量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (ハヤカワ文庫 NF 361 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
- 早川書房 (2009年12月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150503611
作品紹介・あらすじ
0と1の切り替えの連なり-どんな高性能コンピュータも、根本にあるのはこの原理だ。だが、0と1の状態が「両方同時に」あり得たら?量子力学に基づいた、一見不可解なこの「重ね合わせ」状態を用いることで可能になる、想像を絶する超高速演算。その実現は科学の大きな進歩を約束する一方、国防や金融を根底から揺るがす脅威でもある…話題の次世代コンピュータの、原理から威力までがこの一冊でわかる最良の入門書。
感想・レビュー・書評
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この本に好感を持てるのは、著者も多くの読者と同様に、量子力学の概念を理解しようと格闘している門外漢だと宣言してくれていること。量子力学を直感的に理解することを放棄するところから始めるのがよいか?(なんだそりゃだが)
コンピュータの基礎や量子力学の基礎を様々なたとえで限界まで単純化して説明してくれるところからはじまる。(厳密性は敢えて放棄している模様)
量子チューリングマシン、量子暗号と話が進むにつれて、理解不能に陥ってぼんやりとしてしまった。(著者のせいではない。量子力学と私のせい)
しかしこれが実装されたら世の中がひっくり返るな。
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難しすぎてさっぱり理解できなかった。
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初学者には難しい内容だ。著者は様々なメタファーを用いて、極力専門用語を排除する形での説明をしようとするのは伝わるが、いかんせん概念的であり、理解できない。おそらくもっとわかりやすく本がいまはあるのでは。
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イオンや光子などの「量子」を使ってコンピュータを作ったらどのようなものであろうか、という幽玄なお話。
前半、レガシィ・コンピュータは0と1をめんめんと逐次処理するプロセスである、という説明は非常にわかりやすい。
ところが、本題の量子コンピュータの説明に入って、「量子は0と1の状態を同時にとることができる」なんていう記述が出て来た途端に激しくつまづくわけだ。身の回りの、いわば見かけ上の物理法則とは乖離した世界の話である。
いったいどうやってその量子をコントロールするのか。で、どうやって問題を入力し、回答を取り出すのか。まったくわからん。・・・この本にもその辺のことが書いてあったかも知れないが、全然読みとれなかった。ああ、知性の危機(笑)。
ともあれ、量子コンピュータというのがなんかあって、たとえばとても大きい桁の因数分解とか、タンパク質のふるまいとか、NP完全とか、総当たりで計算するとスーパーコンピュータでも千億年の単位が必要になる問題を解くためのブレイクスルーになるかも知れない、まったく新しいチャレンジであることだけはワカッタ。
こんな本を読んでいたら、たまたまIBMが開発している量子コンピュータに関するニュースが報道された。
そういえばデコヒーレンスとかNOT演算とかのくだりもあったかなぁ…(遠い目)。 -
量子の重ね合わせ状態は測定すると壊れてしまう。量子ゲート型コンピュータの計算過程は、情報を量子世界の中に留めたまま、キュビット同士がお互いに情報を読み取ることで行なわれる。すべての情報は計算が終わるまで厳重に隔離しておかなければならない。そうしなければ計算は失敗してしまう。
また、素粒子間のあらゆる相互作用は、時間に関して対称でなければならないため、量子計算は完全に可逆でなければならない。量子コンピュータに使う量子ゲートを一個一個の原子や素粒子から作るとしたら、そのゲートは計算を可逆な形で処理できなければならない。入力を出力に変換し、それを再び入力に戻すことが可能でなければならない。
量子コンピュータを構成するには、スピン、エネルギー、力学的振動、電荷、どれでもかまわない。大事なのは、その粒子を同じようにラベル付けした別の粒子との相互作用させることだ。 -
タイトルの通りの内容。入門者向けにはこの程度で解説するしかないよなぁという感じ。
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360円購入2013-12-18
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何をブラックボックスとして扱うか、
という点を明記しながら量子コンピュータの概要を解説。
全体を俯瞰して、そしてブラックボックスを1枚剥ぐ。
そのアプローチで解説を進めており、
全体像をつかむにはとても分かり易いと思った。
例え話を入れたり、
現在のON/OFFビットとの比較を入れたり、
著者の言う通り、
「(著者自身も含む)門外漢に分かり易く」
を意識した本だと感じた。
個人的には、
「重ね合わせの状態をどう"収束"させて解を求めるのか?」
というのが一番気になる点だったのだが、
結局のところ理解できなかった。。。