流れ――自然が創り出す美しいパターン2 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
3.92
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本棚登録 : 97
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504625

作品紹介・あらすじ

万物のパターンの謎に迫る3部作第2弾。水や煙、砂丘、車の流れを科学は証明できるか?

感想・レビュー・書評

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  • 「かたち」と比べて、数学的な内容の部分も基本的には文章で説明される。それくらい流れの、流体の数学は複雑で難しいのだろう。
    ただ、そのせいで少し読むのは煩わしい。
    水流から雲、太陽の表面に見える対流、砂漠の風紋、魚、鳥の群衆行動から、人の群衆まで、流れの幅が広くとても面白い。

    最後の章、相対論や量子論はいずれ説明されるかもしれないが、乱流は解けないのではないか、と、いくつか引用しながら紹介される。
    科学で理解が難しいのは、
    ・相対論のように日常的な直感と乖離してる現象
    ・理論的にも数学的にも解くのが困難な、例えば超ひも理論のようなもの
    ・乱流のような、その根底の式はわかってるのにどう計算すればいいのかわからないもの
    だそうで、なるほど。量子論はひとつめかな?
    ものすごいコンピューターがあればシミュレーションできるようになるんではないかなーと思ったけども。
    そもそも、理解できてるもののほうが少ないんじゃなかったっけ?
    例えば人の意識はどうだろう?
    ペンローズの、「皇帝の新しい心」の、「どんな気分だい?」(これがボブ・ディランのオマージュなのか、原文が気になってる)に答えられる機械を作れるのかどうか、はまさにそういうことで。

    気に入ったのは、人の群衆心理。ただ、同時に読んでた、エドワード・ホールの「かくれた次元」と内容が重なるところがあってちょっと慌てた。たまたま並行して読んでるものがあまりに近づくと、どれに書いてあったことかわからなくなって中身が混乱する。
    群衆をモデル化してみるのに、「ぶつからないように避ける」というような簡単なルールでシミュレーションするだけで、そのうち勝手に、前の人についていく、というような秩序が自発的にうまれるらしい。
    たしかに、混雑した駅とかで、前の人についていこうなんて思わなくても、人をよけてたらいつのまにか前の人をついていくことになってる。
    実感とモデルとが重なる。

    総じて、還元主義的な説明の限界があらわれるのが流れということのようだ。平均としての説明はできるけども、正確な予想はできない。初期条件として把握できないことが多過ぎる。全体とは部分の集合以上のもの、というのはゲシュタルト心理学者だったか。流れとはまさにそういうものの1つ。

    次は3部作の最後の枝分かれに取り組む。

  • 流体を軸として芸術、生物(動物の行動)などに広げた学問的本。
    流体に関わる仕事をしている理由でプレゼントされたがとても難しくて読めるポイントだけ斜め読み。
    パニック状態で群衆が互いに押し合い動けなくなる現象は仕事の上で役立つ話で興味深かった。

  • 1冊目の「かたち」でお腹いっぱいと思っていたら、その先にこんなまっすぐな話があったんだと驚き。物語はつながっているし、3冊目とのつながりもちらほら。

  • 流体、群れ、べき、乱流と幅広い。
    それぞれそれほど詳しいことは書いてはいないが、
    読みやすさも手伝って、ぐんぐん読めました。

    掘り下げたい欲が湧いてくる「流れ」の入門書として最適では。

  • ★科学道100 / 導かれたルール
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11730103

  • 結構同じような話が多い。

  • 大変おもしろい本である。

    第一章はダ・ヴィンチの水流観察をのべている。
    第二章は渦(乱流)のできる条件、レイノルズ数がでてくる。
    第三章は、対流の話、フライパンの上に油を引いて熱するときにできるセルなど。
    第四章は、粉粒体の性質、砂丘の形成とサルテーション、マルセが1995年に発見した層化、粒子の対流など。
    第五章は、鳥や魚などの群れの動きとその単純な規則、Biroidなど。自己駆動粒子の話で、渋滞やパニックなどの状態をのべている。西成氏の『渋滞学』と似ている。
    第六章は、乱流の話、ほとんど分かってない。関係が多すぎて、「理論の墓場」で「神も説明できない」そうである。

    さいごにゴッホの「星月夜」が乱流の特徴をもっていることを指摘している。

  • 表紙と前半は、流体力学と渦について。後半は、粉流体について。もともとは、パターンに関する三部作(『かたち』『流れ』『分岐』)の一つ。主な興味であるパターンについて、流体力学からは渦(カルマン渦とか)しかネタが無くて、渦では一冊埋まらなかったのだろうか?タイトルから示されるように、もっと流体力学の話が読みたかった。

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著者プロフィール

1962年生まれ。オックスフォード大学とブリストル大学で学位を取得。「ネイチャー」誌の編集に従事。『クリティカル・マス』(未訳)で2005年度アヴェンティス賞を受賞。邦訳に『生命を見る』など。

「2018年 『音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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