枝分かれ (自然が創り出す美しいパターン3)

  • 早川書房
4.38
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本棚登録 : 78
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504632

作品紹介・あらすじ

分岐が形を決定づける樹木、川、雪の結晶。万物のパターンの謎を追う3部作、堂々完結。

感想・レビュー・書評

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  • 三部作の最後。しかし、最初の2冊と違い、凄く時間がかかった。
    というのも、はっきり言って飽きた。結局、100ページ分くらいは飛ばしてしまった。
    人生には限りがある。読むべきものを読むのに時間を使うべきで、そうと感じなくなったら、違う読むべきものをとっとと探すべきだ。
    でも、最初に中谷宇吉郎が出てきたのが嬉しかった。(そして、それで興醒めたところもあるのかもしれない。このシリーズに求めるものと中谷宇吉郎の素晴らしさには隔たりがある。中谷宇吉郎は、本人は喜ばないだろうが、やはり科学に添えられた詩情やダンディズムが香しいのだから。)

    ラストも良かった。

    「物事はどのようにして起こるのか」エントロピーが最大になろうとして起こるのである。
    (中略)
    この...原理は、平衡から大きくかけ離れた系に秩序のあるパターンがなぜ現れるのかを合理的に説明している
    (中略)
    秩序状態のほうが無秩序状態よりも効率的にエントロピーが生成できる
    (中略)
    生命は秩序を用いてエントロピー生成を速める避雷針のようなものとして初期の地球にあらわれたのかもしれない。
    なんと、生命は、水素と二酸化炭素の多い地球上のエントロピーを効果的に生成するために効率的なシステムとして地球にあらわれたのではないか、と。
    その根拠に、条件が揃ったらあっというまに生命はあらわれた、厳密な偶然にしては早過ぎるのでは?と。
    これは面白い視点だ。なぜって、偶然うまれた生命には、なんの目的も意味もない。本質に実存が先立つような生命だ。しかし、この視点であれば、生命には価値が、意味が、目的がある、ということになる。それが人類が求めてきたことではないかもしれないけど。
    生命は、エントロピー生成システムなのだ。
    システムの持続、システムの効率化、システムの最大化、そういうことのために進化もあるのかもしれない。

  • 雪の結晶、樹木

  • 『かたち』『ながれ』に続く3冊目。やっとたどり着いた感じ。長かった。

    『枝分かれ』って聞いても、ちょっとインパクトがないかな、と感じていましたが、やはり期待通りにおもしろい。血管から川の流れ、葉脈、木の枝まで様々な枝分かれが紹介されていました。インターネットや都市の交通網などのネットワークも枝分かれで説明してあり、とにかく例が豊富でわかりやすい。

  • 「かたち」「流れ」に続く3冊め。何よりも自然の美しさを改めて感じる。この3冊を読んだ後はその美しさがさらに深く感じられる。ちょっと落ち葉を集めてしまったりしている自分がいる。

  • ★科学道100 / 導かれたルール
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11730104

  • 第一章は雪の結晶、第二章は鉱物デンドライトなどのフラクタル構造、第三章は亀裂、第四章は水路、第五章は樹の枝わかれ、第六章は社会ネットワークをあつかっている。

    エピローグはシリーズ全体のまとめで、基本的にパターンは促進と抑制の二つの要素がせめぎあって生ずること、対称性が破れること、閾値や分岐があり、パターンが選択されることなどが指摘されている。

    エントロピーとの関係では、「秩序状態のほうが無秩序状態よりも効率的にエントロピー(乱雑さ)を生成できる」と指摘している。つまり、エネルギーをためこんだ系が多くのエネルギー放出する必要があるとき、パターンはエントロピーを最大速度で生成する「構造化チャネル」だそうである。

    これを一歩ふみこんで、生命もこうした「構造化チャネル」の一種で、宇宙に特殊な現象ではないとしている。

    古代宇宙論とも似ていて、たいへん面白い内容だった。

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著者プロフィール

1962年生まれ。オックスフォード大学とブリストル大学で学位を取得。「ネイチャー」誌の編集に従事。『クリティカル・マス』(未訳)で2005年度アヴェンティス賞を受賞。邦訳に『生命を見る』など。

「2018年 『音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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