マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
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レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503871

作品紹介・あらすじ

1990年代末、オークランド・アスレチックスは資金不足から戦力が低下し、成績も沈滞していた。新任ゼネラルマネジャーのビリー・ビーンは、かつて将来を嘱望されながら夢破れてグラウンドを去った元選手だ。彼は統計データを駆使した野球界の常識を覆す手法で球団を改革。チームを強豪へと変える-"奇跡"の勝利が感動を呼ぶ!ブラッド・ピット主演で映画化された傑作ノンフィクション、待望の全訳版。

感想・レビュー・書評

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  • 野球について、私は小学生の休み時間の手打ち野球くらいしか記憶にない程度なのでビジネス書として読了。さすがは映画化もされたベストセラー、今更かもだけど、読んで良かったと思いました。

    マイケル・ルイスは「フラッシュ・ボーイズ」を読んで以来でしたが、飽きさせない構成と専門的な情報をキャッチーに伝える力、軽妙な文章はやっぱり凄い。
    本の内容としては、アメリカの大リーグでの「お金をかければ良い選手が取れて勝てます」的な風潮の中、お金の無い球団が統計データを使って本当に勝つために必要な選手を導き出して勝っていく。それをストーリー仕立てで面白く(ここが非凡なところ!)纏めたのがこの本。溢れる知識を高所から説くような本じゃありません。

    野球の本なのですが、結局は「固定観念に囚われてるだけじゃ勝てないよ」という普遍的なコトを言ってるように感じました。ゆくゆくはデータを使う手法が広まって当たり前のものになり、そうなるとそれが固定観念化していって、でもまたそれを打破する人が現れて…となっていくのでしょう。
    IT技術で、人ができることはどんどん広がっている。ただ、まず最初に気付いたり、疑問を持ったりしないと何も始まりようがない。
    目標を設定して、それに対してひたむきに、粘り強く取り組むことの大事さをあらためて認識した次第です。

    なお、本書の内容とは直接関係ありませんが、出版後日談の後半、トロント・ブルージェイズの人種構成のくだりを読んで、「これからの『正義』の話をしよう」で読んだアメリカの大学のアファーマティブ・アクション(人種的マイノリティの志願者を優遇して、成績が多少悪くても入学させる措置)を思い起こしました。スポーツの世界も、何かあったりして。

  • 日本とロシアが戦争をしたときに、日本海軍の秋山真之さんという人が。
    「お金が無いから、戦艦の差は埋められない。ならば、どうやったらチームとしての戦術理解、スピードがあげられるか。あと、どうやったら砲弾の命中率を上げられるか」ということを考えて、実践しました。
    そのときに、いちばん参考にしたのが、当時最強と言われたイギリス海軍の方式ではなかった。
    その頃には新興勢力でしかなかった、アメリカの海軍の方式を一部導入した。
    戦術勉強をするのに、書物や講義ではなく、ジオラマみたいな巨大地図と、玩具の戦艦を使って、見えるように演習していく。
    「いちばん明快で判りやすかったから」。
    そして、砲弾については、ひたすらそれだけを訓練すると同時に、「破壊度」を捨てて「燃え広がる力」だけに特化した砲弾を使用した。
    「沈まなくても戦闘能力を奪えば良いから」。

    …というお話が、半ば講談的に「坂の上の雲」などに書かれています。
    「ある目的に向けて合理的な強度をひたすら高める。そして強者に打ち勝つ」
    という、恐らくは
    「乗り物操作的な触覚的な支配感と、ストレス発散的快感」
    で言うと、男子的な相当に人気の高い方向のオハナシな訳です。

    この「マネー・ボール」もその系譜ですね。
    実に少年的にわくわくしつつ、大人な納得感を得られる本でした。




    中学生から、高校生くらいまでは、プロ野球をテレビやラジオで観戦するのが、大好きで。
    1986年~1990年くらいのことで、当時ドラゴンズに在籍した落合博満選手が好きでした。
    実を言うとそれ以降はあまり野球に情熱をもったことがないんです。
    はしかみたいなものだったのかも知れません。

    この本を読んだのも、野球への情熱でもなければ、マイケル・ルイスさんへの関心でもまったくなくって。
    親しい友人が「大変にこの本が面白かった」と言ったからなんですね。
    もうちょっと補足すると、その友人は、野球好きなタイプではまったくなくて、また、マイケル・ルイスさんの他の本のジャンルである、金融に関心がある訳でもないんです。
    更に言うと、ブラッド・ピッド主演の映画を観たから、という訳でもなく。
    それなのに、この本が大変に面白かったという。
    へえ、ちょっと読んでみようか、と。

    アメリカの、プロ野球のお話なんです。

    「予算の無い弱小球団が、金持ち球団と互角以上に戦っている。それはなぜか?」

    という話なんです。
    そしてこの本は、ノンフィクションなんですね。小説ではないんです。
    (細かいところとか気分的なところはともかく、大まかな事実で言うと)実際に起こったことなんですね。


    時代は2000年前後です。(本が出たのが2003年のようですね)
    アメリカのプロ野球の仕組みは、僕は良く判っていませんが、まあつまり

    「4チームだか6チームだかで、1つのリーグ」。

    その中で、一年かけて順位を競うようですね。
    そして、そういう

    「4チームだか6チームだかで、1つのリーグ」

    が、いっぱいあるみたいですね。
    そして、それぞれのリーグの1位(なのか、1位と2位なのか、判りませんが)が、決勝戦みたいに、また戦いあう。これがプレーオフというようですね。

    最後に勝ったのが全米チャンピオンになる、ということですね。どうやら。
    (アメリカの持ってる文化特色の一つは、「おらが国が最高に決まってるぜ根拠ないけど」的な、笑っちゃうくらい華麗な田舎者主義なので、この全米ナンバーワンを決める戦いのことを「ワールド・シリーズ」と呼称しているようです)。

    で、その中でオークランド・アスレチックスという貧乏球団が、何年も、好成績を残しているんですね(2000年前後のお話です)。
    通常シーズンを勝ち抜いて、何度もプレーオフに出る。

    これはけっこう凄いことなんです。

    例えて言えば、2013-14シーズンのスペインのサッカー1部リーグで、レアル・マドリーとバルセロナを交わしてアトレチコ・マドリーが年間優勝を果たした、というくらい凄いことなんです。
    全く例えとして判りやすいものではないかもしれませんが。

    もうちょっとジャンルをずらして例えると…。

    ●通常の競争受験でしか生徒を入れない高校の野球部が、4年くらい連続で甲子園でベスト4入りをする、みたいな。
    (それがレアなことである時点で、もはやアマチュアスポーツではない無いんだけどな、と。
    野球好きな人が高校野球を楽しむのは当たり前なんだけど、そこに無垢な汗と純情と言った、アマチュア的美学の調味料をかけて報道するのは、いい加減にやめないと恥ずかしいよなあ…。
    この情報化時代に、誰もそんなこと信じていないんだから)

    ●資本の全くない企業が、知恵と工夫だけで新商品と新販売方式で売り上げと利益を出す。
    それを毎年、大手にパクられる。真似られる。トップ・プレイヤーを引き抜きされる。毎年毎年。それでも、毎年、売り上げと利益で大手と互角以上の結果を出す。

    ●「ウチの生徒の親はみんな年収500万円以下」「ウチの生徒の親はみんな高卒です」という公立高校が、東大京大の合格者ベスト10に毎年入る。
    (これがいちばん夢物語かも知れませんね。今、ほぼ完全にこの国は固定身分制度ですからね。)

    まあ、とにかくすごいことなんです。で、ちょっと夢があることなんですね。
    蓄積された資本のある人が、挑戦をして苦難を乗り越えて何か成し遂げる、みたいなことは、掃いて捨てるほどのストーリーがありますけれど。

    「資本主義の原理に反している」

    というのが夢があるんですよね。

    資本主義である以上、資本が大事なんです。
    実は、資本主義の中の勝ち組になると、別段「競争主義」や「実力主義」は望んでいないんですね。
    大事なのは、資本が多い方が勝つ、という仕組みを維持することなんです。
    この場合の「資本」はもちろんお金だけではなくて。「人脈」「情報」「血縁」なども含まれますね。

    トランプゲームの「大富豪・大貧民」で言うと、大富豪が大貧民からカードを奪って始まりますよね?アレです。
    アレを維持して、できればその強制交換枚数を増やしたいんです。

    もちろん、表向きは「実力主義」「競争主義」と言います。
    そりゃそういわないと恰好悪いですから。
    でも、本音はそうじゃありません。
    その証拠に、政治も財界も、2世3世花盛りですから。議論するまでもなく、それを観れば分かることです。



    この資本主義の原理が、圧倒的に支配しています。
    何しろ、世界のヤクザの最大の親分、資本主義の守り神であるアメリカの、退役した軍人さんが、

    「自分は現役時代、振り返れば、アメリカの大資本企業がぼろ儲けを続けられるように、世界中の反対勢力をひたすら暴力で脅し続けたようなものだ」

    と言っているくらいですから(笑)

    こういう、「弱肉強食の原理」には、歴史を通して多くの人がストレスを抱えながら暮らしています。
    だから、それに逆らう者は、ヒーローになることが多いですね。
    スティーブ・ジョブスさんだってそうだし、大まか言えば真田幸村だってそうです。
    「プロジェクトX」という番組は、改めて平成の時代に、昭和の高度成長という時期を「世界的な強者の論理に抵抗した日本人」という視点で再編集したヒーロー物語だった訳です。
    (どの例えも、「本当に彼らはヒーローだったのか?」という検証はまた別の問題ですが。そういう商品として大多数の人々に「買われた」、ということですね。)

    閑話休題…
    で、マイケル・ルイスさんという物書きさんが、オークランド・アスレチックスに密着取材?する訳です。
    するとそこには、選手と監督の上に「ゼネラル・マネージャー」として、ビリー・ビーンという元選手が君臨していたわけです。
    そして、ビリー・ビーンとその仲間たちは、数十年前から細々と提唱されていた、「分析・確率を素にして選手を評価・獲得する」という手法を取っていたんですね。
    これはケッコウ、凄いことなわけです。

    どうして凄いことなのか?というと。
    アメリカでは野球という娯楽産業は、随分老舗でかつ人気産業です。
    であるからには、当然そこの利権をめぐってもう、既得権益者サロンというものが出来ている訳です。
    (これはまあ、認めるか認めざるかはともかく、どんな産業でもありますね。ただ、どこまでそのサロンが硬直化しているか、という度合いはありますけど)
    野球の既得権益者サロンと言うのは、

    ●名選手たち、元名選手たち
    ●野球ビジネスを運営する実権を握る者たち
    ●大手資本を持つ、老舗の報道機関
    ●その流れを汲んだ各球団の経営者、指導者、スカウトたち

    というコトな訳です。
    そこでは、「野球を運営する」という利権に、他者を参入させないために、
    「野球は奥深い。経験者にしか分からない。経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論する奴らは皆、検証する必要もなく間違っている」
    と、いうような、神秘主義や精神主義が横行している訳です。

    もっというと、これは「負ける軍隊」と同じ構造なんですが、「他者を参入させない言い訳」である、ということにもう盲目になっている。
    宗教と同じですね。「日本軍は負けない」というヤツです。



    「オレたち経験者にしか分からない。オレたち経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論するシロウトたちは皆、検証する必要もなく間違っている」

    「経験者」というところを「白人」とか「高学歴者」とか「ゲルマン民族」とか「正社員」とか「男」とか「日本人」に入れ替えると怖いですね。

    で、この「宗教」に基づいて野球で飯を食っている人たちにとって、ビリー・ビーンとその仲間たちは、とても腹立たしい訳です。
    自分たちの主張と全く逆のやり方で、結果を出してしまう。

    (このビリー・ビーンさんたちの「確率論的に野球を分析する方法」のことを「セイバーマトリクス」と呼ぶそうです。でも別にこの本の中で「セイバーマトリクス」と言う言葉は出てこなかったと思います)


    つまり、この本は。ビリー・ビーンとその仲間たちが、

    「オレたち経験者にしか分からない。オレたち経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論するシロウトたちは皆、検証する必要もなく間違っている」

    というマッチョな既得権益者たちと、知恵と勇気だけを資本に、正々堂々の全面戦争を挑む、という戦いの記録な訳です。
    (ベースボール、というゲームの場で、ですが)。

    それはホントに、

    「地平線まで埋め尽くす十万を超す徳川軍の中に、たった数百の手勢で錐を揉むように突撃し、蹴散らし、家康の首まで迫っていく真田幸村」

    という娯楽的快感なんですね。

    「誰もが、もう無理だ、とあきらめた。だがたった独り、〇〇だけはあきらめなかった」

    という、田口トモロウさんナレーション的な、「プロジェクトX」快感曲線な訳ですね



    そしてそれが、実に疑問なく痛快なのは、どこにも「神秘主義」「ご都合主義」が無いことですね(少なくともこの本を読む上では)。
    前記の真田幸村の例や、プロジェクトXの例は、講談的な、敗北の美学的な、あるいはご先祖崇拝的なご都合要素が入っていることは先刻承知なんですけど。

    何しろ、ベースボールですから。
    勝った負けたが大公開でさらされるわけですよ。
    そこで「だって、勝ったんだもん」というこの痛快さ。
    しかも一発勝負ではなくて、通年の実力を試されるリーグ戦で。

    そして、その手法が「人徳」とか「勇気」とか「日本兵は世界一」みたいなワケの判らん理由ではなくて。どこまで行っても「合理主義」。

    この痛快さですね。

    これが、歴史的に言っても「良きアメリカ的明朗さ」だと思います。
    ヨーロッパと比較して、圧倒的に既得権と伝統と格式が無かったからこそ、神秘主義や権威主義から自由な立場で思考できた。
    それこそが、アメリカの素敵な部分だと思います。

    そして、本としての「マネー・ボール」の面白さも、単純明快痛快さ、と合理主義ですね。
    マイケル・ルイスさんの書き方はとてもうまくて、これだったら何のジャンルの本を書いても面白いだろうな、と思います。
    具体的に言うと。
    ●業界的な薀蓄を匂わせつつも、溺れない。
    ●同時に、いちばん単純明快な、神話的な、娯楽的な物語の背骨を見失わない。
    ●その娯楽度合いを、ノンフィクションのモラルのギリギリまで(あるいはギリギリを超えて)大げさに描く。
    というコトだと思いました。

    結局はノンフィクションですから、「例えばこういう例があって」という細部が全てです。
    この本の場合は、「こんな誰も見向きもしなかった三流プレイヤーが、ビリー・ビーンの目に止まって一流になった」みたいな物語ですね。
    その例が、列伝人間ドラマとして充実しています。
    でも、野球オタクのための本じゃない。むしろ、野球オタクに野球シロウトが打ち勝つ話なんですね。

    そして、どれだけ細部が賑やかでも、本線を忘れない。
    本線は「傲慢な既得権益者に、一度は落伍者に落ちた弱者が敢然と戦う物語である」ということです。
    本書の中であるとおり、「ダビデとゴリアテ」の物語なんです。

    そして、その本戦を太く強く面白くするために、物語としては

    「ビリー・ビーンという孤高の騎士、球界のルーク・スカイウォーカーが、ハン・ソロやチューバッカとともに、取り巻く銀河帝国の既得権益者たちに、ご意見無用の殴り込みをかけていくぜ」

    という英雄物語的ニュアンスに、できるだけ娯楽的に書いていくんですね。
    (無論、実際にはビリー・ビーンの思考的先駆者、ヨーダにあたる人物とか、色んな人がいます。そういう要素も、触れていますけど)。
    この手腕は、なかなか凄いなあ、と思いました。

    ※この特色については、池井戸潤さんの小説に似ているんです。
    どれだけ経済問題を扱っても、半沢シリーズなんて基本は水戸黄門だったりしますから。だから素敵なんです。

    恐らくは版元も早川書房さんですから、そういう娯楽要素をなるたけ削がない翻訳をしているのだと思います。
    この感じで、マーケットなどについての本を読めるのなら、それはそれで読書の快楽。
    友人のお蔭で良い作家を知ることができました。愉しみ愉しみ。

  • 一回切りの勝負じゃないのなら、結果より過程が重要。

    全体最適と部分最適。
    ①優れたチームパフォーマンスを実現するには、優れたローカルパフォーマンスを図るしかない
    ②ローカルパフォーマンスが優れていても、優れたスループットは実現できない
    どちらの仮定が間違っているのか?
    ②の仮定が間違っている。ということを示した本。
    これはサプライチェーンマネジメントの本ともいえる。

  • 金にものをいわせて有望と思われる選手を獲得する球団に対し、選手を科学的に分析して長所を探り出し適材適所に使用するアスレチックスに焦点を合わせた内容。

    独自の視点(目的)を持って分析する重要性を理解できた。

  • 科学的考え方で球団運営を行い、弱小チームを強化した GM の話。
    あと、大リーグ界隈の統計データを理解せず、事実を事実としてとらえられない人達の愚かさもよくわかります。
    (特に出版後日談に出てくる人物たちの愚かしいことよ。)
    日本の球団なんかも、ちゃんとこの本を読んで参考にすべきだと思いますね。できれば、高校野球の指導者あたりにも読ませたい感じ。
    それはそれとして、選手のエピソード 2 つがとても良かったですね。
    フィールド・オブ・ドリームスとか、川原の野球ものでみることのできるような幸福感が最高。(^^

  • ふむ

  • ・不遇な選手を偏見から解き放って、真の実力を示す機会を与えた
    ・人間社会における理性の可能性-と限界-を如実に表す縮図
    ・神々は、破滅させたい人間をまず「前途有望」と名づける。
    ・力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックにある。
    ・スカウトはつい、必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。
    ・自分の体験こそ典型的な体験だと思いがちだが、実際はそうでもない。
    ・心の奥深くにあるカジノで、賭け金を減らし始めた。
    ・いままで起こっていないことは、今後も起こらない。うまく対応できなかった事柄があるなら、そもそも対応能力がなかったのだ
    ・結果につながらない才能なんて、才能とは呼べない。
    ・うやむやになっている問題点に光を当てて、新しい明かりをともす。
    ・主役は解釈なのだ。地球上の出来事をほんの少しでも把握可能にするような解釈。
    ・従来の固定観念を打ち壊せば、いままでよりはるかに効率よく物事を進められる、と。
    ・異端とはチャンスを意味する。
    ・結果じゃなくて、過程を見ているんです
    ・世間では、過程より結果によって判断を下す人が多いみたいですけどね
    ・そういう意味じゃありません。うちの選手がどう対処しようとしているかを見ているわけです。
    ・教え込むことも可能だが、おしめをはかせてやらないといけない

    変わる勇気がなければ状況は改善しない、ビリービーンの考え方は、大いに参考になることが多かった。私にとって珠玉の言葉がたくさんありました。映画、見たくなる一冊でした。面白かったです。

  • プロとしての野球。勝つために何が必要か。
    既成概念と異なるアプローチ方法で球団を運営する物語。
    重点目標が「勝つため」である。
    プロ野球である以上、「勝つ」以上に大切なものが
    あるようにも思えるが、本書はとにかく「勝つ」ためである。
    洋書とは思えないくらい翻訳が素晴らしく読みやすい。
    セイバーメトリクスの考案者は
    ホームセンターの警備員だったことが最大の驚き!

  • セイバーメトリクスの古典としてリスペクトされる本書ですが、「マネー・ボール」なのであって「データ・ボール」ではありません。債券トレーダー出身のマイケル・ルイスはおそらく、割高な選手を売却して割安な選手を購入し、最安値のポートフォリオで最高の成果を出そうとするビリー・ビーンの姿にこそ興味を持ったのではないか、と思われます。

    その割高・割安を弾き出す手段がデータ分析。債券の世界には価格を理論的に算出するモデルがあるが野球人には勘と目利きしかない。そこでビリー・ビーンのアスレチックスはオタク通信に過ぎなかったビル・ジェイムスの知見を掘り起こし、大卒アナリストに託した。そこからセイバーメトリクスというビジネスが立ち上がり、現在に繋がっていく。

    今や、出塁率は打率より得点との相関が高いとか、単純なインサイトだけで勝つことはできない。

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