験の数々、LSDのトリップ体験もユーモラスに赤裸々告白。
    毒グモとの死闘あり、宇宙人との遭遇あり···
    マリス博士が織りなすなんとも楽しい人生に、きっとあなたも魅了されるはず。
    巻末に著者特別インタビュー掲載

    本書は、二〇〇〇年二月に早川書房より単行本として刊行された作品を文庫化したものです

    1 デートの途中でひらめいた!
    2 ノーベル賞をとる
    3 実験室は私の遊び場
    4 O・J・シンプソン裁判に巻きこまれる
    5 等身大の科学を
    6 テレパシーの使い方
    7 私のLSD体験
    8 私の超常体験
    9 アボガドロ数なんていらない
    10 初の論文が《ネイチャー》に載る
    11 科学をかたる人々
    12 恐怖の毒グモとの戦い
    13 未知との遭遇
    14 一万日目の誕生日
    15 私は山羊座
    16 健康狂騒曲
    17 クスリが開く明るい未来
    18 エイズの真相
    19 マリス博士の講演を阻止せよ
    20 人間機械論
    21 私はプロの科学者
    22 不安症の時代に
    謝辞
    訳者による著者インタビュー
    訳者あとがき

  • ノーベル賞受賞した博士のユニークな自伝。
    うん、美智子様との会話とかが載っててへぇーと面白かった。

    多分読もうと思ったのはPCR関連でだと思う。
    人間性もすごいなと思うけれど、濃い人生送ってんなぁと尊敬する。

  • 無類の女好きでバツ4ながらノーベル賞学者ってすごい!
    勉強や研究一筋でなく色んな個性があって人間なんぼだよなあってつくづく思う。

    とはいえ子供のころから科学遊びに夢中で、ジョージア工科大を卒業して、第一線の研究者として活躍し続けついにはあのPCR技術を確立...、これが出世できる人ってところなのかな。しかし本書で綴られた多様な人生経験は嫉妬するほど羨ましい、(今更だけど)自分ももっと活動的にならなくちゃ。

    しかしマリス博士もPCR検査がここまで生活の中に入り込んでくるとは、まさか想像できなかっただろうなあ。

  • 自由奔放、奇抜、変人、とにかく愉快なマリス博士。しかし、科学、社会に対して真摯、正直な科学者である。利己的、利権のための科学が蔓延る世の中では、こういった科学者が必要である。その人柄もユニークで、現上皇后との会話、様子からも読みとれる。あらゆる事象に対し、人間の手が届くのは一握りであり、その前では謙虚になり、肩の力を抜きながら、人生を楽しむ、マリス博士の人生は豊かなものだったと感じる。

  • 20220215 読了
    4.8評価、四捨五入で☆5つ

    覚書
    ・デートの途中でひらめいた! ・ノーベル賞をとる
    ・実験室は私の遊び場 
    ・OJシンプソン裁判に巻き込まれる
    ・等身大の科学を  ・テレパシーの使い方
    ・私のLSD体験  ・私の超常体験
    ・アボガドロ数なんていらない
    ・初の論文がネイチャーに載る
    ・科学を語る人々  ・恐怖の毒グモとの戦い
    ・未知との遭遇   ・一万日目の誕生日
    ・私は山羊座    ・健康狂騒曲
    ・薬が開く明るい未来 ・エイズの真相
    ・マリス博士の講演を阻止せよ ・人間機械論
    ・私はプロの科学者 ・不安症の時代に

    理系ではない私が読んでも非常に面白かったので、
    ガッツリ理系の夫に読ませたくて堪らない本!w
    エッセイで、また読みたいと思ったのは
    マリス博士のこの本が初めて。

    567パンデ前に、自宅で不審な死を遂げたマリス博士。
    この人もいとも簡単に消されてしまった御方の一人
    かも…とか、勝手に想像してしまった。。

  • ノーベル化学賞受賞者がサーフボードを持ちながら微笑んでいる、そんな表紙に惹かれてなんとなく手に取ってみた。

    読み始めて初めて、PCRを発明したのがマリス博士で、PCRでノーベル化学賞を受賞したと知った。
    PCRと言えば新型コロナウイルスの感染拡大のせいで毎日ニュースで聞かない日はないほどなのだが、実際のところそれがどんなものなのか知らなかったので余計に興味を掻き立てられた。

    内容としてはマリス博士のキャリアの中から面白い(思い出深い?)エピソードをピックアップして取り上げるようなエッセイなのだけど、どのエピソードもブッ飛んでいて面白い。壮大なスケールの悪ふざけを真面目にやっている印象。
    1ページ目からマリス博士のことを好きになってしまった。

    特に幼少期のエピソードは興味深い。クリスマスプレゼントに科学実験セットをリクエストする少年。火薬を作り爆発させて遊ぶ7歳児。自作ロケットでカエルを飛ばして遊ぶ9歳児。こんな年齢でこんな知的な遊びができることも驚きだけど、それ以前にスリリングすぎる遊び方に度肝を抜かれた。

    またその後のキャリアの中でやっていた化学実験ひとつひとつも驚きの連続。(ドレアー高校、ジョージア工科大学、UCバークレーと、シータス社と化学のフィールドで思う存分遊べるキャリアを築いていった。)いろいろな化合物を合成するにあたり成功もすれば失敗もする。有害な物質が発生することもありハラハラしながら読んだ。下手したら自分自身や他人の命を危機に陥れていたかもしれない・・・けれどもどのエピソードも軽妙なタッチで進んでいくのがマリス博士らしさ、というものなのか。

    上記以外でもO.J.シンプソン裁判(昔聞きかじったことがあるけどどんな事件か忘れてググった)も、アメリカの裁判制度や陪審員制度、DNA鑑定について知れて面白かったし、LSD体験や超常体験、毒グモとの戦い、未知との遭遇も面白かった。人一人の人生としては濃すぎて、バリエーションに富みすぎていて、とても一人の人生とは思えない。
    科学者や研究者というと、象牙の塔に籠っているイメージが強いけれど、マリス博士はサーフィンやキャンプなど自然を楽しんだり、男性女性問わず多くの交友関係を持っているからこそ、なのかなと思う。

    また、超常体験や未知との遭遇など、非科学的な体験についても記しているのが意外だった。別のエピソードでは占星術についてもかなり真面目に研究したと書かれている。科学的に証明できないことも事実として認め、著書に記すというのは科学者としてはなかなかできることではないんじゃないかと思う。バイアスをかけずにあるがままを受け入れる、科学者にはそういう姿勢が必要なのかもしれないし、マリス博士はそういう柔軟な人間性を含めて魅力的なんだろうと思う。
    (占星術がもし科学的に証明されたらめちゃくちゃ面白いだろうな、と考えながら、普段やらない占いをちょっとやってみようかなと思ってしまった。)

    他にもハッと気づかされるような内容も色々あり、特に科学を取り巻くビジネスについては考えさせられた。地球温暖化、オゾン層、絶滅危惧種・・・なるほど私たちは危機を煽られ踊らされてるだけかもしれない。科学は現代の宗教になってしまったのかもしれない。正しく情報を読み取る力が今後一層必要になると感じた。
    エイズの問題も然り。論拠となる論文がない、ということや治療効果が分からないままに新薬がつかわれること・・・これが本当だったら恐ろしい。バイオテクノロジーにはポジティブな印象を持っていたけれど、一歩間違うと健康や人命を金儲けに利用できる危うい分野だということに気が付いた。

    こちらの本は翻訳されたのが福岡伸一先生ということで、そこも楽しみながら読ませてもらった。
    アメリカの研究室で研究されていた科学者として、かなり精度の高い翻訳をして下さっていると想像される。
    (Dancing Naked in the Mind Fieldの邦題はイマイチしっくりこないが・・・せっかくのカッコいい原題がもったいない・・・原著をあたると他にもそういった箇所が他にもあるのかもしれないが・・・)
    巻末には訳者によるインタビューまでついていてそこも楽しませてもらった。
    マリス博士は自分自身を「オネスト・サイエンティスト」と称しているのがとてもとてもしっくり来て、すごく納得感があった。自分の意思や思考、興味や情熱に素直だからこその行動なんだな~、と。
    それから、バイオCDなどの新しい発明も読んでるだけでワクワクしてしまう。(私が読んでる時点では新しくないんだろうけど、これまで知らなかった!)
    カリフォルニアのビーチを望むコンドミニアムでこの2人が対談していることを妄想するだけでもかなりニヤニヤできる。

    マリス博士は物理的にも精神的にも人生を楽しみつくした人だろうと思う。波乱万丈ながらも豊かで深みのある人生で羨ましい。(4度も結婚した人も珍しいと思う)人生楽しむには自頭、知的好奇心、バイアスのないフラットな思考、またそれを実行に移す勇気が必要なんだと思う。

    これらのヒントを少しでも子育てに役立てられたら、またこれからの人生に役立てられたらいいな。

    ー追記ー
    先日、この時点ではお元気だった博士はすでにこの世にはいらっしゃらないことを知った。対談では元気な様子だったけれど、この本が出版されたのがもう21年前の話なのだから仕方ない。博士がいまコロナの感染拡大やPCR検査を見たらどう思うのかな・・・と考えてしまった。

  • 破天荒な人生を歩んだノーベル賞科学者のエッセイ。大半の事柄は証明が難しく、科学者的なアプローチにこだわっていない点が面白かった。彼の長所は嘘をつかないこと、虚飾を張らないことに尽きる。UFOに会った、超能力を体験した、という三文記事が、科学への玄関口として用意されているところに真骨頂を感じた。

全51件中 1 - 10件を表示

キャリー・マリスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×