- 早川書房 (2015年6月4日発売)
本棚登録 : 333人
感想 : 16件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150504335
作品紹介・あらすじ
金融とは無縁の物理学者がなぜ莫大な富を手にできたのか? 類まれなる天才たちの群像
感想・レビュー・書評
-
面白そうなので購入。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クオンツという高度な数学や物理学を駆使して株価の予測を他の投資家と比べかなりあてて大儲けしているという専門家がいる。
この本はそんなクオンツとか高度な数学がどのように使われてきたのかといった話が書かれている。
高校の物理で初登場するブラウン運動を株式市場に応用したり、統計的には初歩の初歩である正規分布ではなく、コーシー分布やレヴィ安定分布を取り入れるなどの試行錯誤、フラクタルといった幾何学的な世界までいろいろな試行錯誤の歴史を読むのは面白い。
ただ、最近の話になると全く出てきていないのは、投資の世界が科学の世界と違いオープンに議論する習慣がなく、それをやるとみんながやって結局儲からないからか。 -
物理学者がどのようにウォール街(株式市場)に影響を与えたのかが分かる一冊。
-
数学や物理が好きな人にはおすすめです
-
タイトルの通り、金融工学の歴史である。
どこかで聞いたことがあるなーという感じで、新鮮味はあまりないかな。
株価という人間の(汚い部分?)行動がかかわっている現象に物理学がどのように応用できるのか。
株価はランダムに動くという仮説は正しいのか。
ちなみにランダムにも規則正しいランダムとそうでないランダムもある。ここらへんが物理(数学)を経済学に応用できる良い例なのかもしれない。 -
金融に物理学者、数学者がどうやって貢献してきたかを時系列に追っている。どんな優れた道具も使い方次第、というのが中核にあるメッセージであり核技術はそのアナロジーともとれる。内容は例が豊富で平易に書かれているため数学や物理がわからずとも理解できる。
-
金融業界で数学が使われるようになるまでの歴史と関わった人々の業績。数学はすごい。もっともっと数学者を金融に増やそう。
-
序盤〜中盤まではとてもワクワクするようなストーリー仕立ての科学史の紹介だった。ただ、終盤は経済界の批判や、具体的に語れない部分(企業が公表していないモデル)を無理やり説明としていて、読後感が非常にモヤっとしてしまった。どんなポジションを取ってもらっても構わないから、最後は現状について語るよりもう少し示唆を出して欲しい
-
レビュー省略
-
数学と物理学の応用する先が「経済学」ではなく、
ただの「経済」というところがおもしろい。
また数学の知識をもって現実の社会で利益をだすという行動が、
ルーレットなどのギャンブルの研究からはじまったところは興味深い。
数学と物理学というと縁遠い印象がありましたが、
こうして経済(おもに投資・株式)ではたしている役割を知ると、
素粒子や宇宙の成り立ちなどよりは身近に感じました。
とくに印象に残ったのは6章と7章。
下記のような用語が経済現象とどうからんでいるのかわかりやすく説明してあり、
フラクタル、自己組織化、臨界現象、対数周期、カオス理論、
ランダムウォーク、ファットテール。
もう物理の用語はこわくない。 -
物理学や数学に基づいた数理モデルを使って金融市場の動きを捉えようとしてきた、科学者、クオンツたちの歴史を綴ったノンフィクション。
2012年発刊、2013年邦訳出版され、2015年文庫化された。
著者は本書で、「クオンツというものがどうやって生まれてきたのか、そして現代の金融理論に欠かせないものとなった「難解な数理モデル」とはいったい何なのか。・・・さらに、世界中が直面している経済問題を解決するうえで、なぜ物理学や数学の視点が必要なのか」を描いたといい、具体的に、
~19世紀末にパリで最初の重要な金融理論である「株価のランダム・ウォーク」を唱えたルイ・パシュリエ
~それを精緻化したモーリー・オズボーンとブノワ・マンデルプロ
~それらの理論を実践して初めて現代的なヘッジ・ファンドを生み出したエドワード・ソープ
~今でもあらゆるデリバティブ価格モデルの規範となる「ブラック・ショールズ・モデル」を生み出したフィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズ、ロバート・マートン
~アルゴリズムを利用した予測モデルを考案したプレディクション・カンパニー(ジェイムズ・ドイン・ファーマーとノーマン・パッカード)
~更に大胆に例外事象「ドラゴン・キング」を予測したディディエ・ソネット、
~そして、エリック・ワインシュタインとピア・マラニーが中心となって進める、経済学者・物理学者・その他の研究者を結びつける大規模なコラボレーション計画「経済マンハッタン計画」
などについて詳細に綴られている。
私は、文系キャリアながら、1990年代半ばにロンドン・シティでソロモン・ブラザーズ出身のクオンツたちとデスクを並べ、彼等の投資手法を身近で見てきたが、彼等の、相場の動く方向に賭けずに、同時に割安なものを買って割高なものを売ることにより、ネットポジションをニュートラルに保つ「アビトラージ(裁定取引)」という投資手法に、目から鱗が落ちたことを思い出す。本書でも取り上げられている、デルタヘッジ、ダイナミックヘッジ等を利用したものである。
数式等は一切使われていないとはいえ、難解な概念は少なくないし、金融デリバティブに馴染みのない人にはとっつき難いとは思うが、金融工学の歴史をコンパクトにまとめたものとして、意義ある書と思う。
(2015年7月了) -
歴史小説としても面白い。例えば、最近の一大イベントであるリーマンショックにも言及しており、リーマンショックで物理学者が果たした役割が簡潔にまとめられており面白い。経済/数学/物理関連の話も平坦な言葉で語られ、分かりやすく、予想よりも読みやすかった。正規/対数正規分布やゆらぎなど、大学の授業で習った用語も頻出しており、本の内容と経済学に親近感が湧いた。
-
経済学(金融)と物理学者の馴れ初めの話。
株価の動きを予測しようと奮闘した物理学者達の物語。
株価の正規分布→収益率の正規分布→ドラゴンキング→ゲージ理論と、
簡単なモデルからスタートして、それがどういう条件で成り立つのか、成り立たない場合は新たなモデルを作り上げていくという一連のプロセスから、金融工学の発展を垣間見れてなかなか面白いです。
ドラゴンキングの考え方は面白いなーと思いました。
