異端の数ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF 数理を愉しむ)

  • 早川書房 (2009年5月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784150503499

感想・レビュー・書評

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  • ゼロ、そしてその対となる存在・・・無限と、科学者達との戦いの歴史である。

    これまで学校で何気なく習ってきた数学や物理の方法論の裏に、こんなドラマがあったとは驚き。
    学校で習っているときは、「そういうものだ」という感じで説明が始まるので、受験やテストでいい点を取るためのお勉強を抜け出ることは無かったが、こうして各方法論がどうして必要とされたのかや、その成り立ちを知ると、俄然興味が湧いてくる。
    読んでいると、ゼロと無限を克服するための科学者達の発想にいちいち感嘆の念を抱いてしまうのだが、個人的には、複素数を理解するために考えだされた「リーマン球」の発想は本当にとてつもないと思った。
    虚数という、一見して理解を超える存在を理解するために、それらに対する操作を、幾何学操作に置き換えるとは、どのような発想の転換であろうか?
    自分には1000年たっても考えつきそうに無い。

    全編を通して、難しい数学や物理の概念を、分かりやすい例をあげて説明してくれている。
    それでも、相対性理論や量子力学の部分になると、例自体に無理があるというか、それでも難解なのだけど、自分のような素人でも曲がりなりに最後まで読めるように書かれているのはすごいと思った。

  • ゼロという概念は今まであまり深く考えたことがなかったが、かつてはそれが人間自身の存在理由を脅かす程の脅威の概念であったとは知らなかった。

    本書の内容は数学のみならず、宗教、美術、物理学、量子力学など多岐に渡っており、読んでいるうちに今まで正反対の学問と思っていた数学と哲学の境目がわからなくなってきた。

    生きているこの世界、自分自身とは一体何なのだろう。日々当たり前のように生活している現実の世界が、読んでいるうちに徐々に当たり前ではなくなってきて、ナイーブな子どもの時に感じていたのと同じような不安が蘇えってきた。

    数学も哲学も究極的には「人間とは何か」という問いの答えを探す営みだと思うが、ブラックホールやビッグバンの途方もない話を読んでいると、いつも思うのだが、観察や実験に基づく従来の科学は限界を迎えつつあり、人間はかつてのように神話や哲学の世界に戻らざるを得ないような状況になっているんではないかと素人的には思ってしまう。

  • 数学だけでなく物理学・歴史学・宗教学・神学・人類学など様々な論点からゼロをひもとく。と言いつつまあ終盤は物理寄りになるのは致し方ない。個人的には哲学方面、ハイデガーやニヒリズムについてなども触れてほしかった。

  • キリスト教世界がなかなか 0 という概念を受け付けなかった理由を読むと、宗教のばからしさをしみじみ感じます。
    正直、「キリストって何様のつもりさ?」って感じ。
    数学がとても苦手だって人にも安心して勧められるわかりやすい内容。
    もしかすると、昔ダメだった微分なんかについてわかった気分になれるかもしれません。(^^;

  • 数学の歴史について書かれた本は多いが、本書はゼロという切り口で数学に歴史を振り返る視点が新鮮。
    特に前半のゼロが発見されるまで(受け入れられるまで)の歴史と、ゼロがないことの問題点の指摘は面白い。PCのキーボードで1ではなく9の隣にゼロがあるのはなぜか、という現代まで続くゼロなく時代の問題などの具体例もわかりやすい。

  • ゼロと無限は隣合わせとなっている。ゼロと言う概念がいかに受け入れ難いものだったかが、数学はもとより、宗教や哲学からも述べられている。現代人には特になんでもないような事にも感じるが、ゼロの概念は奥深いものである事が分かった。
    量子力学や相対論におけるゼロの位置づけは興味深い。ゼロと言う概念に関する書籍は複数あるが、改めて歴史を紐解くと様々な発見がある事がわかり、面白かった。

  • ▶図書館にあり。感激。

    ● 2025年2月20日、Yahooフリマで「すごい物理学入門 -河出文庫」の新着通知がきて開いたら「関連するおすすめ商品」にこちらの本が表示された。500円。

  • ほとんど理解できてないんだけど、こういう本見かけると読んでしまうんだよな。

  • 2010/2/24 読んでるところ 4/17 読み終える。

    無と無限 それは数学の問題でもありますが、根源的な宗教や 哲学の問題にもなります。
    ゼロは、無と無限に対する考え方とともに、歴史を歩んできました。
    読めば読むほど、無と無限とゼロは 難しいですね。
    おもしろく内容の濃い本です。

    ゼロも無限も、いまだに解き明かされていない。
    いろんな学説が唱えられるが、今一番支持されている学説にしても、真偽は証明できないということだ。
    物質の最小、真空、宇宙の誕生から終わりまで、などは 決して人間は知ることができない。
    だからこそ、あれこれ考えたり 新しい説を見聞きするのは楽しい。

    内容と著者は

    内容 :
    アリストテレスを戦慄させ、近代科学の祖デカルトが否定し、天才アインシュタインが挑んだゼロ。
    最新のコンピューター・システムをも破壊するこの数字の驚異と歴史を描くポピュラー・サイエンス。

    著者 :
    サイエンス・ライター。イェール大学で数学の修士号を取得。
    『ニュー・サイエンティスト』記者。『エコノミスト』などにも寄稿する。ワシントンDC在住。

  • 訳:林大

  • ずっと読みたいと思っていたけど、見つからず、ついに遠い町の図書館からお取り寄せをしてしまった。
    0ゼロにまつわる発見から現代の宇宙論までの物語。実は他の数とは著しく異なる概念なんだそう。
    アリストテレスやニュートン、アインシュタインなど有名な人がたくさんでてきて、様々なエピソードが盛り込まれている。薄い文庫本だけどすごい読み応え。
    正直、微積分あたりから睡魔との闘いでしたが笑、総じて面白かったです。
    ゼロと負と虚数の概念が球体をつくるリーマン球体なんて、実際は微塵も理解してないんだろうけど、わかったような気分になれるサイフェさんの文才がすごいと思った。
    数学=科学と思っていたけど、違うんだな。むしろ哲学的なところもあるらしい。11次元のM理論なんてなんじゃらほいと思ってたけど、哲学です、といわれたら少し納得できそう。
    こういう世界の仕組みが少しわかった気になる本は大好きです。

  • ゼロと無限大は何やら神秘的でミステリアスな魅力がある。
    私は理数が苦手で、この内容をよく理解できたわけではないが、大変興味深く読ませていただいた。
    「無」と「無限大」が完璧に解き明かされると何が待っているのだろうか。恐ろしいほどの革新的で飛躍的な理論と技術の進歩、そして何物をも滅ぼすという恐怖の理論の両方が待ち受けているのかもしれない。

  • 西洋が恐れたゼロの存在を、その理由を明確に説明しながら解説しています。
    ゼロと無限の対比、ゼロの実在もよく分かりました。
    東洋で発見されたゼロがどのように西洋に入っていったのかも、歴史的な流れから理解できました。
    後半は数式が多用されており、数学に疎い私には理解不能な部分が多かったです。
    前半部分だけでも、十分楽しめました。

  • 「ゼロで割る」を読んでなんかゼロいいなあ、と思い、そういえばこれまだ読んでなかったなあ、と手にとって見た。
    前半、数学的なゼロの話をしているパートは面白かったけど、物理学の話になってからは、うーん、って感じだった。

  • 読了。

    異端の数ゼロ 数学物理学が恐れるもっとも危険な概念 / チャールズ・サイフェ

    数字ゼロの歴史
    ゼロがどうきてどうなったかのお話。

    数学史大好物です。
    やる夫で学ぶフェルマーの最終定理で火がつき、サイモン・シンのフェルマーの最終定理で燃え盛りまして、その流れでガロアも読みました。
    読んでない数学史(数学者伝)がもう少し積んであります。
    ※ただし数学そのものはすきじゃない。

    ゼロの始まりから
    拒絶したヨーロッパ、受け入れたアジア圏
    宗教がらみからアリストテレス至上主義からアリストテレス崩壊、
    ニュートン、ライプニッツの微積分。
    建築学にも飛び火し、
    物理学さらには量子力学、一般相対性理論へとゼロの話は続きます。

    全般的に数学物理学がわからなくてもよくなってますが、頭が痛くなってくるのは学生時代を思い出したくない拒絶反応からでしょうか...

    ゼロにまつわる歴史とエトセトラ。
    ゼロの概念の一番最初はインドではなく古代バビロニア
    数字として出てきたのはインドということらしいですね。
    アリストテレス、ピュタゴラス、コペルニクス、デカルト、パスカル、ニュートン、ライプニッツ、ガウスなどなど、様々な有名人たちが出てきますね。

    読み進めるのはなかなか時間がかかりましたが、おもしろかったです。

  • 後半の物理学が面白い。タイムマシン作れないかな?

  • 電子銃から電子を互いに干渉しないよう一つずつ発射したはずなのに、スリットを抜けた先の着地点では干渉した縞模様が現れる。量子力学は現代の”直観に反する”学問の代表の1つである。だか、かつては直観に反していたが、今はもうそれなしの世界は考えられない概念がある。それがゼロと無限大。
    ”全く存在しない”状態と”限界なく存在する”状態。そんなもの現実世界には存在しないし幾何学的にありえないし四則演算の法則を破壊する。ピタゴラス、アリストテレス、アルキメデスら名だたる数学者達に退けられたのも頷ける。だが、時代が進み、ルネサンス。”概念”と現実世界の折り合いがついてくるにつれ、ゼロと無限の有用性が受け入れられ始める。真空、一点透視法、座標系、そして、宇宙のはじまり。一度受け入れてさえしまえば、応用は早い。その後、極限、虚数、ブラックホールと考えが広がり、ついには”無限小を無限回"足し合わせる微分積分なんてよく考えるとわからなくなるような概念さえ、多くの人類が正しいものとして受け入れるようになった。
    今日においては、かつてあれだけ排斥されてきたゼロと無限大の奇妙さは、本書のような”きっかけ"に改めて問われない限りは気付かれない領域にまで至った。今は不可思議な量子力学についても、時代を経れば、よく考えてみるとなんか変だけど、当然あるものとして受け入れられるようになるのだろう。ゼロと無限大には約2,000年かかったが、今度はどうだろうか。現代の速度は、速い。

  • 「ゼロすげー」ってなるんだけど、0という概念が当たり前の世界で育ってきた僕たちからすると、いまいちピンと来ない部分もあったりします。でもゼロすげー。

  • ゼロの歴史背景やそれに関わる数学者達の葛藤。
    初めて知ることが多くて、とても興味深かった。途中、数式が出て来るあたりで文系の私には理解するのが難しく、ぽかーんという感じになってしまった…。また挑戦したいです。

  • まだ途中だけど面白い。ゼロの始まりに目から鱗。時間が細切れにしかとれず、数学が得意でないので、おなじところを何回も読む。読了はいつだろう。

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