ライアーズ・ポーカー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
3.70
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本棚登録 : 309
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503949

作品紹介・あらすじ

金のためなら何でもあり! ウォール街の大物たちのあきれ果てるような自由奔放ぶりを、インサイダーの立場からえぐり、ソロモン・ブラザーズ会長失脚の契機ともなった傑作ノンフィクション

感想・レビュー・書評

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  • 掛け値無しに面白かった。ネタになる本。そしてトレーダー、セールス/債券、株式の力関係が結構よく分かる本。

  • 80年代ソロモンブラザーズの債券セールスマンによるノンフィクション。債券がマネーゲームの主役として躍り出てきた頃、売る側、買う側。

    若者が力をつけ成長していく場、オレオレ詐欺のための厳しいトレーニングも似たようなものかも。ちょっとした違いなのに、合法か違法かの差の大きさ。

  • 「ぼくはニュースを伝え終えた。彼はわめき、うめいている。一件落着だ。」

    CMOの発明はすごい。
    償還期限を切り分け投資家に安心感を与える。
    新しい金融商品はいつも天才的だ。

  • 80年代米国の債券マーケットにおいて、圧倒的な強さを誇ったソロモンブラザーズの伝説的なトレーダー達や世界観が語られる。

    金融市場の、債券マーケットの華やかさをこれでもかと魅せつけてくれる。自分も駆け出しのトレーダーだったころ、夢中になってこの本に噛り付いた。

    債券の取引は嘘のつきあいだ。価値が極めて浮動的なモノに値札をつけて売り買いする。そうなるとセルサイドもバイサイドもお互いに嘘や騙しが常套となる。すべてが取引所で完結する機械的な株式市場にはない、人間の欲をストレートにぶつけ合う債券市場の魅力をあますことなく伝えた名著。

  • 何千人もの就職希望者たちを押しのけて、1985年、マイケル・ルイスは「債券取引の帝王」と誰もが認める、あこがれのソロモン・ブラザーズに入社した。だが、新入社員として研修クラスに参加した彼がそこで目にしたのは、あまりにも破天荒なトレーダーたちの実態だった…金のためなら何でもあり!ウォール街で働く人々の驚くべき生態を、軽妙な筆致で鮮やかに抉り出した『マネー・ボール』著者の代表作、待望の文庫化。
     本書は、ロンドン大で経済学修士号取得後、1985年にソロモンに新卒入社し、最盛期から崩壊期へと凋落するソロモンのロンドンオフィスで、3年間債券セールスを勤めた著者による作品です。「100年に一度の経済危機などといわれているが、つい25年前にも、まったく同じような思いをした人たちがいて、その時にも2008年の今と同じプロセスでリストラが行われ、またソロモン・ブラザーズという会社が(原因こそ違うにせよ)一夜にして潰れていった」ということを知って、この業界の「中の人」のスタイルは当時からほとんど進化してないな、と強く感じました。

  • ある用事で調べものをしていて、参考になりそうだったので買ってみたのがきっかけで読んだ。

    1980年代に世界がバブルに沸きたっていたころ、一世を風靡した投資銀行であるソロモン・ブラザーズに在籍した経験のある筆者が、当時を回顧して書いた形のノンフィクション。最初から飛ばした書きっぷりには、自分が場違いなところに来てしまったという戸惑いをうっすらと浮かべながら(でもなんやかんやで彼は経済の大学院を出ているので、当時必要とされたスペックは満たしている)、「人の金はオレの金、オレの金はオレの金」のトレーダーマインド全開となってがしがし進んでいく様子がリアルタイムで映し出されているように思う。

    「ジャンクボンド」「モーゲージ債」など、自分に基礎的な知識がなくて理解に苦しんでいた金融商品が、こいつら(とあえて呼ぶけれども)のちょちょっとした電話越しの相談でほいっとできてしまったものだというのが「はあ?」的に拍子抜けしてしまった。まあ、実際はとりあえず設計書的なものを作っているんだろうけれど、こちらが思っていたよりも設計思想は安易。これが世界の金融市場、ひいては産業を食いつくしていく結果になるんだけれども、そんなもの、当の本人たちの知ったことじゃないわけで。

    面白かったのが、ところどころに出てくる、ソロモンの日本人社員と日本市場の扱い。実際には日本人トレーダーに優秀な人材もいたのだろうけれど、この作品では、日本人社員は日本の市場を確保するための重しであって、能力はそれほど要求されていないようにみえる。熾烈を極める研修で前の席にグループで陣取り、居眠りをしていても、とがめられずに席を確保されているのって、面白いようで、なんだかちょっとさびしいものもある。実力とは別のものでも世の中は回っているということでありましょう。

    育ちのいい、お坊ちゃん男子校の生徒が悪乗りしてやるような、度を越したいたずらと勝ち逃げ最強伝説のオンパレード。トレーダー諸氏には高邁な志など微塵も見えず、それがかえってすがすがしく、疾走感たっぷりのアメリカ金融イケイケ社畜ストーリーとして楽しく読み終えた。それに、ある種の金融商品解説本としてもハイクオリティな部類に入ると思うので、この業界の用語を触らなければいけないかたなどは、手元に置かれると心強いのではないかと。

  • ソロモンを辞めて作家になろうとする著者に向けて同僚が贈った最後の一節。

    「自分はこれまでいくつもの決断を下してきたが、最良の決断と呼べるものはみんな、そのときには意外で常識はずれに見えた。世の中の流れに逆らおうとして下した決断は、必ずいい結果を生むものだ。」

    ストーリーも長くて内容も濃かったけど、そのフレーズが一番言いたかったことなんだなってスッと入ってきた。

  • マネーボールなどで知られる、マイケル・ルイスのデビュー作(なのかな?)

    自身のソロモンブラザーズでの体験を書いた本。

    金融界の中で何も魅力もなく、掃き溜めの様にみられていた、債権市場があれよあれよと言う間に、金融の利益の大半を稼ぎ出す、誰もはやりたいと夢見る花形に変わり始めたことろの話。

    当初債権市場に従事するトレーダーは学歴的に大したことなく、人間的に尖っている(よく言えば)人が多かった。今の感覚でいうと大学に行っていない人が投資銀行に就職することの方が珍しいと思うが当時は違ったらしい。
    しかし数年でMBAホルダー全員が希望する花形になったのだから最初にいたトレーダーはそのMBAホルダーを奴隷の様にこき使い、独占的な立場を利用して顧客を顧客とも思わない人ばかり。

    またトレーダーとセールスの仕事やそれぞれどこでどの様に利益を得ているのかが自分には理解できていないので、なぜセールスがトレーダーの小間使いの様に働かせられているのかよくわからないが、とにかく職業的なカーストがあることは理解できた。

    一番印象に残っているのは新人の著者が、担当した相手にAT&Tの株を売るシーン。
    売った後実はその株はトレーダーが売りたがっていたババであった事を知り、ババだったことを知り著者がトレーダーに文句を言うシーンがある。
    そこでそのトレーダーは「お前に給料を払ってくれるのは誰だ?顧客か?違うだろ、ソロモンブラザーズだ」
    と言う場面があるが、この一言だけでも当時の債権トレーダーの思考は間違っていると思った。
    当時(もしかしたら今も)トレーダーは顧客の資金がどうなろうと全く関心が無く顧客が損失で飛んでも全く気にならないのだと言う事が良くわかった。

  • 人間の欲望にどう歯止めをかけるのかというのが問題なのだと感じる.

  • 錬金術のようなこの一部の世界の欲深さとは何たるものか。頭で分かっていても妙に惹かれるところに、かつてあった自分の野心を再認識。

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