破壊する創造者 ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ文庫NF)

  • 早川書房 (2014年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150504205

作品紹介・あらすじ

われわれはウイルスと共に進化してきた! 生命観を一変させる衝撃の科学書。解説/長沼毅

感想・レビュー・書評

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  • ダーウィンの生物進化論は
    突然変異と自然淘汰を謳っている。
    これまでは突然変異とは遺伝子のコピーミスと考えられてきたが、本書ではそれに加えウィルスによる共生も可能性として論じている。

    かなり専門的な内容
    相当すっ飛ばした

  • 多少、知識がないと読むのが難しいかもしれない。
    だがウイルスと言われると病原菌で悪しきものというイメージしかない人にとっては
    非常に興味深い話だと思う。
    善悪や進退の判断基準が良い意味で壊れる。

  • ゲノムの1.5%しか遺伝子として機能していない。それよりも多い9%は過去に感染したウィルスの名残なのだそうだ。
    そして50%は何の為に存在するかが未だ不明らしい。

    ウィルスは感染する宿主がいないと繁殖できない。進化の過程では宿主とウィルスの共生が大きく影響している。
    ゲノムに名残を残すウィルスはレトロウィルスと呼ばれる種類のもので、AIDSウィルスもその種類に含まれる。AIDSの特効薬が未だにできない理由がわかる気がする。今は新しい進化の過程なのかも知れない。

    過去を生かしながら新しい物を作るのはどんな世界でも難しく、破壊が必要だ。私たちの社会やビジネスではそれは難しいが
    ウィルスの感染と共生で生命はそれをうまくやっている。私たちの創造活動にも大変参考になる。

    後半は「エピジェネティクス」がテーマだ。ゲノムによる先天的なものだけでなく、自分の努力など後天的なものを子孫に残す仕組みの話だ。
    万能細胞などもこの研究分野に関すると思われる。エピジェネティクスという言葉は何回か目にしたことがあるが、これほど興味を持ったことはなく関連することをもっと知りたいと思った。

  • ウイルスとヒトの共生進化や、その理論に基づいた医学への応用、さらに進化への推進力には共生進化だけでなくエピジェネティクスや異種交配などもあることがこの本では述べられている。専門用語がやや多いが、一般読者に向けて書かれているので興味深く読めた。
    ウイルスとの共生進化の話は目からうろこ、というか、びっくりしてしまったが、大学で勉強した分子生物学や微生物学の延長線上にあるような考え方だとも納得できた。とにかく大量の参考文献を交えて論理的に文章が書かれているので納得させられる。筆者の文章は、医学への応用といった実利を追究しているので読者を飽きさせない。

  • 進化は、遺伝子の突然変異とその自然選択によって起こると思っていたが、それだけではないというのが本書の主張。例えば、共生(第十章)、異種交配(第十一章)、エピジェネティクス(第十四章)。また、ウイルスが人を病気にするだけではなく、人の遺伝子の中に入り込み、HERV(ヒト内在性レトロウイルス)となっており、ヒトの進化の原動力の一つとなってきたのではないかというのも本書の主張(と想像)。
    理路整然とした説明ではなく、こんな偉い人にインタービューしたといった話も挟みながらなので、基礎知識がない私のような人には読みにくい。ゲノム、遺伝子、DNA、イントロン等の概念が頭に入っていないとスラスラとはいかない。

  • 高校の時に学ぶ自然淘汰または自然選択とは、環境に適応した個体だけが次世代に種を残し繁栄していくシステムであり、種が変わるのは突然変異というDNAのコード時のエラーが原因であると学んだ記憶がある。
    本書では、どちらかというとウイルスによる進化ということに主眼をおく。
    ご存知のようにウイルスとはRNAを逆転写酵素によってDNAとしてコピーしそのDNAから遺伝情報を読み出すウイルス(これを昔からいるから?レトロウイルスと呼ぶ)。
    ウイルスというと人間を蝕む、悪いもの(生物)という印象が強いが、上記の現象からウイルスは生物のDNAを変位させうる能力がある。
    このウイルスによる進化が、自然のDNAのコードエラーと同じくらい強い推進力を持つというところが前半の主張である。

    一方で、DNAが決まると一意的にその後の人生が決まるかといわれるとそうではなく、後天的な要素(環境)もまた強く影響を及ぼす。
    これをエピジェニックな作用と呼び、直接DNAを変える力は持っていないが、DNAが与える影響力を変化させることができるという。DNAは設計図であって、その通りに作れるかどうかは別問題なので言われると当たり前のようにも思えるが、設計図通りに作る人を作るのにもDNAが担っているため意外と言えば意外なのかもしれない。

    従って、昔からの論争である「nature or nurture?」という問いは現代の視点では、いずれも決定的に重要という答えになるのであろう。
    この手の本は、最終的に人間にどのように利益をもたらすかわからない部分も多いが、この分野に限っては人間の医療技術の高度化ということが明確に理解することができる。
    将来、先天的な病気を緩和するため、ウィルスを摂取しDNAそのものを書き換えるという新しい治療法が誕生していることに期待しよう。

  • 今年読んだ本で、間違いなく一番面白かった。
    エウズやエボラウイルスは進化にとってはごく自然な成り行きなんですね。こういうレトロウイルスと共生することで生物とウイルスは共に進化してきた…世界観ががらりと変わります。

  • 「鹿の王」下 作者あとがきで知る

  • 生物の進化に対し、ウイルスがその駆動力の一つとして大いに働いているという話。ウイルスの感染により遺伝子が生物感を水平移動するということなのだ。大いにあり得る話だと思うし、科学者の中には抵抗を感じる物が多かったというのが意外な印象であった。ゲノム解析で生物の神秘が明らかになると思われたのが、さらに複雑な謎が現れてきた感じだろうか。進化の系統は系統樹から系統網になるのかも知れない。異種交配、エピジェネティクスまで視野に入れた内容で、非常に面白かった。今後の研究に期待大。

  • 第48回アワヒニビブリオバトル「散る」で発表された本です。
    2019.02.05

  • ・異種交配:小麦、トウモロコシ、綿などの植物はすべて異種交配による交配種であることがわかっている。

  • ウイルスがヒトを進化させた?

  • フランク・ライアン「破壊する創造者」読了。ウィルスに関する系統だったストーリー展開にとても興味深く読み終える事ができた。とてもおもしろい微粒子だと思った。ウィルスは負のイメージが強かったが、ウィルスベクターなどライフサイエンスの分野で活用されている事例から見方が変わった。

  •  求めていた本にようやく出会った感。
     ある種がある種の進化であるとどうしてわかるのか、は依然わからないままだが、ある種の変性が起きた時、変性後の種のゲノムには不可逆的な差異があり、その原因がウイルスにある、という見方と進行形の現象の発見には驚きと感激を覚えた。
     これまで生物系の本は結構読み漁ったが、生物学は神秘学、医学は手技、いずれも科学とは異なる独特の「文化」ではないかというとの先入観があった。こんな先入観は違うはずだという意思でいろいろ当たって、ようやくここまでこれたという実感である。

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  • Virolution, という単語に惹かれ、かつ生物関係の方々に非常に好評だったため、興味を持ち読んでみた。

    生物というものは実は非常にアバウトかつ柔軟で、多くの要素がすぐに絡まってしまうものなのではないかと最近様々な学びを通して感じる。

    この本も、ダーウィン的進化論に「縛られて」、かつウイルスは無生物のただの物質だと「思い込んで」いると、きっと驚きの視点だろう。
    私も少なからずその傾向はあったので、読んで非常に感動し、驚き、面白いなぁと純粋に感じた。ここで語られる進化論、生命現象への理論は多く外れたものではないだろうと思うし、様々な想像が掻き立てられる。

    自分の中に新たな視点が生まれ、一層自分の中の生物学はアバウトで魅力的なものになった。是非色んな人におすすめしたい。

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