ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
- 早川書房 (2010年5月21日発売)
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感想 : 51件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784150503666
感想・レビュー・書評
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著者のリプチンスキさんは奥さんのことが大好きみたいです。わたしといっしょ。
表紙を見るとサブタイトルに「この千年で最高の発明」とあります。そしてタイトルが「ねじとねじ回し」、だから、ねじとねじ回しが最高の工具なんですよね。
それについては特に異論はありません。しかし、どのようにして「最高」に選ばれたのか、とても興味がありました。
誰がどんな判断基準で?ほかにどんな候補があったんだろう?とか、思ったんです。
この本が書かれるきっかけは、ニューヨーク・タイムズ紙からのエッセイ執筆依頼、内容は「最高の道具(工具)」にしてくれと。例のミレニアムのために特集したかったみたいです。
どうやって決まるのかなと読んでると、え?!なんだよ~このグダグダの決め方はと思ってしまいました。
でも、わが身を振り返っても同じか・・・しょせん「夫」とはそういうものだよね。わかりました、ねじとねじ回しでいいですよ〜。
裏表紙とかに書いてある内容紹介だと、さもミレニアムに選ばれて当然みたいに書いてあるけど、ちょっと違うんじゃない。
リプチンスキさん、途中からやる気出したみたいだからいいけど。
ということで、この本は工具史とか技術史とかの、歴史本です。リプチンスキさんが歴史をどうたどったらよいかを見せてくれます。そこがおもしろいです。
第一にみるべきは、オックスフォード英語辞典みたいです。そこから文献をたどるようです。どの項目を見るかがポイントみたいですね。
それからフランスの百科全書、博物館ににも行く。図版や絵画にチョッコと描かれている道具や機械に注目するのも大切みたいです。ねじが使われていること多いから当然ですね。
特におもしろいのは、旋盤とねじの精密さを追い求める物語でした。
フランスの蒸気機関のパイオニア、E・M・バタイユさんの言葉に感動しました。
引用;P130
「発明とは、科学者の詩作ではないだろうか。あらゆる偉大な発見には詩的な思考の痕跡が認められる。詩人でなければ、なにかを作り出すことなどできないからだ」
さすがフランスのかたです。
そして物語のシメは、紀元前ギリシア、シチリア島の「ユーレカ!」でおなじみのあの人です。映画でインディー・ジョーンズ博士とも共演してました。
その物語を読むと、もしも古代ギリシアの科学技術が滅びることなく発展していたら、としばし夢想してしまいます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある日、著者のもとにエッセイ執筆の依頼がきます。
テーマは「この千年で最高の工具」について。
建築学や都市論を専門とし、自宅を自分の手で建てたこともあるという著者ですが、工具箱の中身を見てもなかなかテーマに合った工具を決められず頭を悩ます日々…。
そんな著者にひらめきをもたらしたのは、妻の「ねじ回しはいつだって何かに必要なのよ」という言葉でした。
図書館や博物館で、ねじとねじ回しの歴史を辿る過程のなんとわくわくすること!
OEDや『百科全書』をはじめ、職人の技術書や手仕事に関する図書などの数々の文献、博物館に展示された甲冑や火縄銃、デューラーの版画などなど、さまざまな資料からねじとねじ回しを見つけ出していくのです。
圧搾機、脱穀の動力となる水車、武器や武具、印刷機、時計などなど。
人間の歴史を遡って考えてみると、人々の暮らしを支える道具にねじが使われている事実に改めて驚かされました。
そして現代に至るまで、ねじの精度を高めてきた職人たちの姿にも胸が熱くなります。
本書のおかげで、ねじを見る目が変わりそう…。
絵入りの工具小目録がついていたり、図版も多数収録されているので、工具類に疎い私でも楽しみながら読むことができました。 -
身の回りに必ずあるネジは、人類最高の発明であり、アルキメデスが発明したとも言われているそうです。そんなネジとその後に発明されたネジ回しの歴史と蘊蓄がたっぷりつまった一冊でした。先人の職人の努力とこだわりが伝わって来ました~
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身近に溢れているけれど普段は気にも留めないネジ。しかし私たちの今はネジ無しには成り立たないのです。読み終えるとありとあらゆるところにあるネジが目につき、この偉大な発明を現代に至るまで脈々と磨きあげてくれた先人に感謝したくなる、そんな一冊です。
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うろ覚えだけど、大学時代の大ボスから、ソフトウェアのモジュラビリティ、インタフェースを知りたいなら、ネジの規格化について調べろという話を聞いたことがある。日本では計算機なんて誰も触ったことがなかった頃の時代の話。
そう言う意味で、ネジの歴史にはちょっと興味があったのだけど、実際に調べてみたのは初めて。ただ、そのような工業化の観点からの興味とはちょっとずれた内容だったけど、モーズレーとウィットワースによる、精度の追求と標準化に向けての動きについては割と詳しく記述されている。モーズレー以前は、ナットとボルトは一組ごとに符合するように作られていたので、沢山のナットとボルトが混ざってしまうと、正しいペアを探すのに苦労した。モーズレーはタップとダイスの規格を決め、どのナットでも同じ大きさのボルトをねじ込めるようにした。19世紀以降の製造業への大きな貢献だった。ちなみに、モーズレーの弟子には、バベッジの差分機関を製作したリチャード・ロバーツもいる。 -
退屈
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第47回OBPビブリオバトル「トーナメント」で発表された本です。
2020.3.25 -
古本市で偶然見つけた。
ねじとねじ回しは、日頃顧みられることがない。
しかし、様々な機械に利用されていて、生活するには欠かせない。
そんなねじとねじ回しが本のテーマになったのは、ニューヨーク・タイムズが21世紀を前にして、日曜版でミレニアム特集をするから何か記事を書いてくれないかと著者に依頼したことがキッカケだった。
著者は建築・住宅から技術文化一般を扱った本を多数出版している。
いろいろ考えた結果、奥さんに相談して「いつも家においてある道具があるわ。ねじ回しよ」と言われた。
著者はそこからねじ回しさらに文献をあたっていくにつれて興味を持ったねじについて追い求める旅に出た。
日ごろ気にも留めなかったので、興味深く読めた。 -
とても身近なネジにこんなに幅広い製品にとても古くから使われ発展していく様を読み進めるのは楽しかった。
ただ、技術的知識が足りないせいで機械の構造を文体だけで説明されてもわからないものが多く、理解はしづらいかなと思った。
出てきた博物館とか、海外なので難しいけど見に行ってみたいなと思った -
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3.4
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ねじとねじ回しを求めて色々な資料の隅っこを探している様子がおもしろい。劇のように、次々とねじに関わる色んな時代の人の姿が出てきて、楽しく読めます。
以下、わたしのお気に入りの部分を引用↓
工具によっては、特定の問題を解決するために発達したものもある。古代ローマの枠のついた大のこや、ソケットつきハンマーがその例だ。こうした工具が遅かれ早かれ登場したことに疑いの余地はない。だが、突然「謎のうちに」登場した、曲がり柄錐や中世の卓上旋盤には、「必要があったから」という論法はあてはまらない。こうした工具は個人の創造性豊かな発想の産物なのだ。機械の複雑な関係を直観的に理解する、才気ほとばしる発明家の心は、たしかに詩的である。
ロマンチック!
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#科学道100冊/科学道クラシックス
金沢大学附属図書館所在情報
▼▼▼▼▼
https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA63157281?caller=xc-search -
「この千年で最高の道具について書け」
そんなミッションを与えられた著者は文字通り”自分の手”で家を作っちゃうほどの工具の使い手。
のこぎり、かんな、大槌といろんな道具を考えるもどれも古代ローマにあったようで…
ひょんな一言である道具の歴史をどんどん深堀していく著者の探求心がすごい。
正直工具にうとい私はついていけないところも多かった。
しかし今の技術の進歩には「完璧なそれ」が必要だったのだけはよくわかった。
ノブ(図書館職員)
所蔵情報:
品川図書館 531.4/R93 -
絵画や銅版画の中から最古のネジを探していくのが面白いです
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発明の大元は、至ってシンプルな技術が基盤となっている。それをベースに創意工夫が加えられ、技術はどんどん発展していく。それを川下から川上へと技術の歴史を遡っている本。人間の知能は古代からそれほど変わってないのでは、頭の使い方は古代人の発明家には及ばない。過去の遺産をもとぬ、積み重ねな結果というだけ。
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この1000年で最高の発明を探せ、とのオーダーを受けた著者がそれを探し回る話。
日常的に使っていてあまり歴史など考えたことのないねじとねじ回しに目を向けさせてくれたのは良いが、歴史を知るだけならwikipediaに簡潔にまとまっているのでそちらを見たほうが良い(出典はこの本らしいので)。 -
請求記号 531.44/R 93
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訳:春日井晶子、解説:小関智弘、原書名:ONE GOOD TURN:A Natural History of the Screwdriver and the Screw(Rybczynski,Witold)
催行の発明は工具箱の中に?◆ねじ回しの再発見◆火縄銃、甲冑、ねじ◆「20世紀最高の小さな大発見」◆1万分の1インチの精度◆機会屋の性◆ねじの父 -
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